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コールセンターの品質管理の新たなしくみ「コール検定」

1.コールセンターの品質管理におけるモニタリング

center20a.jpgコールセンターをKPIなどで管理するようになって久しいのですが、内容は電話のつながりやすさから、一次解決率、情報の正確性、効率、人的リソース面など多岐に渡ります。

またそのなかには、応対の品質や顧客満足を図る項目が必ず含まれます。

現在、日本のコールセンターにおいて、応対品質を計測する方法として最も広く用いられているのはモニタリングです。

録音された全応対のなかからランダムに音声をピックアップして、15〜20項目ぐらいで構成されたチェックリストに基づいて評価します。

評価後のモニタリング結果の活用方法は大きく2つに分かれます。

ひとつめはセンター全体の品質把握と改善計画立案、もうひとつは人材育成です。

前者では、モニタリング結果を集計分析してセンターの強み・弱みなどを把握し、後者では個々の評価結果を担当者本人にフィードバックする際の素材として用います。

センターのマクロ的な視点として、個別のコミュニケーターに対しても、有用な手段としての行われているのが、このモニタリング手法です。

しかし、評価やフィードバックにはマンパワーを要することから、実施頻度は限られ、年に2〜4回というセンターが多いようです。

市場通信では、応対品質に関するコンサルティングから始まり、人的リソースが足りていないコールセンターでは実業務もサポートをしています。

長年、数多くのモニタリング業務に携わっており、より効果的な実施方法の改善や新しいしくみにチャレンジする機会をいただいております。

2.コールセンター現場の担当者が感じている課題感

モニタリングの運用方法や労力のかけ方は、コールセンターによって、本当にまちまちなのですが、現場の担当者の多くは「業務負担が大きい割に、効果が見えづらい」「センターの管理指標やKPIに入っているため、やめられない」と感じているようです。

119-a.pngしかしながら、こうした現状認識があったとしても、品質管理のしくみにメスを入れるのは簡単ではありません。そのため、課題を抱えながらも仕方なくこれまでの方法で運用をし続けているところも多いのではないでしょうか。

3.電話対応モニタリング活動のメリット・デメリット

ここで一度立ち止まって、モニタリングをベースにした品質管理のメリット・デメリットを整理してみたいと思います。

<メリット>
■定期的にモニタリングをすることで、応対品質の定点観測ができる
■結果をコミュニケーターにフィードバックすれば人材が育成できる

<デメリット>
■モニタリングやフィードバックの活動は、多くの手間と時間がかかる
■あらゆる場面において、定型業務になりすぎてマンネリ化している
■フィードバックは受け身なコミュニケーターも多く、その場合、変化は乏しい
■モニタリングは専門性が高く、品質管理担当者の育成や人員確保が難しい
■現場の管理者であるSVを品質管理にコミットさせることが難しい

このように整理してみると、たしかに、体力がかかる割には課題が多いようにも思えます。コールセンターはつながりやすさと合わせて、お客さま満足=応対品質が重要項目であるにもかかわらず、品質を下支えするしくみに問題があるのであれば、やはり見直すの方が得策でしょう。

4.コールセンターの品質管理の新たなしくみ、「コール検定」

市場通信が携わっているなかに、「コール検定」という品質管理のしくみを導入しているコールセンターがあります。このセンターでも、従来、品質管理に関する負担感やその効果が課題とされていたため、試行錯誤を繰り返しながら共に新しいしくみとして構築をしてきました。

「コール検定」とはコールセンターの『品質向上』にこだわったもので、コミュニケーター毎の成長を見える化し、着実な進歩を目指す新しいスタイルの品質管理のしくみです。

以下の図をご覧ください。

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これまでは各コミュニケーターの「現状の課題」に着目してフィードバックをしてきました。今回の「よかった点」「改善をめざしたい点」を整理し、コミュニケーターと共有をするものでした。

もちろん、この方法が悪いわけではありません。

品質向上に大きな影響を与えている事象にフォーカスをするため、コミュニケーターが改善点を意識して、努力すれば、応対は良くなります。

一方で、毎回、同じ課題を指摘されても一向に成長がみられず、品質レベルが固定化している人が一定数存在するのも事実です。

モニタリングシートには前回の結果が記載されているものも多いですが、前回も今回も改善事項は同じ「スピード」と「抑揚」。

その前を振り返ってみても、同様の内容が指摘されている、といったケースがあります。

先日、あるコミュニケーターと話していたとき、このようなことを言っていたことを思い出します。

「わたし、もうスピードはなおらないんです〜」。

このように、本人が成長を諦めてしまっては、品質向上は見込めません。

気になって、そのコミュニケーターのこれまでのモニタリング結果を調べてみると、入社後に一度ぐっと品質が向上をしたものの、ここ数年はほぼ横ばい状態でした。

同じ点を指摘され、努力してもなかなか改善せず、ついには成長そのものを諦めてしまった、と考えると少し残念な気がします。

余談が長くなりましたが、そのようなケースは決して稀ではなく、コールセンターあるあるではないかと思っています。

こうした状況を解決するために導入しているのが「コール検定」です。

「コール検定」は、ちょうどスイミングクラブで行われている、泳力を「級」ではかる認定制度に似ています。まずは、センターの応対品質をレベル分けして、その後もう少し細かいランクを定めます。

このランクがスイミングクラブの「級」のようなものです。すべてのコミュニケーターをランク付けして、その後は、各人が次のランクを目指すしくみです。

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「コール検定」が従来のしくみと最も異なるのは、ステップアップを前提とする点です。

もちろん、以前と同様に、同じレベルで停滞してしまう人も出てきますが、基本的にはひとつ上、もうひとつ上とランクアップを意識するため、多くの人が成長を実感しやすいしくみです。

「コール検定」で大きく変化するのが、現場のSVの意識や行動です。

それまでは、「品質は品質管理部門が主に見るもの」と認識していたSVも、コール検定があることで、コミュニケーターの応対にも目を配るようになり、検定前には声かけやロープレ練習などを積極的に実施するようになります。

また、検定結果をコミュニケーター本人よりも気にかけ、合格の判定がわかると、自分のことのように喜んでいることもあります。こうした環境の変化こそが、品質向上に一番よい影響を与えるのではないでしょうか。

5.「コール検定」を導入するには

op2018-01 (13).jpgお読みいただいてお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「コール検定」の導入は簡単ではありません。

だからこそ、現場の混乱を避けるためにも短期にしくみを作るのではなく、時間をかけて構築していくことをおすすめしています。

また、大規模センターや複数拠点があるコールセンターの場合は、トライアルとして、小規模な部門で試行して、その後、しくみをブラッシュアップした後にロールアウトといった段取りを踏んでいるケースもあります。

これまでに「コール検定」を導入いただいたコールセンター様においては、品質向上はもとより、センターが活性化したとの嬉しいお話をいただくこともあります。

品質が良いと、「お客さまが嬉しい」、そうすると「コミュニケーターも嬉しい」、最終的には「会社が嬉しい」と、コールセンター全体がプラスのスパイラルになります。

市場通信では、最終的にそのような素敵な循環をイメージしつつ、モニタリングがより本質的な活動となるよう、今後も現状に満足することなく、さらにサポートをし続けていきたいと考えています。

現在、品質管理において解決したい課題があれば、お気軽にご相談をいただけましたら幸いです。

参考になりましたか。

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コールセンター・チーフコンサルタント 石橋由佳

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コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、電話応対研修、トレーニング.その他モチベーションアップなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。

「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。

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[コールセンターの品質管理の新たなしくみ「コール検定」] 2021年3月31日

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