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『コールセンター運営の最大の鍵、「人材育成」について考える』シリーズの第三回です。
【第三回】コミュニケータの心理を捉えた研修カリキュラム
前回のコラムでは研修計画をたてる際の考え方や手順などについてふれてきました。今回は研修カリキュラム(タイムスケジュール)を検討する際のポイントなどについてご紹介します。
1.カリキュラムの精度が研修効果に大きく左右する
前回のコラムで、カリキュラムの検討に入る前に整理すべき大切なことについてふれてきました。今回は、いよいよカリキュラムの検討についてご説明したいと思います。
コールセンターの研修カリキュラムを拝見する機会がよくあります。多くの場合、時間割がエクセルの表組みできれいにまとめられており、一見すると内容の差はややわかりづらいものです。ところが、内容を確認すると、精度が高くよく練られたものから、検討レベルがまだまだ浅いものまで様々です。
注意すべきなのは、精度の低いカリキュラムでも、トレーニング実施は可能なことです。受講生は多少理解しにくいと感じていても、講義全体を俯瞰して評価することはまずありません。研修後のアンケートでも、カリキュラムの精度の差は結果としてなかなか現れてこないものです。しかし、講義内容はその後のコミュニケーターの成長に確実に反映してしまうため、質の低い講義は時間・労力のムダにつながります。
2.コミュニケーターの心情を深く意識する
カリキュラムを検討するにあたって非常に重要なのが、受講生であるコミュニケーターの心の動きに注意することです。まずはスタート時。受講生がこれから学習することに対して、どのような感情を抱いているのか。不安なのか、楽しみなのか、あるいは不満があるのか。
最初の時点の気持ちを推測し、可能な限り早期になるべく良い心理状態に持っていくことが大切です。もちろん受講生の全員が同じ感情を抱いている訳ではありませんが、多くの場合は日常業務と研修の関係・研修の告知の仕方、研修対象者によって、ある程度は集団としての心の動きに影響が出てきます。
また、カリキュラムは教えるべきことを羅列するだけでは十分ではありません。カリキュラムに組み込むべき内容(モジュール)ごとに、その学習を受けてどう感じるのかを推測していく必要があります。
3.その時々の状況に応じてカリキュラムを考える
具体的な事例でご紹介しましょう。
コールの習得にはスクリプトによる学習が必ず含まれますが、スクリプトを初めて提示するタイミングはセンターや受講生によって変えていきます。よくあるカリキュラムでは、下図のような流れで学習を進めます。
図-状況に応じて研修のカリキュラムを変更する

図の左の1)が通常のカリキュラムですが、先日実施させていただいた研修では、右の2)の流れで行いました。その違いは、「スクリプトの紹介と内容の説明」を実施するタイミングです。
「スクリプトの紹介と内容の説明」の順序を変えた背景は、そのセンターでのスクリプトの役割やとらえ方にありました。このコールセンターでは、それまで個別のお客様の事情や心理に合わせた臨機応変な応対力を最重要視してきました。そのため、具体的なトークの指導や日常のオペレーションでもスクリプトは活用していませんでした。
結果として、伝える内容や応対スキルのばらつきが大きく、均質化が大きな課題のひとつでした。ところが、一方で各自の個性を生かした力強いトークがあったため、スーパーバイザー以下現場スタッフ全体として、スクリプトに対して強い抵抗を示すことはあらかじめ予測ができていました。
そこで、その時の研修では、まず「スクリプト」という名称は一切出さないことに決め、「トークヒント集」と称して、その活用を促すことにしました。
カリキュラムではスクリプトを提示する前に「理想コールの視聴」を早いタイミングに持ってきました。これまでと違った雰囲気でかつ高い質のコールを聞くことで、「こんなコールをしてみたいな」「これだったら自分でもできそう」「こんなトーク(内容)を話してみたい」と早い段階で感じてもらえる工夫をしました。
その後、このコールを実現するためのサポートツールとして「トークヒント集」を紹介したのです。研修中の受講生の反応は、こちらが狙っていたもので進むことができました。
研修数日後、受講生に新しいコールの感想を聞くと、
「トークヒント集に沿って話をしたら、お客様から『ありがとう』と言われることが増えてうれしくなりました」
「これまでは、常に頭の中で会話の内容を考えながら話していたのが、ヒント集があるとコールが格段と楽になりました」というものでした。
カリキュラムを工夫せず、研修で受講生にいきなりスクリプトを提示し、これに従って会話をするようにと指導していたら、恐らく強い抵抗を示していたでしょう。
受講生が一度、そのような気持ちを抱いてしまったら、それを払拭するのは難しいものです。事前のカリキュラム検討の際に何度も議論を重ねたことが、その後のコールの成功につながったといえます。
これは私共にとっても、改めて研修の受講生の心理を深く意識したカリキュラムの重要性認識した経験となりました。
コールセンターの運営は1+1=2ではない世界。決まった正解がない一方、様々な工夫をしたことが結果に表れてきます。研修カリキュラムも、100センター、100通りとまではいかなくても、常にコールセンターの状況や受講生に応じた内容で研修を実施することにしています。
<コールセンター運営の最大の鍵、「人材育成」について考えるシリーズ>
【第一回】研修とOJTを組み合わせた「2STEPトレーニング」の薦め
【第二回】スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法
<コールセンター・電話応対の電話サポート業務専用サイトはこちら>
詳しくは、コールセンターおよび電話応対の専用サイトをご覧ください。
コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。
自社でお困りの内容がきっと見つかります。
是非、クリックして専用サイトをご覧ください。
[シリーズ完結版:3.コミュニケータの心理を捉えた研修カリキュラム] 2010年8月31日
今や当たり前になってきたソーラー時計や電波時計。シチズンではソーラーパネル搭載の腕時計の比率は8割だとしている。2010年8月31日付の日経産業新聞に「あの商品は今」というコナーでシチズンの世界初のアナログ太陽電池時計の記事が掲載されていた。
販売は1976年8月。34年前に、もうこのような腕時計が市場に出ていたようだ。価格は4万5000円で、当時は高級品だったと書かれている。
ソーラーパネルが見えているデザインは初期のノスタルジーを感じる。だが、現在、その「クリストロン ソーラーセル」という上記のアナログ太陽電池時計の復刻版のような商品も同社で販売しており、アマゾンで¥ 19,000で購入できるようだ。
CITIZEN オルタナ Eco-Drive クリストロンソーラーセルスタイル VO10-6643S メンズ
この記事の最後に書かれていた一文が興味深い。
"もう時計に対する「ワクワク感」は薄れている"
この記事を読んで、今までのガラケーと言われる携帯電話も同様であることを感じた。iPhoneやXperiaなどのスマートフォン 、タブレットPCとしてのiPad、この「ワクワク感」があるからこそ、人気があり売れていくのであろう。言うは易しで、「ワクワク感」を出すこと、これを持続させることが一番難しいことかもしれない。
[「ワクワク感」] 2010年8月31日
新聞や雑誌など、ペーパー系のメディアは様々な模索をしている。米国のビジネス雑誌である「フォーブス」の今後の展開がインタビュー記事(ソーシャルメディアに照準を定める「フォーブス」の大改革:2010年8月30日付の日経ビジネスオンライン)となっている。
同記事によれば、ペーパー版、Webサイト版共に大きく変革するようで、Webサイト版は、スタッフライターが執筆した記事、寄稿者が執筆した記事、広告主が作成した記事の3つの構成となると書かれている。
スタッフライター全員がブログを持ち、専門家を数百人が寄稿し、広告主が作成した記事は読者とのダイアログをさせようとしている。
サイトのつくりもブログ・プラットフォームを採用し、記事投稿すると、ブログやフェイスブック、ツイッターにアップされるようにするということも述べられている。
今流行りのソーシャルメディアのフルラインアップで巻き返しを図るようである。すでに、携帯電話やiPad戦略の手ごたえもあるようで、iPadアプリケーションでの、ダウンロード数も多いようだ。
早晩、こうしたペーパー系のメディアはこのような、ソーシャルメディアのフルラインナップで、現状を打破する戦略を推進していくのか。
実に興味深い内容である。
[ペーパー系メディアのソーシャルメディア・フルラインナップ化] 2010年8月30日
コールセンターや電話応対などお客様とのオペレーションを行う場合、一番重要となるのは「スクリプト」です。もちろん、スクリプト自体がない現場やスクリプトを使わない電話応対が多いことも確かです。
月刊コンピュータテレフォニーの9月号の特集は「使えるスクリプトの作り方」です。当社市場通信の石橋も取材を受け、次のように話しています。
スクリプトの全体構成を検討する際は、
「いったん、すべてのコールリーズンについて、スクリプト化を想定し、パターン化できるもの、外れるものに分けます。最終的に会話の60%をスクリプト化できれば十分だと考えます。」
スクリプトの話をすると、"すべてをスクリプトでどおりにする!"という圧迫感や嫌悪感を持つ人、あるいは、反対される方も多いのです。しかし、そうではなく、記事に書かれていますが、テンプレートタイプ、フローチャートタイプ、トークガイダンスタイプなどがあり、企業の現場にあったスクリプトが、コミュニケーターのオペレーションを支えてくれます。
また、このスクリプトを整備しないで、マインド研修や各種のトレーニングなどで、応対力をブラッシュアップするセンターも多く、これに対しては当社の石橋は取材で以下のように答えています。
「研修で事業戦略や企業マインドをたたきこみ、あとは各コミュニケーターがそれをオペレーションに落とし込むように指示する、というマネジメントはあまり好ましくないと思います。それは誰もができることではないからです。つまり、研修だけではなく、スクリプトをしっかり整備してスクリプトで補完しあう形が必要でしょう」
当社は長年、アフラック様のスクリプト整備やそれに伴うロールプレイングを含めた研修をさせて頂いており、今回の特集でも取材記事として取り上げられています。
ここでは、6つのスクリプトが紹介されています。「新EVER(契約者本人向け提案、家族向け提案)」話法パターン、「解約慰留」話法パターン、「給付」話法パターン、「がん保障強化」パターン、「がん保障強化」話法パターン+切り替えトーク、「2ndフォローコール 実践のポイント」などです。
詳細は、上記月刊コンピュータテレフォニーの9月号をお読みください。
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コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
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[使えるスクリプトを整備すると電話応対がもっと向上する!?] 2010年8月27日
新しいメディアやコミュニケーションツールは、うまく使えば効果を発揮するが、その使い方次第で、良くも悪くも両刃の剣になる。最近ではツイッター(Twitter)利用において、入力ミスや"つぶやき報道"などが話題になっていることも確かだ。また、ツイッターはより速効性の高いソーシャルメディアであるために、効果も速攻ならその影響スピードも素早いというメリットやデメリットを持つ。
2010年8月26日付の日経産業新聞7面には、大手ゼネコンのツイッター利用の記事が「広告戦略」として紹介されていた。BtoB企業が広報として一般個人向けにツイートしている。ハッシュタグ利用で、サイト誘導にも貢献できているようだ。
BtoBと言えども、誰しも個人としての自分があり、直接的な効果に加えて、間接的な狙いも含めて、ツイッター利用の広報アクションを実践している。やればいろいろ問題も出てくるであろう。だが、いろいろ模索しながらチャンレンジしているところが、実に素晴らしい。企業のブランド力をよりアップさせているかもしれない。
この時代においては、とかく直接的な数字だけを求めることが多い中、ドリームという名が含まれた、ツイッターの公式アカウント。夢と未来を踏まえた広報戦略。この大手企業の英断にエールを送りたい。
[BtoBの広報活用ツイッターは素晴らしい!] 2010年8月26日
『コールセンター運営の最大の鍵「人材育成」について考える』の第二回です。
【第二回】スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法
電話応対研修を「Inputの場」、OJTを「定着の場」として明確に位置づけ、研修とOJTを一連のしくみとして捉える「2STEPトレーニング」の考え方についてふれてきました。今回は実際の業務設計における研修計画をたてる際のポイントなどについてご紹介します。
<理想のコールを実現化させるためのトレーニング>
まず質問です。トレーニングを企画する際、何から準備していますか?カリキュラム(タイムスケジュール)から書いている方が多数派なのではないでしょうか。ところが実は、カリキュラムからスタートすると、そのコールセンターの「理想のコール」に近づくことが難しいのです。
トレーニングを木に例えるなら、研修のカリキュラムは枝や葉の部分にあたります。ですから、いきなりそこから検討を始めると全体を俯瞰して見ることができなくなります。必要なことは、まず「幹」も含めた「木」全体のトレーニング、その全体像を明確にし、かつミッションを加え、なりたい理想形コールのゴール(目標)部分を設計することが先決です。
同じ業種のセンターであっても、迅速性が求められるセンターもあれば、問題解決能力、温かいホスピタリティ、プロとしてのレコメンド・・・など、コールセンターによって求められる役割や機能は千差万別です。当然ながら、トレーニングの方向性もそれによって大きく異なります。
従来コールセンター業界においては「マナーのよいきれいな応対」に重きがおかれていましたが、昨今では、「その企業らしさ」「電話応対において提供できる付加価値」を追求するのがトレンドとなっており、センター運営自体を見直す時期にきたと考えられます。
先日、あるコールセンターでの打ち合わせで、
私が「イメージでいいのですが、御社らしいコールはどんな雰囲気のものですか?」とお聞きしたところ、お二人の担当者は「・・・。あまり考えたことはなかったですね・・・」と言われていました。
私たちの過去の事例では、金融会社において商品のレコメンドが必要なコールでは、落ち着いた信頼感が感じられるコールを目指し、女性コミュニケーターも高めの声ではなく地声で話すように指導していました。
一方で、若年層向けの化粧品の場合は、はつらつとした笑顔いっぱいのコールを目指しました。そのように、理想のコール=なりたい姿を一度、しっかりイメージする機会はとても大切です。
理想のコールが整理されたら、次に検討するのが、それらを実現するために必要な要素の洗い出しです。以下の図は私たちがよく使う考え方のひとつですが、コールに必要な要素を以下の図1のように3つに分け、それぞれに対して必要となる内容を洗い出していきます。
図1 知識・スキル・マインドの3つの要素

各要素に多くの内容が出てくると思いますが、最終的にはそれぞれのなかで難易度や優先度の高い順に並び替えをします。そうすると、初期で必須となる内容と一定の業務経験を積んだあとにフォローで追加していく内容が整理されてくるのです。
コールセンターは人そのものがサービスですが、現場の業務が忙しく、学習のための時間が十分に確保されているとは言えず、一足飛びに理想のコールに近づくことは難しいものです。そのため、段階的な成長をあらかじめ学習計画として体系化し、準備・実施することが大切になります。
以下の図2は2Stepトレーニングの検討ステップとその関係を表にしたものですが、この1)にあたる部分が段階的な成長を整理する部分です。
図2 2Stepトレーニングの検討ステップとその関係

<トレーニングの基本スタイルは2Step型で>
段階的な学習プランの検討が終わった後は,個別のトレーニングの設計に入ります。しかし、そこでもまだカリキュラムは書き始めません。次は、研修(Inputの場)とOJT(定着の場)のそれぞれについて到達すべきゴールを定めます。
たとえば、スクリプトの学習はどちらでどこまで扱うか、などをあらかじめ決定するのです。研修では、少しの声だし練習と数回のロールプレイングだけしかできないとすると、スクリプトの習得はOJTの担当範囲になります。
その場合は、まだコミュニケーターにスクリプトへの不安があるでしょうから、現場のSVがコール中にきめ細かくサポートしなければなりません。研修とOJTの役割範囲と主な業務の整理は、上記図の2)にあたる部分です。
この部分のすりあわせが十分にできていない場合、現場SVは「研修チームはもう少しちゃんとと教えておいてくれればいいのに...」と言い、研修チームとしても限られた時間の中で他の内容も含めてカリキュラムを構成する必要があるため「限られた時間のなかでロールプレイングにさける時間はほんの少し。
そんな2~3回のロールプレイングでは身につくはずがない。現場でフォローしてくれないと...」といって、双方にとって不満が残る結果となります。実際、これまでそのような場面に数多く遭遇しました。そうした事態にならないためにも、双方の役割や主だった活動をあらかじめ定めておく必要があるのです。
研修とOJTの役割分担の整理が終わった段階で、初めてカリキュラムの検討に入ります。カリキュラムの設計は、上記図の3)にあたる部分です。カリキュラムの形になると、一見同じような書類に見えるのですが、カリキュラムにも「精度」というものがあり、学の効果や受講生のモチベーションに大きく差がでます。
わかりやすく説明すると、頭にすっと入ってくる学習と、どこかぎくしゃくしていてなかなか頭に入ってこない学習といった感じでしょうか。ところが、怖いことに、低い精度のカリキュラムでも研修の実施自体は可能で、問題が表面化することはまれです。
ただ、受講生の方からすると「なんだかよくわからない...」という気持ちが残り、スキルアップという成果につながりにくいのです。このことを、研修に要する人経費や手間、シフトの調整といったセンター運営の視点から見ると、運営コストをムダにしているということにほかなりません。
実施するからには、意識高く楽しみながら効果の高い学習を目指してください。
<コールセンター運営の最大の鍵、「人材育成」について考えるシリーズ>
【第一回】研修とOJTを組み合わせた「2STEPトレーニング」の薦め
【第二回】スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法
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詳しくは、コールセンターおよび電話応対の専用サイトをご覧ください。
コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。
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[シリーズ完結版:2.スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法] 2010年8月23日
月刊コンピュータテレフォニー9月号への執筆より
マーケティング最前線:連載第92回 2010年8月20日
結局、モノクロ両面が 一番なのか?
パワーポイントを使って各種のドキュメントをまとめ、プリンタで印刷して、クライアント企業へ打ち合わせに行く時はそれを持参する。今までと同じ一般的な仕事の流れである。
しかし、会議での参加人数が決まっている場合はいいのだが、時としてドキュメントを印刷し過ぎることがある。その余ったプリントが実に"モッタイナイ"と思うことはないだろうか。
他に活用できればいいのだが、機密保持のために使わないものはすぐにシュレッダー行きとなる。最近では、印刷データをクライアント企業に添付資料として送付し、必要人数分を印刷してもらうことで承諾していただくこともある。
しかしながら、パワーポイントは画像などを多用するとデータ容量が重くなり、しばしば10MBを超える時もあって、これも厄介な状況と相成なる。会社によっては3MBとか5MBとか、かなり少ない容量でもEメールで送付できないこともあって、その場合は仕方なく分割して添付資料を送付する。
こうしたエコ的なアクションは、ことビジネスにおいては逆に時間やエネルギーを費やすことになってしまう。それで、いざ打ち合わせをすると、なぜか自分だけがカラープンリタで印刷した持参のドキュメントで、クライアント企業の会議参加者はモノクロということも少なくない。
会議資料はモノクロ両面で印刷するのが、大手会社の経費削減策の1つとなっているからだ。ただ、せっかく色やレイアウト、デザインを考えながらパワーポイントで作成したドキュメントなので、出来ればカラーで見てほしいと思うのだが、なかなかそれが許されない時代になってきた。
いっそのこと紙をやめて、すべてノートPC上でデジタル資料を使って、とも考えるのだが、PCやUSBなどはセキュリティ上持ち込めないようになっている。ノートPCを並べてネットにつないで、というのも最近では非常に難しい。
とくに、外来者はその会社のデータ回線を使うことができないようになっていることも大きな理由だ。仕方なく携帯電話会社のデータ端末を使って、ということになるが、これも時として電波が十分でない場合もあって一向に解消されない。
結局は、デジタル時代に入っても、打ち合わせをするにはモノクロ両面で印刷された紙の資料が一番、というのも実に妙である。若い人が多いネット系の会社では、それぞれ自分用のノートPCを持参し会議室でデータ回線を使って会議しているものの、それはまだ一般的ではないようだ。
だが、それだけではない。大手企業になると、仕事に関係のないブログや掲示板、動画などがサーバー側でチェックされていて、通常は使用できないようになっている。もちろん、今始まったわけではないのだが、個人の日常生活からすると、あまりにもギャップがあり過ぎていることも確かだ。
また、もう始まっている電子書籍についても、いろいろ話題が多い割には現状では前述のような方法であることに、少し戸惑いを覚える。いつの日か、会議に参加する際には全員がiPadなどのような端末を持って打ち合わせができたら、と思う次第である。
電子書籍だけではなく、ビジネスにおけるドキュメントもぜひ電子化を推進し、タブレットPCをビジネス利用として、もっと機能特化させてほしいのだが、このアイデアは無理だろうか。
[結局、モノクロ両面が 一番なのか?] 2010年8月23日
携帯電話から、iPhoneやiPadなどのスマートフォン、その他携帯情報端末、タブレットPCといろいろ使うと、携帯でのデータの速度が気になってしまう。会社や自宅での無線LANの速度からすると、速くなったとはいえ携帯でのデータダウンロードは遅い。画像や動画などを見る時は、やっぱり現在の無線LANのスピードの方がふさわしい。
世界各地で、すでに地域ごとの無線LANの実験や検証が行われている。それとは少し異なるが。
2010年8月17日付の日本経済新聞には「ネット通信、地下も切れず 最適電波を自動選択 情通機構が無線ルーター」という見出しで、情報通信研究機構が開発した無線ルーターは実証実験について書かれている。
携帯電話やPHS、公衆無線LAN(構内情報通信網)、高速無線「WiMAX(ワイマックス)」から最適な通信回線を自動選択し、複数の回線を相互接続するようだ。これは「コグニティブ無線」と呼ぶようで、次世代高速携帯電話サービス「LTE」にも対応するとしている。
同記事によれば、まずはルーターの据え置き型で藤沢、茅ケ崎両市内で、実証試験が実施されるようだ。また、ルーター携帯型は、これを販売して、定額で使えるサービスを近々始めるとしている。携帯情報端末が増えてきている状況からすれば、こうしたサービスの需要は大きくなることは誰でも予想できる。
携帯電話のポジショニングもさらに変化してくるにちがいない。
どのように変わるかが、実に興味深い。
[携帯情報端末が増え、どうなる無線LAN] 2010年8月17日
『スクリプトが電話応対の成果を決定する』シリーズ第三回です。
【第三回:解約抑止の電話応対にみるスクリプトの効果】
利益貢献度の高い解約抑止
厳しさを増す経済状況下において、コンタクトセンターにも利益への貢献が求められていますが、新規の顧客獲得はどんな商品・業種においても容易ではありません。そんな中、注目されているのが電話応対での解約抑止です。これは、商品、サービスの解約やキャンセルのためにお電話をかけてきたお客様の話を聞き、そうした行動を思いとどまってもらうことです。
新規獲得ほどの派手さはありませんが、放置しておけば減少したであろう売上を確保するのは非常に重要な意味を持ちますし、うまくいけばクロスセル・アップセルにつなげることも可能です。そのうえ、かかる経費が少なく効率的な点も企業にとっては魅力です。
商品・サービス内容などによって異なりますが、かかってきた電話の10%後半の成功率(解約抑止率)をあげているケースもあり、事情が許せば積極的に実施し、定着させたい電話応対プログラムであると言えます。
<ポイント1:相手のニーズをしっかりと受け止める>
ここで、間違えてはいけないのは、解約抑止は、決して、無理矢理、解約を受け付けないなどいった乱暴なコミュニケーションではなく、なぜ解約へのお申込に至ったのか丁寧にお聞きするなかで、何らかの誤解や知識不足から解約を思い立った方にきちんと説明をして思いとどまってもらうことにある、という点です。
したがって、まずはお客様の話を聞き、解約の希望をきちんと受け止めることが重要です。一般的な解約抑止プログラムの大まかな流れは図のようになります。
お客様が解約を決意した理由は様々ですが、「今のサービスに満足していない」「不愉快な思いをした」「料金が払えない」など、マイナスの感情が動機になっていることが多く、また電話をしてくる際には解約という言い出しづらい内容のため、居心地の悪さを感じながら解約の申し出をしているケースも多くあります。
ですから、(1)のプロセスにおいて、まずは、「かしこまりました。ご解約でございますね。私、○○が承ります」と、お客様のニーズ(解約)をしっかりと受け止め、安心してもらうことがポイントとなります。
このとき、他の用件の時と同様、これまでお客さまでいらしてくれたこと、今回、わざわざご連絡をいただいたことへの感謝の気持ちを持ち、笑顔の声で対応することが大切なポイントです。
(1) で解約の申し出が快く受け入れられたあと、(2)で手続などについてのやりとりがひととおり完結して初めてお客様は安心し、解約理由などを話したり、こちらの話を聞いたりする余裕が生まれます。
(2) しかしながら、(1)のプロセスを確実に実施しないケースが往々にして見られます。もしも解約したい、という気持ちをきちんと受け止めず、「なぜ解約するのか」「今解約すると不利益がある」というトークに入ってしまうと、お客様の気持ちはますます頑なになりかえって逆効果になる可能性が高くなります。
<ポイント2:解約理由の聞き方>
次にポイントとなるのが、(3)解約理由のヒアリングです。最近では、解約抑止プログラムを実施するセンターも増えたことから、聞き方によってはお客様を警戒させてしまうケースも多々あります。そこで、誠心誠意、お客様の本当の気持ちを伺いたい旨をお伝えすることが何より重要になります。
ある会社では、解約手続きの説明終了後、「私どもで、何か不手際や失礼な点などがございましたでしょうか?」と解約理由をヒアリングしていました。これは、実際にいやな体験をして解約を決意したお客様に対しても有効ですし、そうでない場合は、なぜ解約を決意したかを話してもらうきっかけとなる一言でした。代表的な会話例を見てみましょう。
<ケース1> *CM=コミュニケーター
CM 「私どもで、何か不手際や失礼な点などがございましたでしょうか?」
お客様 「実はね、指定の期日に配送されないことがあったんですよ...。」
CM 「それは、大変申し訳ございませんでした...」
<ケース2>
CM 「私どもで、何か不手際や失礼な点などがございましたでしょうか?」
お客様 「そういうわけじゃないんだけど、○○社(競合)がもっと性能の良いものを
出したって聞いたから...」
CM 「さようでございましたか。実は、私どもも同様の商品を今月発売する予定です。
●●様はすでにお取引をいただいているので、割引価格でお求めいただける
んですよ。よろしければ、ご案内いたしましょうか...?」
この会社では、<ケース2>のように、「そうじゃないんだけど...」と言って、解約の理由を語ってくれる方が非常に多かったそうですが、「何か不手際や失礼な点などが...」という聞き方が有効だったことは言うまでもありません。相手の口をつい開かせるトークの好例と言えます。
もちろん、このトークがあらゆるケースに対応できるというわけではなく、業種や商品の内容によって検討する必要があるでしょう。実際、クレームを誘発するのではないか、という懸念もゼロではないため、実施には慎重な検討が必要です。
また、解約抑止の場合、単純に以前の契約を継続していただくよりも、新しい商品・サービスを紹介する方が有効な場合も多く、電話応対研修などで魅力的なスクリプトやマニュアルの開発、ロールプレイングも併せて行うと施策全体の効果が更に高くなります。
<スクリプト効果が確実に売り上げをアップさせるシリーズ>
【第一回】スクリプトが成果を決定する~スクリプトレベルと戦略的スキルアップ
【第二回】スクリプトが成果を決定する~スクリプトの基本といま~
【第四回】電話応対でお客さまの心を動かすトーク・スクリプトとは?
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[シリーズ完結版:3.解約抑止の電話応対にみるスクリプトの効果] 2010年8月16日
スマートフォンでのメールチェックやサイト閲覧の機会が増えてくると、一番気になるのが、Flashを使ったサイトであろう。たとえば、飲料水メーカーや自動車、携帯電話の独自商品サイトも然りで、iPhoneを使っているサイトは全く見ることができないので、至極不便である。
FlashサイトをiPhoneでも見られるようにと、ネット上ではいろいろ書かれている。"脱出"とか、"脱獄"などと、iPhoneでFlashサイトを見たいという願望が強いようだ。
iPhoneの利用者がどんどん多くなり、サイトをiPhone仕様にしたり、iPhoneアプリでより見やすくすることも行われている。iPhoneアプリを構築しているブロガーもいるくらいである。
先日、一般企業のサイトをiPhoneでチェックしていたら、トップページが全く見られないので、全面Flashのトップページかと思ったら、IE以外はSafari、Chrome、Firefoxなど、すべて何故か閲覧できないサイトだった。未だにこういうところもある。
今後、AppleがFlash対応をするのか、サイト構築でFlash利用をやめるのか。この問題はどうなるのか、実に興味深い。
参考:いろいろ事情があるようです!
iPhone OSがFlashをサポートしない6つの理由 - ジョブズ氏が説明
マイコミジャーナル:2010年4月30日付
アドビ、Flash 10.1とAIRのスマートフォン向け展開を解説
ケータイ Watch:2010年7月27日付
[AppleがFlash対応をするのか or サイトでFlash利用をやめるのか] 2010年8月11日
ソーシャルメディアという言葉は以前から出ていたが、SNSやツイッター(Twitter)が浸透していく段階で、よく使われるようになった。それまでWeb2.0とか、CGMという総称だったものが、その「くくり」の名称が異なってきた。それは単なる名称の違いか。
ネット利用者が発信するメディアはブログにせよ、SNS、ツイッターとその特性が異なるので、それをまとめて解説すると、非常にわかりにくい。それは当然のことだ。
プラスもあり、マイナスもあるという論議だけにとどまることが多くなる。そこにマーケティングや最適化を付加して、またまた新しい言葉がつくられるが、そういうのも、もう飽きられているかもしれない。
それぞれのネット上のメディアをどう使うかは、こと企業側からすれば、企業の市場のポジションやスタンス、その企業が市場に出す商品やサービスによって決められる。そのメディアの使い分けが今や一番必要であるものの、ネット上で流行っているからと言って、おいそれとすぐに使うわけにはいかない。
企業側の安心・安全の考え方からすれば、あたり前のことである。たとえば、ツイッター。個人のつぶやきを、どれくらいまともに受けるのか。企業としてどれくらい速攻で発信できるのか。つぶやきと言っても、テキストなので消えない言葉や内容は、口頭で答える電話よりも判断が難しい。
となると、企業が使うソーシャルメディアの使い方。企業によってよく検討すれば、活用範囲と深さが、わかるはずである。もちろん、テストとして限定的な使い方もよく行われる。だめなら、トカゲのしっぽのように切れば良いと考える。
ソーシャルメディアの企業活用は、得る利益よりも、企業イメージやブランド価値を失う方が多くなることもあるからだ。
マーケティングは、"今どうか"という、その今日的な手法が問われるものであることは間違いない。
だから、マーケティングはおもしろい・・・(つぶやき)
[マーケティングは遠い将来ではなく、今はどうか?である。] 2010年8月11日
市場通信のコールセンターおよび電話応対の専用サイトをリニューアルしました。
今までのコールセンター情報に加えて、コールセンターから、コールセンターと呼ばなくても電話応対が気になる企業様向けのサイトです。
当社のコンサルティング・教育・研修・コーチング・モニタリング・ミステリーコールなど、各種専門的な領域におけるサポート業務を推進しています。
市場通信では、『無料コール診断』を提供しております。
弊社ミステリーコール調査員が貴社にお電話をし、録音した音声をもとに評価いたします。(コール数は3本程度)
まずは、コールのレベルや強み、弱みを知ることから。市場通信では、「答えは現場(コール)にある」をモットーにお客さまとの通話を大切にしています。
さらに、市場通信では、コンサルティングや研修のフォローとして、半年後の『無料コール診断』もしくは『無料電話相談』を特典としてお付けしております。
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コールセンター・電話応対については下記をクリックしてください!
[市場通信のコールセンター・電話応対の専用サイトが新オープン!] 2010年8月 6日
ソーシャルメディアの活用が活発だ。中でも、速効性の電子クーポンやその電子クーポンの共同購入などへ参入する会社が多くなってきた。日々新たなクーポンサイトが立ち上がっている。
また、電通が始めた「Xappy(ザッピー)」は、検索して情報収集する今までのスタイルから、情報を必要としている人へ、ザッピーが自動収集してサイトを表示させるサービスを展開したようだ(インターネットをテレビのように閲覧してみませんか?:J-CAST ニュース 2010年8月6日付)。
自分が必要としている情報収集としてのサイトだけでもよし、自分があまり積極的に検索しない分野のサイトまでもチェックできる。おいしい食べ物を、いわば直接口まで持って行ってくれるような感じでもある。おもしろいものだけをチョイスしてチェックできることが便利である。
このサイトでの機能で、クリップとはブックマークのような機能で、飽きたら入れ替えればよい。PCでの利用とiPhoneでの利用を試みたが、iPhoneでの使い勝手も良さそうで、このサイトの目的である「ザッピング」感が強い。
PCでは、xappy.jpの中で各種サイトをチェックさせているので、ネット利用者のザッピング状況はログデータとして運営者側に残る。
これら行動データなどを、どのように使うかが興味深い。
詳しく知るために情報提供元のサイトに行かなくても、RSSで読み込んでいるようで、サマリーだけで十分な時もあるかもしれない。こういう場合はなぜ、そのサイトに行かなかったのか、も重要なデータとなるだろう。
ネット利用者からすれば、RSSリーダーとしての役目も果たしてくれ、メールやツイッターで共有するための「シェアリング機能」もあり、速効性は高くなっているので、わりと使いやすいかもしれない。
[情報収集や情報共有の速効性が売り!?] 2010年8月 6日
『スクリプト効果が確実に売り上げをアップさせる』シリーズの第二回です。
【第二回】スクリプトが成果を決定する ~スクリプトの基本といま~
第一回では、スクリプトの効果について説明をしました。今回二回目からは、スクリプト作成のポイントや注意点などについて具体的に解説をしていきます。
<難易度の高いアウトバウンド>
コールセンターで扱う電話応対は、インバウンドとアウトバウンドに分かれ、その違いは、「発信者がどちらか(企業かお客様か)」ということにあります。インバウンドにおいては、お客様の側に電話をかけた動機(用件)があるため、基本的には用件を解決するまで会話は継続され、いかに効率よくかつ的確にお客様の用件を解決するかが重要となります。
対するアウトバウンドは、お客様にとっては「突然の電話」であり、内容を聞く前に通話を拒否するお客様が一定数必ず存在するため、話を聞いてもらうこと自体が最初の関門です。とりあえず通話の許可をいただいた場合でも、いつ電話を切られるかわからないうえに、会話の中でお客様の気持ちを高め、成約やアポイントの獲得まで持っていかなければなりません。
そうした意味で、アウトバウンドはより難易度が高いと言えます。そこで、今回はアウトバウンドコールのスクリプトを中心に成功するスクリプトのポイントについて考えてみたいと思います。
<話を聞いてもらうには>
アウトバウンドにおいて、お客様は、「誰が」「何の用件で」電話をかけてきたのか、「(自分にとって)関心のある内容か」によって会話を継続するかどうかを判断します。したがって、オープニングから慎重に言葉を選ばなければなりません。正確な名乗りは当然として、対象が既顧客(すでに取引履歴のある顧客)や資料請求者など何らかの接点がある相手なら、その点もぜひ丁寧に伝えたいものです。(「○○でお世話になっております××社と申しますが...」など)。
実際、保険などアウトバウンドに対する抵抗感が強い商品でもその一言を加えるとお客様の声の調子がガラっと変わります。また、用件の伝達(「本日は○×の件でお電話しました...」など)に関しても、簡潔かつ拒否感の少ないあるいは関心をひきやすい言い回しを選択する必要があります。
例えば、「(A案)先日、○○の資料を請求いただきました。お送りした資料だけではわかりづらい点があるかと思いますので、お電話いたしました...」というのと、「先日の資料の件について、ご説明でお電話しました」というのではかなり聞こえ方が違います。
<アウトバウンドのポイントはお客様にしゃべらせること>
このように、アウトバウンドのスクリプトでは、オープニングからクロージングまで、話の内容はもちろん言い回しの細部にいたるまで神経を使わなければなりません。しかしながら、スクリプト全体を見たときに非常に重要なポイントとなるのは、「コミュニケーターがどう話すか」ではなく、「お客様にいかに話をしてもらうか」というところです。
と言うものの、アウトバウンドのスクリプトの場合、電話をかける企業側に「話したい内容」がたくさんあるため、どうしても一方的になりがちです。これまでに多くの業種・商品のスクリプトを見てきましたが、お客様が通話を許可したとたんコミュニケーターが洪水のように説明を浴びせ、お客様は口をはさむスキもない、というパターンが少なくありません。
多くの場合、企業側が伝えたい内容はお客様にとって初めて聞く話であり、商品の名前すら知らない場合もあります。そのうえ、お客様の手元に資料がない場合は耳で聞く情報のみとなるため、正しく理解するのは至難の業と言えます。
お客様は、理解できない話に対して魅力を感じることはなく、理解した上で、「自分に合っている・必要である・魅力的だ」などと納得しなければ契約することはないのです。そのため、ある時点からお客様は興味・関心を完全に失い、「そうですかー」と返事はするものの、それは単にうわべだけで、当然フォローをしてもはかばかしい結果が得らないと思ってください。
<質問を活用して「会話」を成り立たせる>
それでは、お客様に話をしてもらうにはどうすればよいでしょうか。答えは簡単、質問を投げかけることです。コミュニケーターが話をしているときは受身でも、直接自分に質問をされれば、大部分の人は何らかの答えを返してくれるはずです。
ポイントは、最初はなるべく答えやすい質問を選ぶということです。例えば、普段多くの人が検討する機会が少ない金融商品の場合、突然の電話(アウトバウンド)で「○○様は、ご自身の資産運用についてどういったお考えをお持ちですか?」などと質問されても、すぐに答えられる人はごくわずかでしょう。
「え...」「べつに...」とさらに堅く口を閉ざされるのがオチです。それよりも、「最近、テレビで話題ですが、○○ということをご存知ですか?」など、誰にでもとりあえず返事ができる質問にするのがポイントです。
お客様が話をするのに慣れてきたら、お勧めしたい商品についての考えや需要の有無、など突っ込んだ質問を展開します。これにより、お勧めする商品についてどのような角度から説明をしたら魅力的か、阻害要因(断られる理由となること)は何かを推測することが可能になるのです。私たちの経験では、お客様が話す割合が多いコールほど成果につながりやすい、という結果も出ています。
質問を用いた会話での注意点としては、お客様が答えてくれたらしっかりと受け止めて投げ返すことです。具体的には「さようでございますか」「...なのですね」などあいづちやペーシング(オウム返し)を用いて、「あなたの話を聞いていますよ」という姿勢をアピールし、お客様の回答に対するリアクションを言葉で表現します。
また、お客様に伺いたいことがたくさんあるからと言って、「質問攻め」にならないよう配慮することも欠かせません。適切なタイミングと内容の質問を設定することで、目的達成に近づけるスクリプトを作成することができると言えるでしょう。
<スクリプト効果が確実に売り上げをアップさせるシリーズ>
【第一回】スクリプトが成果を決定する~スクリプトレベルと戦略的スキルアップ
【第二回】スクリプトが成果を決定する~スクリプトの基本といま~
【第四回】電話応対でお客さまの心を動かすトーク・スクリプトとは?
<コールセンター・電話応対の電話サポート業務専用サイトはこちら>
詳しくは、コールセンターおよび電話応対の専用サイトをご覧ください。
コールセンターの品質は電話応対におけるモニタリング、スクリプト、研修、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。
自社でお困りの内容がきっと見つかります。
是非、クリックして専用サイトをご覧ください。
[シリーズ完結版:2.スクリプトが成果を決定する ~スクリプトの基本といま~] 2010年8月 1日
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