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コールセンターの担当者は電話によるお客さま対応が主な仕事ですが、通話が終了した後に修理や訪問を担当する関連部署へ情報を引き継ぐセールス案件は、営業担当者や店舗などへ申し送りするなどの業務があります。
お客さまとの会話から得た情報を関連部門に伝達する、と言ってしまえば簡単そうに聞こえますが、コールセンターの対応次第では、お客さま・引き継ぎ部門の双方からクレームを受けてしまう場合があります。これはどうしてでしょうか。
ある家電メーカーのサポートセンターの事例をご紹介しましょう。
そのセンターでは、商品についての質問や不具合についての問合せを受け付けており、状態によっては修理のサービスマンの訪問を手配します。受付フロー上では、[センター側で不具合の状況をヒアリングし、その後についてのご説明]→[サービスマンに情報を引き継ぎ]→[サービスマンがお客さまを訪問]することになっています。
ところが、実際にサービスマンが訪問すると、現場でのコミュニケーションが円滑にいかないケースが多々あると言います。
たとえば、サービスマンが訪問してみると、訪問直後からクレームが発生することがあるそうです。お客さまからは、「電話でさんざん説明したのに、サービスマンがきちんと理解していなかった」「なるべく早く解決したかったのに、必要部品が足らずにその場で修理ができなかった」などという苦情が寄せられます。
これに対し、サービスマンからは、「事前に引き継がれた情報が曖昧だったため、修理がスムーズにいかなかった」「電話で『時間厳守』と言われていたそうですが、それを知らずに15分遅れて訪問したところ、玄関を入るまえに厳しく叱られてしまった」「お客さまでもできる簡単な操作で解決してしまい、訪問の費用が回収できなかった」などといった具合です。
また、修理などの訪問案件については、電話であらかじめお客さまに伝えておくべきことがあります。主には、訪問した場合の費用/時間/当日の連絡手段/遅れる可能性がある場合はその旨などで、それらに加えて、さらに配慮を含めた「修理の際は、◯◯の扉を開けさせていただきます」や「その後は◯分間は使えなくなります」なども伝えておけるとよいのでしょう。
このような事態が起こるのには、大きく分けると2つの原因があります。ひとつめはコールセンターが事前にお客さまにご確認しておくべきことや案内すべき内容が確立していないこと、ふたつめはコールセンターからサービスマンに情報を伝える際に、お客さまから伺った内容が異なっていたり、解釈が間違っていたり、あるいは重要な点が削ぎ落されてしまっていることです。
お客さまにヒアリングする内容やお伝えする情報については、標準化は欠かせません。コミュニケーターは修理やサービスのプロではないので、こうした内容は事前に共有しておく必要があります。
気遣いのフレーズも含めた口語体のスクリプトを作成することが望ましいのですが、そこまでいかなくても、最低でも項目や具体的な確認の仕方などを資料としてまとめておく必要があります。
実に当たり前のようですが、これらの作業を難しくしている原因としては、日常会うことのない部門間で協力をして資料を作成する必要があり、いまの状態がベストではないことはわかっているものの、検討のためのミーティングを設けることができずに改善がされないのです。
質の高い標準化を通じて、これらを解決するためには、オペレーションの現場に任せすぎることなく、連携部門の運営サイドでプロジェクトを作り、両者の意見交換をしながらベストコミュニケーションを検討していく必要があります。
逆に、スムーズな協力連携ができているコールセンターは、コミュニケーターが現場を知ることでより優れた案内ができるため、研修の一貫として修理の現場に同行する機会を設けるなどをしています。
お客さまからヒアリングした内容の引き継ぎについては、余さず伝えるのは当然ですが、実際に伝達する際はお客さまの言葉を要約して伝えることがほとんどです。
すると、「〇〇(商品)の××の部分が不調」など、故障個所のみを伝えて、「非常にお困りの様子で、費用がかかってもなるべく早く修理をご希望」など、お客さまの状況や真の要望にあたる部分が不明確であり、削ぎ落されてしまっています。
その結果、お客さまは、「私が話した内容が伝わっていない」と感じてしまうのです。
また、お客さまのお気持ち状態を共有しておくことも重要です。お電話のやり取りから、お客様が不満足な状態であることが汲み取れた場合は、そのことも担当者に伝えておくことが有効です。
担当者が訪問する際、あらかじめわかっていれば、初動のご挨拶や立ち居振る舞いなどに気を遣うことが可能となります。これらを共有するために、コールセンターによってはお客さまの心理状態を顔のイラストで選択し、わかりやすくしているところもありますここまで準備をして初めて、精度の高い連携が可能になります。質問項目の標準化などは一定の手間がかかりますし、オペレーションではお客さまからのヒアリング内容の情報量が増えますが、それを補って余りあるメリットを得ることができます。
再訪問の手間がはぶける、修理費用が回収できないケースが減るなどといったメリットは実に多く、その上で質の高いサービスの提供によりお客さまの満足度も高くなる、といった効果を見込むことができます。
コールセンターと他部署との連携がスムーズにいかない場合、このあたりから見直してみてはいかがでしょうか。
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[コールセンターでの情報伝達力がお客様の不満を少なくする!] 2018年8月 1日
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