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私にも使えます!

月刊コンピュータテレフォニー8月号への執筆より

マーケティング最前線:連載第91回 2010年7月20日

私にも使えます!

携帯情報端末としての「iPad」が登場し、仕事先でも電車の中でも使っている人をよく見かけようになってきた。発売当初から少し時間が経ったころ、家電量販店においては展示用のiPadが数台置かれていて、それを試している人や実際に購入している人が多かった。

一見いつもの家電量販店の光景のようではあったが、よく見ると、なぜか中年の男女が多いのに少し驚いた。行列に並ぶ人は若い人と決め付けていたので、その意外な光景を見て、売り場の人に聞いてみた。「そうなんですよ! 」と彼らも"予想外"だったらしい。

直感的な操作が可能なタブレットPCが、「私にも使える! 」という気持ちにさせるらしい。若い人にはわからないだろうが、その昔、子供の頃に見たテレビCMを思い出した。ある人気女優(その後、国会議員で大臣にもなった女性)が「私にも映せます~」と8ミリカメラをアピールするものだ。

そのCMが効いたからか、筆者の家にもその商品がいち早く入り込んでいた。今からおよそ40数年前の話である。もっと『カンタンさ』を効果的にアピールすれば、その昔のように中高年の富裕層の血が騒ぐかもしれない。

PCよりも簡単に使いたかった機能が楽しめると直感させることも可能であろう。富裕層のおじさんやおばさんが並んで買い求める光景は、この時代においてはきっと嬉しい悲鳴であると思われる。

任天堂が「DS」や「Wii」で、今までゲームなどをやったことがない層までも夢中にさせてニーズを広げたが、結局のところ購入者が新しいソフトを買い求めるほどには習慣付くことはなかった。今度のiPadの人気はそのような事情とは少し異なると思われるのだが、どうであろうか。

また、新たな機種「iPhone 4」が予約・販売となり、高解像度ディスプレイ、HDビデオ撮影、5メガピクセルカメラ搭載と、製品自体や機能がアップしている。魅力的な進化がiPhoneの新たな顧客を増やすであろう。

携帯端末の場合は現在の月賦販売方式で2年間の縛りがあるため、マニアックな人以外は当然新規利用者や購入者がiPhoneの裾野も広げることになる。既にネットや携帯に慣れている層ではなく、初めてスマートフォンを使う層である。

しかし、前述の携帯売り場では、売れるときにどんどん売る! という感じではない。実に冷静な応対がなされており、iPhoneの説明では基本的な内容や確認がしっかりとなされていることが興味深い。

「コレを使うにはPCが必要ですよ」「『iTunes』は使ったことありますか」などと大変丁寧な応対である。よく知っている人や既に利用経験がある人なら、もどかしく感じるかもしれない。飽和状態が続いている携帯電話市場では、CS(顧客満足)が販売現場でのキーポイントとなっており、そのために顧客応対の対策が徹底しているからであろう。

一方、今までのPCはどうなるのであろうか。米国の最新予測によれば、今後のPC市場全体は成長するものの、iPadのようなタブレットPCが新規カテゴリーとして大きく伸びると予測している。今までタブレットPCはカテゴリーとして認識されていなかったが、やっと数値データに組み込まれるらしい。

こんなに短期間のうちにタブレットタイプが伸びるとは推測できなかったようだが、今後はデスクトップPCが減少し、タブレットタイプがノートPCを侵食し、ネットブック市場を2012年には完全に追い越すという勢いである。これは劇的な変化と言えよう。

(ただ、この原稿を書いたの1カ月前、もう飽きた!という声もある)
                                    ↓
iPad「もう飽きた」の声 「重たい」「使えない」と不満:2010/7/21 J-CAST ニュース

[私にも使えます!] 2010年7月21日

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