月刊コンピュータテレフォニー1月号への執筆より
マーケティング最前線:連載第72回 2008年12月20日
ブームが去ってからの方が重要!?
マーケティング業務に長年携わっていると、おもしろいことに気づく。そのなかで特に興味深いのが、流行りの言葉や考え方、理論、手法に関することである。ビジネスの最前線で実施されるマーケティングやマネジメントなどのメソッドには"流行り・ブーム"がある。
しかし、一般的に既に廃(すた)れたと思われた時くらいから、マーケティング現場では実践的に使われることが少なくない。やっと使えるという認識と安定性が備わるからであろう。ダイレクトマーケティング、テレマーケティング、データベースマーケティング、CRM、口コミマーケティング、Webマーケティング、Web2.0などは、別に言葉として出さなくても、マーケティング現場では日々そのメソッドの積み重ねから、新たな戦略や戦術が生み出されている。
にも関わらず、そのような言葉をうっかり発すると、「もう古いですよ! 」「もう、終わりましたよ」とすかさず言われてしまうこともある。最初は飛びつく言葉も、誰もその言葉を使わなくなると、もう見向きもしないようになるが、実はそこからが本格的な、あるいは実践的な活用・応用の世界に入ると言っても、決して言い過ぎではない。つまり、一般的に根づいてきた、と表現するべきであろうと思われる。
一方、そうした状況を「マーケティングの基本は変わらない! 」と表現する人もいる。それはそれで正しいのだが、マーケティングの本質である「今日性」をもっと重視してほしい気がする。それは、デジタルやネットの進化と時代性である。これらを無視して、現在のマーケティングは存在しないからだ。
競争する何かがあって、マーケティングは存在する。デジタルやネットの浸透が、ターゲットの日常の生活や習慣を少なからず変化させてきた事実をもっとつぶさに踏まえるべきである。新たなツールと今までのマーケティングやコミュニケーションのツールでどのような違いがあり、その優位点は何かといった深く幅広い理解が当然必要となる。
その結果、初めて、今何が最適かという問いに答えることができる。少子高齢化、人口の減少、金融不安による景気の冷え込みという、このような時代背景のなかでは、企業とそのターゲットとの継続的なコミュニケーションを図ることが急務となっている。
どんな業種の企業においても、求めるターゲットはもはや無尽蔵ではない。簡単に見込み客や離反客をあきらめるわけにはいかないのである。ネットの登場で、最も革新的なマーケティング資産は、検索やサイト閲覧のログとCGMなどの書き込みである。いわば、ネット利用者の"跡"や"痕跡"は、今まで出来なかったマーケティング上のアクションや推理・推測を可能にしてくれるのである。
ただ、こうしたデータを使う文化や習慣がないのか、新たなツールをハンドリングするスキルが追い付いていないのか。多くの企業で未だに埋もれたままになっている。このように、今までマーケティング現場で出来なかったことが、出来るようになったり、今まであり得なかったことが、急に実現できたりする。
それだけ、劇的な変化がマーケティング現場に迫っているということである。流行りものに惑わされないで、現状打破の具体的な方法論を是非検討して頂きたい。
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[ブームが去ってからの方が重要!?] 2008年12月22日
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