月刊コンピュータテレフォニー8月号への執筆より
マーケティング最前線:連載第79回 2009年7月20日
『警告』から解放されたい
今回は筆者が最近感じているPC版セキュリティソフトについて話してみたい。会社や自宅、あるいは移動用のノートブックなど、パソコンを複数台使っていると、ネットセキュリティソフトの『警告』という文字にいつも苛まれる。
有効期限が1カ月を切ると、毎日パソコンを起動するたびに、更新促進のサインが容赦なくディスプレイに現れるからだ。とくに、3台分のライセンスが含まれているパッケージを購入すると、その頻度は確実に3倍になりそれぞれのパソコンを起動する度に警告される。
しかし、顧客に更新してもらうのに『警告』という過激な文字はないだろうと、最近そう思うようになってきた。『有効期限にご注意ください』程度の、もう少しやさしい言葉ではいけないのかと、いつもつぶやくのである。
また、これだけではなく、製品登録した際のメールアドレスにも更新を促すメールがガンガンやってくる。これにはさすがに配信停止の処理をしてしまった。ウイルスからパソコンを守ってくれる製品ではあるが、ちょっとやり過ぎではないだろうか。
たぶん、メーカーは『お客様のパソコンをしっかり守るために、我々はあえて過激な言葉で注意を促しております! 』と答えるのであろう(理解はできるが)。
ただ、このままクレジットカードを使って、ネット上で催促されるままに更新することは非常に簡単で、もうあの『警告』という文字は見なくても済むものの、ネットショップで販売価格を調べると、どうみても新規で購入した方が安いことがわかる。
それも、最近ではCD-ROMではなく、試用版をダウンロードして、購入キーをインプットするだけなので、ネット通販で購入しても配送料がかからない分、より安価に購入できるのだ。普通なら、既存客が継続して使う場合は割引になってもいいはずだが、毎回新規購入した方が得になるというのは、通常のマーケティング感覚からすると少し不可解である(最近は、割引キャンペーンもされているようだが・・・)。
このようなセキュリティソフトは、自分のパソコンをウイルスから守ってもらうための保険のように筆者は考えている。決して損害賠償はしてくれなくても、無いよりはきっと安全であろうと思っている。
しかしながら、今までたいした被害にあったことはないので、損保や生保同様、できればあまりお金をかけたくはないと思うのである。自動車保険は1年間無事故であれば、等級が上がり年間の保険料金は安くなる。最近では走行距離なども勘案されている。これと同様に、1人で3台のパソコンを使い、それぞれ使用時間が異なる点を考慮してくれないかと、結構真剣に考えてしまうわけである。
セキュリティソフトは当たり前という時代になり、ネットをつないでパソコンを使用する場合のインフラとなっているから、割引などのサービスを望んでも仕方がないのか。
先日、Microsoftはセキュリティサービスを有料から無料に移行するという朗報があった。
あまり評判が良くなかったOneCareの小売向け販売を終了し、Windowsユーザーに向けにMorroという製品を無料提供するようだ。
果たしてユーザーが満足できるものであろうか。OSの供給会社として、しっかりしたセキュリティソフトの無料ダウンロードを期待したい。これで、あの『警告』からようやく解放されるかもしれないので。
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[あの『警告』から解放されたい!] 2009年7月22日
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