J社は、キャッシング、カードローン、融資などをメイン商品とした消費者金融で、クレジットカード、信販等の各種総合金融サービスの展開をしています。
業界全体の動向として、大手消費者金融が次々銀行傘下になっている背景から、昨今、消費者金融業者、カード会社、銀行とその垣根が徐々に低くなり、顧客層の変化も見られます。また貸金業法改正などもあり、その影響は大きく、様々な対応が必要となっています。
今回のコールセンター・コンサルティング事例では、「石橋式2Stepトレーニング」の効果的な活用がプロジェクトの成功へと導きました。
本プロジェクトは、J社のコールセンターのうち、新規および既顧客からの問い合わせや手続きを一手に受けるインバウンドセンターのトレーニング部門が対象でした。コールセンターでは新たに増えつつある顧客層に向けての対応が重視されるとともに、最近見直されたブランドや企業のミッションをどのように具現化するかが課題でした。
プロジェクトスタート時の初回ミーティングの際に、顧客のデモグラフィックや行動についての詳細な分析レポートを提示され、「この層の、この行動にフォーカスしたトレーニングをして欲しい」とのご指示をいただきました。
通常、教育・研修等トレーニングの前提課題として、不足している具体的なスキルを提示されることはよくありますが、顧客分析からトレーニングを導き出す取り組みは決して一般的ではなく、本プロジェクトに対する真摯(しんし)な取り組み姿勢が感じられ、感銘を受けました。同時に、コールセンター・コンサルタントとして、身の引き締まる思いでした。
J社のセンターは規模が大きいため、今回はパイロットプロジェクトとして位置づけられ、一定期間運用し、検証した後に、センター全体に展開予定となっています。そうした意味で、センター全体の今後を託されたといってもよい重要なプロジェクトでした。
そうした状況下で、J社の今後の企業戦略やコールセンターの業務設計に基づいたトレーニングの設計および実施に向けてプロジェクトがスタートしました。
本プロジェクトをご依頼いただいた際には、トレーニングの設計と実施が作業範囲となっていましたが、課題をお聞きした後は精度の高いスクリプトが不可欠であると考え、スクリプトの導入をご提案しました。
ところが、J社のセンターでは、コミュニケーターが個々のお客さまに合わせてフレキシブルな対応ができるよう教育を施しており、スクリプトが現場になじまないため今回は必要がない、とのこと。
しかし、複数回のミーティングでスクリプトの効果やこれまでの事例などをお話しし、トレーニングと合わせてスクリプトも施策に組み込むことになりました。プロジェクトの最初に着手したのは、戦略と顧客の行動分析に基づいたスクリプトの設計でした。大枠の業務設計から、コミュニケーターに拒否反応が出ないための細かい工夫内容に至るまで、議論をさせていただきました。
最終的にVer.01のスクリプトができあがるまでに使った時間は、のべ200時間は下りませんでしたが、戦略があらゆる場面においてトークとなってちりばめられたものが完成しました。
次に取りかかったのが、トレーニングの準備です。研修を「インプット」の場、OJTを「定着」の場として2STEPでの育成計画のもと、モニタリングチームや現場SVと連携して作業を進めました(石橋式2Stepトレーニング)。
研修では5時間という限られた時間のなかで、戦略や最近の顧客の動向からスクリプトを活用したトークの実践まで進める必要がありました。
スクリプト習得に関しては、どのようにしてできあがったのか、どのように使ってもらいたいのかなどを丁寧に伝えることで、まずはスクリプトを信頼してもらうことからスタートして、その後は1対N型ロールプレイング(※1)で練習を重ねていただきました。
(※1)1対N型ロールプレイングとは当社が開発した練習方式で、トレーナーがお客さま役となり、受講生全体を一人のコミュニケーターに見立て、一つ一つのトークを順番に読み合わせていくやり方。
その際に、トレーナーは細かな部分の指導を重ね、早期のレベルアップを目指すもの。研修後は早期にモニタリングによるチェックを実施し、課題を洗い出しました。習得レベルは高くスクリプトも手探りながら使いこなせているものの、いくつかスキル上の課題が発見されたため、OJTのご担当者様にその旨を伝え、翌日から改善のための指導をしていただきました。
OJTでは各種のモニタリングやフィードバック、チーム内ミーティングなどを2~3週間かけて徹底的に行ったところ、少し前とは劇的にレベルアップしたトークが完成しました。
また、研修の際に、「スクリプトに磨きをかけることができるのは現場のみなさん(コミュニケーター)です」とお伝えしたところ、改善点などの意見が出されて、すぐにVer10までブラッシュアップされ、より現場に即した内容になりました。
当初からのテーマであった新たな顧客層へのきめ細かい対応も、トレーニングを実施した結果見事に実現したばかりか、言葉だけではなくコミュニケーターの気持ちにも変化が見られました。最終的には、その後の顧客の行動分析にも明らかな成果が確認され、パイロットプロジェクトとしての施策は完了しました。
本プロジェクトにおいて、大きな成果を残せたのは、研修(「インプット」)とOJT(「定着」)の2STEP型トレーニングで教育を展開したことにあると考えます。研修で習ったことをコールの現場で手厚いサポートを受けながら実践していくことが大きなポイントでした。
そして、きめ細かいフィードバックや声かけなどでモチベーション維持を促し、体(口)に覚えさせていく。研修とOJTを一連の育成プランとすることでトレーニング効果を最大化できる<石橋式2Stepトレーニング>が証明されたプロジェクトとなりました。
また、私たちは精度の高いスクリプトの必要性やその効果を提唱しつづけていますが、センターによってスクリプトに対する位置づけやコミュニケーターの反応は様々です。最も重視するべきは、使用するコミュニケーターに受け入れられるかどうかです。
そのためには、スクリプトを支給して使用を強制するのではなく、現場の理解を促しつつ、双方で歩みよりながら導入していくことが大切です。今回は見た目を重視し、使ってみたいと思われるように資料の配色やファイリングを工夫しました。これも重要な点です。
コールセンターの改善は、たとえ実施する対策が同じであっても、それぞれのセンターの文化や風土、ルールに応じてその都度最適な方法に形を変えていくことが重要です。私たちは、そのことを深く意識し、いつも最適な業務を進めていきます。
• スクリプト開発・作成業務
• トレーニングカリキュラム立案・実施業務
• モニタリング実施業務
なお、今後の方向性として、プロジェクトの結果、パイロットプロジェクトとして目覚しい成果を得ることができました。今後はJ社においてセンターへの水平展開が計画されています。
詳しくは、コールセンターおよび電話応対の専用サイトをご覧ください。
コールセンターの品質はモニタリング、スクリプト、トレーニングなどのいくつかのポイントをしっかりおさえることで、大きな改善が期待できます。
「答えは現場にある」をモットーに、戦略からコールの現場まで、実践的な改善を目指します。
自社でお困りの内容がきっと見つかります。
是非、クリックして専用サイトをご覧ください。
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[コールセンター・コンサルティング事例 : 大手金融機関J社様] 2010年2月15日
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