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コールセンターは人と人との会話がサービスそのものです。
そのため、当然ながら人材教育が要(かなめ)となりますが、教育面において業界の歴史的な流れの中で、相応した成熟化が見られるのかというと、必ずしもそうではないような印象を受けます。
「いまのやり方がベストではないとは思うのですが、いろいろとあってこんな感じで......」という課題感を責任者や担当者の方々が抱えているケースは実に多いものです。
一方、ここしばらくはコールセンター業界自体が、人材不足が続いていることも事実です。一昔前は、年に数回、比較的大きな規模で採用し、集合研修で教育した後に現場にデビューさせるといった流れで人材をまかなっていたセンターが多かったものです。
しかしながら、現在は、募集をかけてもなかなか人が集まらないため、数名単位で採用をかけるなど、本来ならば恐らく採用しないであろうと思われることも、あるいは人材をやむなく雇い入れることもしばしばあります。
そのような環境下で、年中、新人教育というジョブが進行しているセンターも珍しくありません。新人育成のあり方やプロセスが変わっているのであれば、その変化に対してしっかりと対策を打ちたいものです。
多くのコールセンターでは、研修室での座学が終わったのちに、現場で行われる実践教育のことを「OJT」と呼んでいます。
一般的なビジネスシーンにおいてのOJT(On-The-Job Training)という用語は、実務を体験させながら仕事を覚えてもらう教育手法を指し、とくに時期を限定している訳ではないのですが、この業界では新人教育を指すことが多いようです。
ここからは、多くのコールセンターで抱えている、OJTを含めた新人教育や研修全般に関する課題について、ひも解きながら整理をしてみたいと思います。
1)研修のゴール設定における課題
・そもそも、その研修でどのような人材を育てるのかがわかりにくい
・そのため、何を習得させるのかが明確になっていない
・集合研修とOJTにおける教育の範囲が不明確
・学習を通じて仕事へのモチベーションが維持、醸成できるかという視点が弱い
2)研修カリキュラムにおける課題
・研修カリキュラムが更新されず、現在は必要のない内容が含まれていることもある
・教えるべきことは網羅しているが、現場(お客さまとの会話)が考慮されてない
・インプットばかりでアウトプットの学習が少ないため、学習成果がつかみづらい
・知識が中心で、電話応対話法についての学習があるが、それだけでは不十分
・カリキュラムにモニタリング指標などの品質については盛り込まれていない
3)コールセンターの研修テキストにおける課題
・テキストの内容が古い、見づらい
・情報が並べられているだけで、受講側の視点が弱い
・学習の振り返りができる構成になっていない
4)研修講師、トレーナーにおける課題
・主に知識面で講師やトレーナーを選んでおり、教える能力が考慮されていない
・講師となる人に任せっきりで、どんな研修がされているかをチェックしていない
・研修がマンネリ化しており、講師の熱意が低い
・講師やトレーナー自身が人材育成の学習を受けておらず、自信が持てていない
5)OJTにおける課題
・OJTの位置づけや役割が不明確で文書にないため、属人的に行われている
・教育部門とOJTを担当する人の事前のすり合わせや途中のフォローがない
・OJTを担当する人が人材育成の学習を受けておらず、自信が持てていない
・インプットばかりでアウトプットの学習が少ないため、学習成果がつかみづらい
6)新人のフォロー体制における課題
・新人が独り立ちするまでのサポートをする体制が整っていない
・新人が困ったとき、悩んだときの相談先が不明確
これらはごく一部で、丁寧に掘り下げたらまだ色々とあげられることでしょう。
コールセンターは人材が命と言いつつ、実際には万全の育成体制を整えられず、理想とはかけ離れた環境下において、なるべく効率的に教育を行いたいというのが多くのコールセンターの本音かもしれません。
そうであれば、なおさら土台となる部分をしっかり整えておきたいものです。
具体的には前述の課題を、完璧でなくてもいいので改善することで、教育の精度はぐっとあがると考えています。
もちろん、現在の教育の見直しともなると決して簡単ではなく、一定の人材と時間を確保することが必要となるでしょう。
ただ、今後も継続して人材採用や教育が必要であれば、一度、きちんと見直しておくことで、あとは細かい部分を適宜ブラッシュアップするだけで済みます。
効率面に課題がある場合は比較的速やかに改善への取り組みが着手されますが、教育や品質面においては、課題が数字に現れづらいことから後手に回りがちです。
しかし、教育での課題を放置すると新人研修中もしくは入社後短い期間での離職につながり、募集や採用、研修の費用と労力を踏まえた損失額は想像以上となることもあります。
こうした現状を踏まえ、思い切って教育や研修の改善に着手をするならば、半年から一年がかりで計画的に行うのがよいのかもしれません。
その場合、部署をまたいでの活動となるため、年に一度検討される次年度計画などに盛り込んでおくことで、その重要性がセンター内で共有され、より進めやすい環境づくりにつながるのではないでしょうか。
いかがでしょうか。まずは、教育とオペレーションの双方の現場担当者が集って、課題の棚卸しをしてみるのもよいのではと思います。
コールセンター業界で働きたい、長くこの仕事を続けていきたいと思ってもらえるためには、質のよい教育が不可欠です。当社市場通信もコールセンターに従事する者として、安心してプロ意識を持って働ける環境づくりを、日々模索をしていければと真摯に考えています。
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[コールセンターにおける教育や研修は成熟していますか] 2021年1月11日
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