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客層が雰囲気をつくる?

月刊コンピュータテレフォニー4月号への執筆より

マーケティング最前線:連載第87回 2010年3月20日

客層が雰囲気をつくる?


ビジネスには必ず求めるターゲット(お客様)がある。企業は自社が想定するターゲット層に商品やサービスを販売したいはずである。しかしながら、実際に市場に商品を出してみると、想像を超えたことが起こりうる。よくあるのは、若年層向けに販売した商品にミドル層やシニア層も食いついてきたとか。その逆もある。企業とすれば販売実績が向上するので、それはうれしい誤算となる。

少しリッチなカフェが、お店のインテリアと顧客層の雰囲気が異なることを避け、「未成年の方は保護者同伴で」というプレートを入り口に設置したという記事を読んだ。その理由は、学生だけのお客様が来店すると、店の雰囲気が変わってしまうからだという。このデフレ不況の時代に、来店してもらうお客様を選ぶわけにはいかないが、お客様によって店の雰囲気が変わることへの経営者の不安はよくわかる。

再建支援が正式決定した長崎県の大型リゾート施設。オランダの街並みを再現した雰囲気はどうかというと、筆者が行った時は修学旅行の学生が多くて、完全に心を揺さぶるものではなかった印象がある。これは個人的なわがままとして聞いて頂ければと思うが、観光地ではその客層の違いで売り上げまでも変わってくるかもしれない。

例えば、誘致圏が広く集客力がある観光地。上限1000円の高速道路料金が呼び水となって、遠方はもとより、近隣県からの来客が多くなっている有名観光地も少なくない。今までは、遠くから温泉や自然を求めてやってきた観光客が多かったところも、近隣からお手軽観光にやってくる。

一見賑わいを見せてはいるが、地元の観光関連会社は客層の違いに戸惑っているようだ。近隣県からの観光客は、あまりお金を落としてくれず、その分、"客単価"が下がっているからだ。こうした観光地を2、3カ所訪れると、以前と変化した状況が感じ取れる。

 今までゆったりと歩けた観光道路も、駐車場を探す近隣県からの車で混雑し、観光客目当ての売店では、近隣県からの若年層向け商品も多く見受けられる。ターゲットによる売れ筋商品の移り変わりも如実にみられ、こうした客層の変化で観光地全体の雰囲気が変わってくるのである。

今後、高速道路の無料化が進むと、今以上に影響するであろうと思われる。これも構造的な変化として受け止めるべきであろうか。

逆に、年齢や性別などの客層を選ばず、どんどんターゲットの幅を広げたいという企業や業種は多い。業績好調が伝えられるユニクロや餃子の王将などはその代表である。女性層やシニア層などへ拡大すれば、それが売上高に跳ね返ってくるからである。

しかし、ターゲット拡大を狙いつつも、今までどおりの雰囲気のお店がある。品揃えや売り場、外観は取り立てて気にならないが、店内のBGMと接客が大いに気になる。店内に入ると思考が狂うほどのBGMの音量と、そのBGMに負けず劣らずうるさい店員さんのかけ声。これだけで購入意欲を失ってしまう。

そのお店には、何度かBGMのボリュームを絞ってほしいと言ったこともあったくらいで、ロック系の曲に体を少し揺らして待機している店員さんに相談する気にはとてもなれない。中高年にはかなりつらいお店で、これでは客層は拡がらない。

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[客層が雰囲気をつくる?] 2010年3月23日

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