マーケティング最前線:連載第107回 2011年11月20日
高齢者にやさしいか?
高齢者が増えて、市場ではさまざまな分野で高齢者層をターゲットにした商品やサービスが重要な位置を占めている。なかでも携帯電話やパソコンなどは、高齢者にとっても日常生活の上で電気・ガス・水道などと同様に欠かせないライフラインの1つとなっていることは確かだ。
とくに、単機能で文字も大きく、使いやすい高齢者向けの携帯電話はかなり浸透し、使っている高齢者をたくさん見かけるようになった。また、最近のスマートフォンは高齢者でも使いやすいとも言われている。
それでは、パソコンはどうか。高齢者のネット利用率は36.9%(平成2 1 年末)で、6 5 ~ 6 9 歳代では58.0%、対前年比20.4%増と大幅に増加している。しかし、高齢者向けの携帯電話のように、パソコンは本当に簡単で使いやすいのだろうか。
今までのパソコンでは、ディスプレイ上にアイコンがあって、初心者向けのソフトによって一見簡単なようにみせかけたものはあったが、実際の使い勝手は変わらないものが多かった。つまり、故障や不具合などで困った場合になかなか上手く
対応しきれていなかったと思われる。
ターゲットが明確ではなく、セールストークとしてのそれなりの機能しかなかったと言ってもいいくらいだ。今度、NECでは専用電話窓口を設置し、初心者がPCを使えるようになるまで徹底的にサポートするパソコン製品(ノートパソコン)を販売するようだ。
その名も「とことんサポートPC」とある。初心者・初級者をターゲットにしており、サポートを起点に開発した興味深い製品だ。ただ、電話サポートを売りにしている以上は、是非ビジー状態を回避して高齢者にもやさしいサポート窓口にしてもらいたい。
つい先日のことだ。まだ購入して1年も経過していない自宅の洗濯機を作動すると、変な音がして、かつ動きがおかしいと家人から訴えがあった。さっそく電話でサポートセンターに聞いてみた。コミュニケータさんは実に手際が良く、機種名と故障内容を説明すると、受話器を耳に当てたまま洗濯機のところまで行くように言われて、その場で丁寧に教えてもらった。
原因はお風呂の水を使う際に押すボタンと間違えただけだった。普通に水道水を使う場合は必要ないボタンを、うっかり押してしまったのであろう。それで、すんなり解決してしまった。故障ではなく単なる操作ミスだったのだが、あわててすぐに窓口に電話してしまう消費者も実に情けない。
この場合、たまたま「よくある質問」であったようで、きっとFAQのデータベースに入っていたのかなと想像できそうな感じであった。でも、このようにテキパキと対応してくれると、そのメーカーのイメージはすこぶるアップするから不思議である。
65歳以上の高齢者人口(平成23年9月15日現在推計)は2980万人で、総人口に占める割合は23.3%。この比率はどんどん高くなり、平成25年には高齢者が4人に1人になるらしい。こうなると、今後は高齢者だけの特別な仕様や使い方を提示するのではなく、成人であれば誰でも簡単で操作しやすいものや、やさしい使い勝手が求められるのではないだろうか。
「高齢者にやさしい」だけではなく、誰にでもやさしい製品やサービスにしてほしいものである。
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[製品やサービスは高齢者にやさしいのか?] 2011年11月24日
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