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アウトバウンドを実施する上での設計書づくりとは

1.アウトバウンドを取り巻く環境

op2018-01 a(10).jpgみなさんのご自宅にはアウトバウンドの電話はかかってきますか?私の自宅には2〜3ヶ月に一度のペースで企業からの販売促進などの電話が鳴ります。

しばらく前であれば、アウトバウンドは自宅電話のみに限定し、携帯電話にかけることはありませんでした。

しかしながら、登録などの第一連絡先として、携帯電話の番号を書く人が増えているためか、携帯電話にアウトバウンドをかけるケースも多く出てきました。

実際、私自身もしばしば携帯電話あてにかかってきます。主には、現在、やりとりのある金融機関からの来店誘致や電気やガス関連の案内、生命保険のセールス、子供の学習教材の案内、自動車ディーラーの車検といったものでしょうか。

実は、コールセンター業界におけるアウトバウンドの実態は詳しくはわかっていません。各企業の営業戦略のなかで展開されるため、外部に公表することがないからです。したがって、事例なども集めづらく、自分宛てにかかってきたアウトバウンドはできる限り録音をして研究材料としています。

以前は、セールス=アウトバウンドという風潮もありましたが、昨今では高齢者を狙った電話での詐欺行為が横行しており、知らないところからの電話自体への警戒感の高まりや、女性の社会進出による在宅率の低下などの影響で、20〜30年前と比較するとその数はぐっと減っていると思われます。

ただ、お客さまに商品やサービスを知ってもらうための手段としては、一定の成果が見込めるため、その活動自体がなくなることはありません。事実、市場通信においても定期的にアウトバウンドに関するご相談をいただいています。

2.アウトバウンドにおけるスクリプトの重要さ

callcen1.jpgアウトバウンドは企業から発信するものですから、何より成果が重視されます。私たちがアウトバウンドの業務改善の依頼をいただいた場合、真っ先に確認するのは、スクリプトです。

インバウンドよりも、スクリプト自体がコールに与える影響が大きく、その精度が結果を左右するためです。

アウトバウンドは、電話をかけたその瞬間には、お客さま側にはニーズはほとんどなく、企業の都合で会話がスタートします。

したがって、まずは冒頭部分で「ちょっと聞いてみようかな」と思っていただき、その後、「そのサービスは自分にとって価値があるのか」を検討してもらい、その上で、理解と納得を感じていただけて、はじめて企業として獲得したい結果が得られるのです。

当然ながら会話の難易度は高く、その内容を、コミュニケーター一人ひとりに考えさせるのは無駄が多く、ある程度のリスクもあります。

実際、スクリプトが全くない状態で電話をかけているケースは稀ですが、簡単なフロー図や会話の一部しか整っていないスクリプトで電話をかけていることは少なくありません。

こうした場合、コミュニケーターが各自、自分なりに考えたトークを小さな字であちこちにメモしているのをよく見かけます。それがないとうまく会話が進められず、不安になるためです。

しかし、コミュニケーター個々人の裁量に任されている状態では、企業としてベストの会話になっているとは到底思えません。当然ながら、効果が最大化されているとも言えないでしょう。

3.いきなり、スクリプトを書いてはいませんか?

では、精度の高いスクリプトはどのように作成するのでしょうか。アウトバウンドの準備する際、いきなりスクリプトを書いてはいませんか?もし、そうしている場合は、ぜひその前にひとつのプロセスを組み入れることをお勧めします。

それは、『アウトバウンド基本設計書』という書類の作成です。

op2018-01 (5).jpg『アウトバウンド基本設計書』とは、そのコールの方針がすべてわかるものです。書かれたものをみると当たり前の事項ばかりですが、この書類作成を通じて議論をしていくと、意外と整理がされていないことも多くあることに気づきます。

例えば、「5000円の標準セット」と「8000円のグレードが高いセット」を案内するアウトバウンドコールがあったとします。

その際、「5000円の標準セット」をメインに案内するのか、はたまた「8000円のグレードが高いセット」を軸にセールスをして、高いと言われたら5000円のセットを案内するのか等を議論するのです。

決定に際しては、商品の内容や対象となるお客さまの属性、企業の方針をもとに議論する必要があります。

これは、「会話をどう進めるか」というだけでなく、最終の獲得金額が違ってくるため、とても大事な要素です。

ところが、こうした内容を整理せずにいきなりスクリプトを書いてしまうと、戦略が不明確であったり、目的が曖昧なものになってしまうのです。

ここで、『アウトバウンド基本設計書』の一部の項目をご紹介しましょう。

□コールの名称
□コールの目的 
□お薦め商品・サービス
□ゴール(何を獲得するのか)
□対象者(データの抽出条件)
□ターゲット像
□ターゲットにとってのメリット(訴求ポイント)
□ターゲットにとっての阻害要因(断り理由)
□実施フローと架電タイミング(DMや店舗/営業担当者までを含めたフロー)
□スクリプト概要
□送付物(DMや見積書)の概要
□関連部門との連携の場合は、電話の応対範囲(電話で話す範囲)
□留守録対応
□インバウンド担当者と共有が必要な事項
□かかるコスト
□目標値(コンタクト率/獲得率や金額)
□アウトバウンドで検証したい事項 等 

こうした項目を整理しておくと、当初の目的に即したスクリプトを作成することができるのです。

4.『アウトバウンド基本設計書』の使い方

op2018-01 (3).jpg『アウトバウンド基本設計書』はスクリプトを作成する前の準備ツールではありません。完成したこの書類は、コミュニケーター教育などにも活用します。

ここで大手銀行のアウトバウンドの事例をご紹介しましょう。

そのアウトバウンドの最終的な目的は来店誘致ですが、特定の金融商品をご案内し、興味があるお客さまに来店のアポイントを提案しているコミュニケーターもいれば、試算運用の資格をもったプロフェッショナルに相談ができることをアピールして、来店のアポイントを獲得している担当者もいます。

一方で、別のコミュニケーターは「お買い物の際に30分でもでもお時間をいただければ〜」と気軽さを訴求するなど、来店促進という目的こそ同じですが、まったく異なる切り口でご案内していることもあります。

そのため、通話時間や結果に大きなばらつきがあったうえに、店舗側からは「電話であまり詳しい話をされると困る」「見込度の薄いお客さまを誘導するな」という指摘もあがってきていました。

そこで、フォローアップ研修をセッティングし、アウトバウンド基本設計書にてそのコールの方針について改めて周知し、お客さまとの会話の流れの軌道修正をしていきました。

『アウトバウンド基本設計書』はとてもシンプルな書類ですが、あるとないとでは大きな違いが生じます。このケースでは、組織内での意識のすり合わせや、関連部門との認識合わせなどにもとても有効でした。

いかがでしたでしょうか。現在、アウトバウンドを展開中であれば、実績をあげたい、コールのばらつきを抑えたい、他部門との調整をうまく図りたいなど、見えている課題は多くあることでしょう。

設計についてまとめましたが、この他にも、アウトバウンドに必要なスキル(技術)や品質管理、数値計測の仕方など様々なポイントがあります。

それらはまた別の機会にお伝えするとして、まずは影響力の大きいスクリプトの見直しをされてみるのはいかがでしょうか。

参考になりましたか。
コールセンター・チーフコンサルタント 石橋由佳

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コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、電話応対研修、トレーニング.その他モチベーションアップなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。

「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。

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[アウトバウンドを実施する上での設計書づくりとは] 2019年6月25日

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