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リアルマーケット企業からネット企業へ

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IT&マーケティングEYE 2005/03/03 第42回「リアルマーケットの大手企業がネット企業になる日」で述べさせて頂いたように社会的認知を得たメジャー企業は『知名度、ブランド力、信頼度』のある実業があってこそ成り立つ。ネット企業にはその実業が今後必要となると思われるが、リアルマーケットで長年実業を展開してきた企業の逆襲は本当に始まるのだろうか。今回ITマーケウォッチャー19号では、ネット企業とリアルマーケット企業におけるネットへの考え方を中立の立場で述べることにする。


ネットの活用に関する様々なアイディアは、毎日いろんなところで検討されているにちがいない。また、リアルマーケットでの長所や短所は既にわかっていることが多い。そのため、コミュニケーションや情報流通など、時代にそぐわない点を突き詰め、ネット利用で代替案を考えること自体あまり難しいことではなく、むしろ改善するためのアイディアや発想よりも、現実的に実施できない「ネック」を解消する方が難しい。

また、ネットを活用して収益をあげることも、様々な「ビジネスモデル」が考えられているが、どこで、どうやって、どこから収益を獲得するのか、という収益構造を築くことは極めて困難な状況である。「ビジネスモデル」と言いつつも、収益確保の方法はそんなにいくつもあるわけではないからだ。

とくにネットの場合は、一般利用者からの収益確保は簡単ではなく、一般利用者に商品やサービスを提供する企業や各種団体組織からの収益で成り立っていることが多い。その獲得方法はリアルマーケットの「家賃収入(テナント料)」や「広告」と同様の形態である。

つまり、ネットは収益構造からするとBtoCと言っても、まだ一般利用者からの収入は少なく、企業からの収益に頼っているところが大半であり、その意味から『BtoB市場』と言わざるを得ないのである。これが果たして、本物だと言えるのだろうか。

ただ、ネット企業の収入を獲るための方法や流れは、一見斬新な気がするものの、その利益獲得の形態、あるいは種類もそんなに多くはない。大きく分けると3つのタイプに分類できる。

・仕入れた商品に利益を加算するマークアップ
・仕入れた商品を販売する上で定額の手数料を確保するコミッション
・一定以上の売上や予め約束された売上に応じて、後から支払いが発生するバックマージンやキックバックなど

である。事業内容や商品、サービスの提供方法によって、最も良い方法や上記の組み合わせで収益を獲得しており、一般企業と比べても収益モデルにおいては、何ら変わりはない。

また、単体で収益をあげることが困難な場合は、その商品やサービスとのクロスセリング、または相乗効果で他事業での収益確保も十分考えられる。ネットの場合は先進性や信頼性、あるいはネット内でのブランド等の訴求によって、本来確保できる収益構造の販促的な事業として考える方法がある。

これについては、単体の事業の採算性や将来における構想を踏まえた展開をしっかり考えないと、相乗的な利益を得る前に該当する前述の事業が利益を圧迫する危険性もある。

2005年3月7日付のnikkeibpのサイトには日経パソコンが提供しているニュースで『ヒット中の「ブログ」、ISPに重い負担、収益化も見えず』という記事が掲載されていた。その記事によると、「livedoorブログ」「gooブログ」「エキサイトブログ」「はてなダイアリー」など、開設数は軒並み10万件という大台を突破しており、この「ブログ」の勢いが止まらない、としながらも内情はアクセス増加に伴うサーバー増強の負担が拡大していることが伝えられている。

ブログはアクセスが増加すると、サーバーに負荷がかかる構造であり、アクセスが集中してサービスが停止状態に陥る怖い事業のようだ。また、このような事業者の負担で収益化の方向性は見えないとも書かれている。

現在ブログサービスは原則無料で、別途サービス内容を拡充した有料コースを設けている事業者がほとんどだが、この課金モデルの成果は芳しくない。「どの事業者も有料コースの利用率は1割に満たないはず」(ニフティのソーシャルシステム部の中泉隆部長)という現状だ(上記サイトから抜粋・引用)、と答えている。

こうなると、ネットでは儲からないとか、ブログは収益性がないと言われがちであるが、本当にそうなのであろうか。前述のネット企業が主たる収益構造としている「家賃収入」や「広告」は、いわばネットの初期段階の課金モデルであり、そうした事業体の収益が上昇しないだけであり、今までのホームページやブログに加えて、RSSフィード、Eメール、アフィリエイトプログラムなどは、強力な販売促進機能を持っており、リアルマーケット企業で、既に実業での収益構造さえあれば、活用できるポテンシャルは非常に高い。

それは、リアルマーケットでビジネスを展開してきた企業にとっては、ネットへの本格参入をしていないだけであり、事実企業によっては実験段階、テスト段階を経ていないところも少なくない。「ネット企業が駆逐して・・・」というストーリーではなく、リアルマーケット企業はこのままでは終わらないし、これからがネットを活用したビジネスにおいて、今までの実業の本領を発揮すると思われる。

ネットやブログ等、新たなチャネルやメディアを現在の実業の中に取り込み、今まで熟知している市場へ、広告や販促などの投資を十分投入し、ネットを装備して本格参入をすれば、今までの収益モデルで稼げる可能性は高い。ネットに対して『知らない、わからない、人材がいない、自信がない』という時代から、今までの実業において、ネットを取り込む時期がやってきたと思うのである。今こそ、無理をしてもネットへの参入をするべきであり、チャンスでもある。ネット企業がスピード経営を求めるのは、既存企業が気づく前に先行したいからに他ならない。

今までのリアルマーケットでの実業における『知名度、ブランド力、信頼度』はネット環境においても、揺ぎない力を発揮するであろう。そうすれば、ネットを活用した収益構造が築けるものと確信している。今回はネット企業を批判しているわけではなく、もっとニュートラルな形で述べると、こんな考え方もできるのでは、という今後のネットの方向性に対する小生の考え方を述べた次第である。

ネット企業やネット関連企業は既存概念や古い慣習を打ち破って、新たな考え方を市場に注入して欲しいとさえ思うのである。早く日本経済が景気低迷を脱して潤うように!そんな思いもある。


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[リアルマーケット企業からネット企業へ] 2005年3月17日

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