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『コールセンター運営の最大の鍵「人材育成」について考える』の第二回です。
【第二回】スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法
電話応対研修を「Inputの場」、OJTを「定着の場」として明確に位置づけ、研修とOJTを一連のしくみとして捉える「2STEPトレーニング」の考え方についてふれてきました。今回は実際の業務設計における研修計画をたてる際のポイントなどについてご紹介します。
<理想のコールを実現化させるためのトレーニング>
まず質問です。トレーニングを企画する際、何から準備していますか?カリキュラム(タイムスケジュール)から書いている方が多数派なのではないでしょうか。ところが実は、カリキュラムからスタートすると、そのコールセンターの「理想のコール」に近づくことが難しいのです。
トレーニングを木に例えるなら、研修のカリキュラムは枝や葉の部分にあたります。ですから、いきなりそこから検討を始めると全体を俯瞰して見ることができなくなります。必要なことは、まず「幹」も含めた「木」全体のトレーニング、その全体像を明確にし、かつミッションを加え、なりたい理想形コールのゴール(目標)部分を設計することが先決です。
同じ業種のセンターであっても、迅速性が求められるセンターもあれば、問題解決能力、温かいホスピタリティ、プロとしてのレコメンド・・・など、コールセンターによって求められる役割や機能は千差万別です。当然ながら、トレーニングの方向性もそれによって大きく異なります。
従来コールセンター業界においては「マナーのよいきれいな応対」に重きがおかれていましたが、昨今では、「その企業らしさ」「電話応対において提供できる付加価値」を追求するのがトレンドとなっており、センター運営自体を見直す時期にきたと考えられます。
先日、あるコールセンターでの打ち合わせで、
私が「イメージでいいのですが、御社らしいコールはどんな雰囲気のものですか?」とお聞きしたところ、お二人の担当者は「・・・。あまり考えたことはなかったですね・・・」と言われていました。
私たちの過去の事例では、金融会社において商品のレコメンドが必要なコールでは、落ち着いた信頼感が感じられるコールを目指し、女性コミュニケーターも高めの声ではなく地声で話すように指導していました。
一方で、若年層向けの化粧品の場合は、はつらつとした笑顔いっぱいのコールを目指しました。そのように、理想のコール=なりたい姿を一度、しっかりイメージする機会はとても大切です。
理想のコールが整理されたら、次に検討するのが、それらを実現するために必要な要素の洗い出しです。以下の図は私たちがよく使う考え方のひとつですが、コールに必要な要素を以下の図1のように3つに分け、それぞれに対して必要となる内容を洗い出していきます。
図1 知識・スキル・マインドの3つの要素

各要素に多くの内容が出てくると思いますが、最終的にはそれぞれのなかで難易度や優先度の高い順に並び替えをします。そうすると、初期で必須となる内容と一定の業務経験を積んだあとにフォローで追加していく内容が整理されてくるのです。
コールセンターは人そのものがサービスですが、現場の業務が忙しく、学習のための時間が十分に確保されているとは言えず、一足飛びに理想のコールに近づくことは難しいものです。そのため、段階的な成長をあらかじめ学習計画として体系化し、準備・実施することが大切になります。
以下の図2は2Stepトレーニングの検討ステップとその関係を表にしたものですが、この1)にあたる部分が段階的な成長を整理する部分です。
図2 2Stepトレーニングの検討ステップとその関係

<トレーニングの基本スタイルは2Step型で>
段階的な学習プランの検討が終わった後は,個別のトレーニングの設計に入ります。しかし、そこでもまだカリキュラムは書き始めません。次は、研修(Inputの場)とOJT(定着の場)のそれぞれについて到達すべきゴールを定めます。
たとえば、スクリプトの学習はどちらでどこまで扱うか、などをあらかじめ決定するのです。研修では、少しの声だし練習と数回のロールプレイングだけしかできないとすると、スクリプトの習得はOJTの担当範囲になります。
その場合は、まだコミュニケーターにスクリプトへの不安があるでしょうから、現場のSVがコール中にきめ細かくサポートしなければなりません。研修とOJTの役割範囲と主な業務の整理は、上記図の2)にあたる部分です。
この部分のすりあわせが十分にできていない場合、現場SVは「研修チームはもう少しちゃんとと教えておいてくれればいいのに...」と言い、研修チームとしても限られた時間の中で他の内容も含めてカリキュラムを構成する必要があるため「限られた時間のなかでロールプレイングにさける時間はほんの少し。
そんな2~3回のロールプレイングでは身につくはずがない。現場でフォローしてくれないと...」といって、双方にとって不満が残る結果となります。実際、これまでそのような場面に数多く遭遇しました。そうした事態にならないためにも、双方の役割や主だった活動をあらかじめ定めておく必要があるのです。
研修とOJTの役割分担の整理が終わった段階で、初めてカリキュラムの検討に入ります。カリキュラムの設計は、上記図の3)にあたる部分です。カリキュラムの形になると、一見同じような書類に見えるのですが、カリキュラムにも「精度」というものがあり、学の効果や受講生のモチベーションに大きく差がでます。
わかりやすく説明すると、頭にすっと入ってくる学習と、どこかぎくしゃくしていてなかなか頭に入ってこない学習といった感じでしょうか。ところが、怖いことに、低い精度のカリキュラムでも研修の実施自体は可能で、問題が表面化することはまれです。
ただ、受講生の方からすると「なんだかよくわからない...」という気持ちが残り、スキルアップという成果につながりにくいのです。このことを、研修に要する人経費や手間、シフトの調整といったセンター運営の視点から見ると、運営コストをムダにしているということにほかなりません。
実施するからには、意識高く楽しみながら効果の高い学習を目指してください。
<コールセンター運営の最大の鍵、「人材育成」について考えるシリーズ>
【第一回】研修とOJTを組み合わせた「2STEPトレーニング」の薦め
【第二回】スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法
<コールセンター・電話応対の電話サポート業務専用サイトはこちら>
詳しくは、コールセンターおよび電話応対の専用サイトをご覧ください。
コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。
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[シリーズ完結版:2.スキル定着に効果を発揮する人材育成プログラム作成法] 2010年8月23日
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