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ショップを襲う価格比較系サイト

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以前「ネットにおける企業の評判と風評対応」でも書いたが、消費者がモノを購入する意思決定要因のメカニズム、これを知ることは非常に難しいことである。購入への決定プロセスは人それぞれ異なり、かつ購入に至るまでには様々な情報に左右されるからだ。

それゆえ、購入直前まで決まらないことも多く、どのメーカーのどんなタイプにしようか。友人・知人の情報や購入談を聞いたり、テレビ、雑誌、ネットでの情報で心を動かされたりすることがある。消費者の心を読むどころか、購入する本人さえも最後まで悩むことがある。

今までは各種のメディアで購入したい商品を知り、購入意思を持って店舗に行っては、並んでいる同種の商品を見ながら価格や商品詳細を初めて知り、直前で他商品を選び直して購入することもあった。最終判断は他商品と比べることによって意思決定がなされた結果である。どの時点で、どのように態度変容するのか、これは誰もわからない。

ただ、今までは店舗における店員さんのセールストークや商品陳列の際の刺激によっても大きく購入心を揺り動かされてきたが、現在および今後はどのようになるのか。とくにネットの場合は、どのような情報や刺激が購入意思決定プロセスに影響を与えるのか。これは商品を市場に出すメーカーにとっては大きな問題である。

ネットで購入する場合やリアル店舗で購入する場合も購入したい商品があるとどの商品を購入するのがベストチョイスであるのか、まずネットで調べてみるという習慣が身についている人も結構いるのではないだろうか。それは既に購入した人の使用感や経験談は様々な掲示板やblog(ブログ)に書かれており、購入前の客観的な情報収集に役立つ情報が各種のWEBサイトに多く書き込まれるようになったからだ。

また、カカクコムのような価格比較系サイトでは価格だけではなく、既に購入した人からの評価が書かれ、あるサイトでは売れ筋のランキング情報も入手できる。こうした個人のサイトや法人の情報サイト、コミュニティサイトには毎日多くの商品に関する情報が溢れ出ているのである。

店舗に出向いて購入したい商品を見比べて、あるいは店員の方にレコメンドされるそのプロセスは、ネットでは価格比較系サイトや個人blogに書かれた評価や評判を見て、自分が良いと思っていたベストチョイスが、逆に誤っていたことを知る場にもなっている。新しい商品を購入したイノベーターが書いた評価は直接オピニオンリーダーとなって、その商品の売れ行きの勢いを止めてしまうパワーを持つこともネットでは大いにあり得ることなのである。

今回のITマーケウォッチャー22号では、『ショップを襲う価格比較系サイト』について、述べることにする。

<第22号 ショップを襲う価格比較系サイト>

検索サイトはWEBサイトに来訪してもらうための重要な役割を持っているが、果たしてすべての利用者がうまく使いこなしているのだろうか。複数キーワードをスペースで空けて入力し必要なサイトを的確に見つけ出すことは、ネットワーカーなら当然のことだが、検索サイトにいくらか慣れていないと中々難しいらしい。また、ネット上で目的とする商品を一番安い価格のショップを探し、そこで購入することも、初心者には根気がいるかもしれない。カカクコムのような価格比較サイトをまだ知らない人も結構多いからだ。

しかしながら、誰でも簡単に比較できるようになるかもしれない。2005年6月2日付のITmediaには『検索技術を価格比較にも――「Yahoo!商品検索」』というニュースが掲載されていた。きっと、この記事を読まれた方は多いと思う。既に2月からスタートしている「Yahoo!商品検索」β版は、Yahoo!検索で培った検索技術と、商品のカバー範囲の広さを売りに、後発市場でシェアを高める戦略だ、と同記事には書かれている。

Yahoo!ショッピング、Amazon.com、楽天などECサイトを横断検索、1000万以上のアイテムから目的の商品の価格比較が可能なサイトとなる。その第一弾としてYahoo!(ヤフー)はネットでのショッピング(通信販売)サイトにおける商品検索をバーティカルサーチ(専門検索)分野から拡充するようだ。2005年6月14日付の日経産業新聞1面トップには『ヤフー専門検索導入』という見出しで、各通販サイトの商品を一覧して価格比較等サービスを提供することが報じられている。

同記事によると、各通販サイトを横断的に検索することが可能で、価格帯で検索結果を絞り込むこともできるとしている。また、同社のヤフーショッピングの商品については商品詳細や利用者の評価も閲覧できるようである。今までよりも、より情報格差や検索技術格差がなくなり、ネット本来のガラス張りのような透明でオープンな状況になるために、逆にネットショップ各社は価格訴求型傾向に商売のやりにくさや価格比較系サイトの脅威を感じているのではないだろうか。

2005年6月14日付で発表されたホットリンクホットリサーチ第7回調査結果によれば、価格比較サイトやクチコミサイトを見て、購入を取りやめたことがあるという人は実に52.7%、と多い。

とくに購入意思に影響を与える内容について、男性は「製品に対する悪い評価」80.4%、女性は「製品に対する良い評価」72.3%と購入時に与えるインパクトは強烈である。

商品購入時、利用したことのある情報収集の手段ではWEBサイトを利用する人は全体の78.6%であり、主にパソコン関連の商品が多く、「価格.com」、「ECナビ」「掲示板サイト」、「ブログサイト」から情報を収集している、という結果である。

また、価格比較系サイトを利用する時は「商品を購入しようと思った時」66.0%、「気になる商品があった時」61.2%、「お買い得商品を探す時」40.8%としており、前述のYahoo!ネットショッピングサイトにおける商品検索が浸透すれば、このような検索習慣は当たり前になってくるにちがいない。

また、よくあるのが既に購入意思を固めた際に、確認した価格比較系サイトやクチコミサイトで、良くない情報を見て購入を取りやめることであり、同調査結果では47.3%がそんな経験があるとしている。男性では過半数を超えている。

「購入者からの商品に関する評価」が最も欲しい情報であり、中でも「製品に対する悪い評価」が71.8%で「良い評価」を上回っている。さらに「悪い情報」をインターネットで意見を書き込むとしたらという質問の回答には「製品の不具合」が90.0%と、ショップのみならずメーカーにとっても厳しい結果となっている。

こうした価格比較系サイトが一般化した場合、ネットでのショッピングサイトに大きな影響を与えるであろう。各ネットショップにおいて同一商品の価格競争は避けられない。リアル店舗だけで販売していた商品をネットで独自販売するか、ネットショップでのオリジナル商品を扱うか、あるいは商品+αの付加価値が必要になってくるのだろう。今後大いに気になるのは価格比較系サイトの使用頻度とそれを使用する利用者の態度変容である。

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[ショップを襲う価格比較系サイト] 2005年6月15日

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