HOME » ブログ アーカイブ » 調査の謎に迫る!

調査の謎に迫る!

第2号 「 調査の謎に迫る!」

メールマガジン「市場通信 ~ ITマーケウォッチャー」をご購読頂きありがとうございます。このメールマガジンは今までの経験と実績を基に、現在のマーケティング現場の情報をお伝えすることを最大のミッションとしています。

『ITマーケティング』とはITを効果的に効率的に、それも正しくマーケティングに活用することであり、難しい概念やコンセプトはありません。ITの進化でマーケティング現場では今までのコストを削減したり、効果的なプロモーションが展開できたりとプラス面が主に述べられていますが、効果的や効率を重視する一方で今までの大切なことを忘れがちになってしまうことも少なくありません。

今回のITマーケウォッチャーでは各種調査の手法に焦点を絞り、忘れかけているポイントや見落としがちなところをチェックしてみました。日常業務での顧客調査や顧客ニーズ調査は大切な業務です。しかしながら、その結果次第では判断を誤ることもあり今後のヒントになれば幸いです。

WATCH(1)インターネット調査の謎!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
インターネット調査は『早くて、安い!』というメリットがあり、現在様々なところで使われています。しかしながら、使い方を間違えるとその結果に狂いが生じることもあります。とくに、日常PCやインターネットを使っている人たちと、そうでない人の比率を比較するとまだまだ一般的ではないからです。

『インターネット調査に向くものと向かないものを見極める視点を持とう』というテーマで書かれた森田英一氏のコラムには明確にその違いが書かれています。調査をする企業にとって、一番問題なのは下記の用なサンプルの偏りが出ることではないでしょうか。同氏は指摘しています

例えば、以下の人の回答割合が多くなる。
■パソコンを使って日常的に仕事をしている人
■システム開発などのエンジニア
■パソコンを使う専業主婦
という層が多く、

その一方で、次のような人たちの回答が少ない
■営業職などで外回りをしている人
■工場などで働いている人
■建設業など外で仕事をされている人
■自営業、公務員の人(職務時間内なので基本的に難しい)

加えて、一般的に40歳以上の専業主婦のインターネットモニターが、果たしてフラットな結果が出るようなサンプルに成り得るのだろうか。これをお読みになっている方は、専業主婦であるご自身の奥様を想像してください。(モニターになれる方ですか?)

また、同氏のコラムによれば、インターネット調査に向くモノ、向かないモノ があり、『属性だけでいうと、インターネットを最も活用している20代から40代の方に対しての調査が向くということになります。特に、パソコンの所有や利用度がそれほど影響を与えないと思われる日用雑貨等のテーマに関してなら、問題はないでしょう。一方、パソコンの所有や利用度との親和性が高いと思われるゲームやデジカメなどのデジタル製品の普及度合調査などは向かないということになります。』と述べられている。

逆にインターネット調査に向くのは
■ウェブサイトに登録しているユーザー向けのウェブの評価調査
■インターネットで買い物をした方向けの顧客満足度調査
■若者や女性向けの情報雑誌やTVで紹介する緊急アンケート調査
■化粧品への意識の高い20代女性層への利用実態調査
■ある商品を現在利用している30代OLへの競合利用状況調査
■日用品の開発におけるニーズ調査
■就職活動をしている学生への就職に対する意識調査
■ブロードバンドやインターネットに関するヘビーユーザーの利用実態調査

などであると同氏は述べています。事実、特化傾向が出てしまったインターネット調査の結果を幾度となく見ており、その結果を参考データにするにしても、最終的な裏づけデータにはならないことも頭に入れておきたいですね。


WATCH(2)電話調査の謎!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
電話調査も古くから行われており、世論調査や選挙の出口調査などはそのデータを使って、様々な予測もされています。調査専門のコールセンター会社もあり、電話でのアウトバウンドにおいては重要な業務です。そのアウトバウンド業務を効果的にサポートするのがプレディクティブ・ダイアリング・システム(Predictive Dialing System)であり、コールセンター業務の効率化を飛躍的に改善したシステムとして、今やなくてはならないものとなっています。

電話を自動的に複数発信し、話中、不在、応答を感知し、つながったコールとフリーになっているコミュニケータをつなぐシステムで、不在率が高い昼間のアウトバウンド業務には不可欠です。通話時間や相手が応答する確率、あるいは各種の統計データをベースに最適な発信数を割り出すなど、システムの完成度は高くなっています。

加えて最近ではその在宅時間を想定するシステムも登場しており、コールセンターでのアウトバウンド業務は極めて生産性が高くなっています。それだけ、無駄なく電話できるシステムであるためにコミュニケータも息が抜けず、ストレスも溜まるというマイナス点はあるものの、実に効果的なシステムとなっているのです。

生産性が上がる一方で、こうしたシステムを使って行う電話調査は実際どうなるのでしょうか。通常、電話調査は約1週間から2週間(サンプル数やコミュニケータ数にもよるが、一般的な場合)で行われます。1サンプルを獲得するには通常午前、午後、土日や祝日等、時間帯や平日休日の在宅しているところを狙って3回程度(3コール)されます。上記のインターネット調査のように自宅にいる人が対象となるため、電話調査においても場合によっては結果の誤差が出てくると思われます。とくに平日においてサンプルを獲得できるのはほぼ半分程度(50%~60%前後)なので、土日や祝日など休日に残りの半分がサンプル獲得のためにコールされることになるのです。

例えば、20歳前半の男女にアウトドア系やスポーツ系のアクティブな人向けのアンケートを電話調査で行うとかなり怪しい結果になります。とくに、秋晴れのすがすがしい土日や祝日などに、在宅している若年層に聞いても満足な答えが得られるのでしょうか。そんなアクティブな人たちなら、あるいはサンプルになるべき人たちなら、きっと外出して自宅には居ないでしょう。つまり、電話調査も内容と対象を考えて適切かどうかを検討しないと、かなり結果がずれることも往々にしてあるのです。


WATCH(3)アンケート調査の謎!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
よくあるアンケートに、どこでこの商品やサービスあるいは今日のイベントを知りましたか、という質問があります。たぶんこのメルマガ読者もよく経験すると思うのですが、これはいわゆる広告などの効果測定です。次の広告出稿時の参考にするために記入させることが多いのです。例えば「新聞や雑誌の広告」、「WEBサイト」、「友人知人の紹介」など、お馴染みの言葉が並んでいるアレです。とくに新聞や雑誌などは具体的に何を見たか、というところまで詳細に聞かれることもあります。しかしながら、このアンケートを記入する際に、時としてちょっとチェックする手が止まったりしませんか?

従来までなら、それぞれ該当する項目にチェックすることが出来ましたが、最近は少し戸惑うことはないでしょうか。このような効果測定を含んだアンケートで、一番問題なのは「友人知人の紹介」なのです。正確に言うと、友人知人からの紹介の仕方にあります。インターネットを日常使っている人であれば、自分に興味がある内容を友人知人から聞くと、とりあえずWEBサイトで検索して調べたり、WEBサイトの情報であればURLを聞いたり、Eメールで教えてもらうことも多いのです。

そんなアクションをした人が上記のアンケート記入時に「WEBサイト」か「友人知人の紹介」か、どちらかを選ぶ時は少し迷いが出てきます。また、Eメールでレコメンドされていても、そのアンケートには「友人知人の紹介」を選ぶかもしれません。一方、このアンケート調査の結果を見る側の企業担当者は、WEBサイトよりも「友人知人の紹介」の方が多い場合、WEBサイトのことはあまり考えないことがあります。つまり、間違った評価をするかもしれないのです。そのような場合『WEBサイトよりも、やっぱり口コミなんですね!』と軽く流すことが実は最も大きな問題と言えるのです。その結果の裏には、「どうやって友人知人から紹介されたのか」を聞かなくては本当の効果測定にはならず、実はこれが一番大切なことなのです。本来なら、次のような設問が必要です。

「友人知人の紹介」をお選びの方は次の質問に該当するところに○をつけてください。

・口頭で紹介された
・電話(携帯電話も含む)で紹介された
・Eメール(携帯メールも含む)で紹介された

また、『その際WEBサイトは閲覧しましたか?』という質問もつけ加えたいですね。これでやっと「友人知人の紹介」の謎が解けるような気がします。ヴァイラルマーケティングではWEBサイトやEメールは口コミだとよく言われますが、その実証をしないことには本当に『口コミ』にWEBサイトやEメールが役に立っているかどうか、わからないのです。この誤った評価で『やっぱりWEBサイトは効果がない!』と言われてしまいます。もう一度自社の広告効果測定のアンケートを見直してみましょう。これは全体の広告費やプロモーション費用にも関わることで、場合によっては経費削減のきっかけにもなるかもしれません。

以上、今回は各種調査を実施する上で、見落としがちなポイントに触れてみました。非常に細かいところかもしれませんが、たぶん今までのマーケティングが荒すぎたのでしょう。今後のITマーケィングは、このITをどれくらいうまく使いこなすかにかかっています。それは費用面だけではなく、どれだけ賢くきめ細かく使うかなのです。


波多野の一言
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
いよいよ10月23日、このメルマガが配信された翌週には拙著『ITマーケティングの新事実-7つの発見と68のサクセスメソッド』が出版(全国書店販売)されますマーケティング現場は刻々と変化し、新たなITが新たなマーケティング手法を生み出します。執筆しながらも、時代の変化を感じ時代遅れの本とならないように、しっかりまとめあげました。是非ご購読して頂ければ幸いです。

また、出版記念セミナーとして11月13日にリックテレコム主催で行います。ご興味のある方は是非参加して頂ければと思っております。

このエントリーを含むはてなブックマーク  はてなブックマークに追加

[調査の謎に迫る!] 2003年10月15日

詳しくは、このコールセンター専用サイトをご覧ください。コールセンターのモニタリング、スクリプト、電話応対研修、トレーニング、モチベーションアップなど、自社でお困りの内容がきっと見つかります。

関連記事