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コールセンターの学習定着を目指したフォロー活動とは

コールセンターの学習定着を目指したフォロー活動とは

1)コールセンターにおける育成教育op2018-01 (13).jpg
コールセンターはサービスそのもの、品質のすべてを「人材」が担うため、コミュニケーターの育成教育がとても重要です。

育成教育には大きく分けてふたつあります。

ひとつは新人向けで採用してからデビューまでの研修、もうひとつはデビュー後のコミュニケーターに向けてのフォロー研修です。

新人研修で扱うべき内容は多岐にわたります。

コールセンター業務を推進するには、該当する企業を知ることから始まり、提供するサービスや商品知識の習得、コールセンターシステムや顧客データベースを使いこなすための技術的な研修などでまで及びます。

また、昨今はコンプライアンスが年々厳しくなっているため、それらの教育時間は増加の一途をたどっています。

アウトバウンド対応よりもインバウンド対応の方が、総合的な問い合わせに対応する人材を育成する必要があるため、多くの研修時間を要します。

当社市場通信では金融機関のクライアント様は多いのですが、金融のコールセンターの場合はどちらも1ヶ月〜2ヶ月間を教育期間としています。

2)教育の成果を定着させるには
ここ数年、コールセンター業界全体では離職率が向上しているうえに、新規の採用が難しくなっていることから、一度にまとまった規模の人員を採用するというよりは、年数回に分けて、少しずつ採用をする傾向になっています。

そのため、常に新人教育を展開しているセンターもあります。

そういった背景から、既存のコミュニケーターへのフォロー学習が不可欠なことは十分に認識していても、そこまで手が回っていないセンターも多いものです。

そのような状況の中で多くの時間とコストを使って行う研修は、ただ実施すればいいというものではなく、一度学んだことをしっかりと定着させ、お客さまとの会話において実践・活用できなくてはいけません。

「定着」とは、考えなくても自然にできる習得レベルを指します。よく子供のしつけに例えられますが、お箸や鉛筆の持ち方がおかしい子に親が、その都度注意し、がんばりを承認していく中で、いつの間にか直っているといったことがあるでしょう。

その状態が定着です。

コールセンターの場合は親子関係のように1対1で向き合うことは難しく、教育は集団での研修活動に頼らざるを得ません。そうすると、研修で学習したことをどう定着へ導くかが肝となってきます。

3)定着のカギを握る実践フォロー
comjosei33.jpg市場通信では年間にかなりのコミュニケーター向けの研修を実施しており、中には毎年、継続的に研修を行っているコールセンターも多々あります。

また、リスク分散の目的でコールセンターが複数拠点に分かれていることも多いのですが、そのような場合は各拠点にお伺いしています。

こうした場合、同じ研修を実施しているにも関わらず、拠点によって学習の定着度合いに大きな差が見られるケースがあります。この違いはいったいどこから生まれてくるのでしょうか。

この原因はひとつではなく、様々な要因が複合的に絡んでいることがほとんどですが、どんなケースでも明らかに定着度の差に大きく影響しているのは、研修後のフォロー活動(実践フォロー)なのです。

4)事例:外資系企業様のケース
ここで外資系企業のコールセンター様の事例をひとつご紹介しましょう。

こちらは外資らしく研修効果を測定するため、一定期間の追跡調査をして、その後の結果をきめ細かく分析していました。

このときは、数年の経験のあるコミュニケーター向けに「傾聴と共感」をテーマにした終日研修を実施し、2つのチームからほぼ同数の受講生が参加をしていました。

受講生は研修の翌日からは通常のコール業務に戻りましたが、約3ヶ月後に研修効果を測ったところ、2つのグループの学習の定着率にほぼ倍程度の差があったのです。
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また、コミュニケーターからは研修の感想や気づき、自分がこれから頑張りたいこと(宣言)をヒアリングし、それらをグループ全体で共有し、学習へのモチベーション維持にも努めています。

こちらのセンターでは、SV(スーパーバイザー)は他の多くのコールセンターと同様に、SV自身が日常業務を実施しながら教育する必要がありました。

そのため、教育に使える時間はほとんどない状態だったので、朝礼などを有効に活用することで、コミュニケーターにリマインド(思い出させること)をしています。

一方で、研修効果をほぼゼロにまで下げてしまったグループは何がいけなかったのでしょうか。その原因は明確でした。ちょうど研修の時期にSVの異動があり、新しいSVとの引き継ぎがありました。

そのため、SVは研修のフォローまで手が回りませんでした。コミュニケーターは現場の管理者であるSVの意識や行動をつぶさに観察しています。

自分たちが研修で教わったことを全くやらなくても、SVがモニタリングをする余裕がな1com6.jpgいことがわかっているので、いつも通りの慣れた話し方を変えることもなく、お客さま応対を続けたのです。

こうすると、コミュニケーター自身の学習への努力が足りないように聞こえますが、そうではありません。個別のお客さま応対は非常に難しく、間違いのないよう、かつ品質も意識しながら応対すること自体が大変なものです。

それで、誰も見てないのならば、つい普段どおりの応対をしてしまうのも無理はありません。そのため、ちょっとした声かけやアイコンタクトだけでもいいので、管理者やSVから継続的に動機づけをし、がんばりを支援する必要があります。

5)事前の計画の重要性
comjosei2.jpg私たちは、研修を実施する以上、その効果を最大化し、定着レベルにまで至ってほしいと考えています。そのため、最近はクライアント様に事前に研修後の実践フォローのカリキュラムを準備いただくことが多くなっています。

当社市場通信においても、研修効果を最大化し、その効果がなるべく持続して、定着レベルにまで至ってほしいと考えています。

実践フォローを検討するうえでのカギは、各センターの事情に合わせたプランを考えることです。

ひとくちにSVといっても置かれた状況はさまざまです。実践フォローの活動内容は、各センターの事情に合わせています。それこそ下記のように事情は様々です。

■SVが教育活動に時間を割くことが難しい場合

■SVに時間はあるけれど会議室などの環境が不足している場合

■SVが電話応対も兼務しプレイングマネージャーとして活動している場合

■SVが人材育成のスキルを持ち合わせておらずフォローを任せづらい場合

........などです。

それでも、その様々の事情や環境の中でできる実践フォローを考え、展開することが重要です。「いま、できること」をベースに、事前にある程度準備をしておき、コミュニケーターが研修から帰ってきた直後からフォローをしたいものです。

研修効果を一時のものにするのではなく、しっかり「定着」させるために、センターにあったフォロー活動を検討してみてはいかがでしょうか。

参考になりましたか。

コールセンター・チーフコンサルタント 石橋由佳

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[コールセンターの学習定着を目指したフォロー活動とは] 2018年10月 9日

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