G社は、ヨーロッパに本店を持つグローバルな金融機関です。日本では、銀行や資産運用会社などを展開しており、機関投資家向けの資産運用や富裕層向けの資産運用(プライベートバンキング)業務などを行っています。
本プロジェクトは、G社のコールセンターのうち、プライベートバンキングの新規の顧客獲得をミッションとしたアウトバウンドチームが対象でした。日本においてプライベートバンキングはまだまだ知名度が低く、商品についての理解を得るだけでも難しいのが現状です。
また、ターゲットとなる富裕層は少数で中々リーチしにくい状態でした。コールドコール(白地コール)にも頼らざるを得ないことから、プロジェクト自体の難易度は非常に高いものでした。
加えて、アウトバウンドチームのスタッフの陣容も万全とは言ない状態でした。金融の経験はあっても、電話業務はおろかアウトバウンドの経験は皆無、営業経験すらないスタッフもいました。
こうした状況で、G社のメインビジネスであるプライベートバンキングの顧客をアウトバウンドによって安定的に獲得することを目的として、プロジェクトがスタートしました。
本プロジェクトでは、スクリプトを含めたオペレーションツールの開発・作成サポートと教育、モニタリングの3つが業務の軸となりました。
このコールの場合、最終的には営業担当のアポイント獲得が目的でしたが、そのために電話でどこまで商品やサービスを説明するかが最初に議論の対象となりました。顧客のニーズ聞き取りや商品のお勧めなど、ある程度コンサルティング的な要素が必要ではないかというクライアント側に対し、あくまでアポイント獲得に特化した方が効率的かつ有効であるというのが当社の提案です。
なぜなら、ある程度金融知識を持ち合わせているとはいえ、コミュニケーターの金融に関する業務経験は浅く限られた説明しかできずに、却ってアポイントにつながらないことを恐れたためです。
これは、過去の他社の事例で同様の事態を見てきたことからの懸念事項でした。G社側はコミュニケーターがある程度の水準のスタッフであることから、アポ取りという「単純作業」に従事させることに抵抗感を示しましたが、最終的なアポイント獲得のため、アポイント獲得に特化したコールとすることに決定しました。
また、コールドコールという業務の性質と富裕層というターゲットの特性上、最初のコールで本人と話しができる確率が極端に低く、秘書や家族といったいわゆるゲートキーパーにコールの主旨を理解させ、いかに取り付いてもらうかが重要な課題でした。
しかし、日本ではG社のブランド力や、プライベートバンキングというサービス自体の知名度がまだまだ低いため、理解を求めるだけでも難しい状況でした。そこで、営業担当者の説明文句を取り入れつつ、顧客の反応を見て地道にブラッシュアップを重ねながらスクリプトや応酬話法集を作成していったのです。
教育の面でも課題は多く、とりわけ、ある程度の金融知識を備えたスタッフに対し、電話業務の基本スキルを注入するのは非常に困難でした。なぜなら、「知識を持ち合わせている」ことと「それを電話で説明できる」ことは同義ではない上、アウトバウンドの場合、インバウンドに増して難しい部分があるからです。
ニーズを感じていない顧客の心をノックし、会話の中でニーズを作り出し、結果(この場合はアポイント)につなげる...これがいかに難しいかを実感できないスタッフが多いのが最大の問題でした。
そこで、初期トレーニングとして、電話業務とアウトバウンドの基礎について徹底的な研修を実施しました。コール開始後は、G社のコールセンターは小規模でコミュニケーターの人数も少なかったこともあり、一人一人の状況や課題にフォーカスした個人指導を展開しました。
この指導法に大きく貢献したのがモニタリングです。通常、モニタリングには個人のスキル・課題を発見する役割とセンター全体の傾向をウォッチする役割がありますが、G社では個々人のスキルレベル、成果に大きな差があったため、前者に大きなウエイトを置きました。
モニタリングから個々人の課題を分析し、指導方針を決定してフィードバックを教育の場として活用したのです。コミュニケーターの方々一人一人について、課題は何か、それを克服するためにはどうしたらよいかを、きめ細かく指導し個別のロールプレイングを実施しました。
その結果、一人一人の性格やバックグラウンドにあった指導が実践でき、最終的には全員が高い獲得率を達成するに至りました。
アウトバウンドを成功させるには、コールセンターを総合的に見て課題解決を図らなければなりません。当社では、実績を上げるための要素と理想のセンターを実現するための要素として、豊富な業務をを紹介していますが、このG社のケースでは、即効性のある施策による実績アップが急務でした。
コンサルティングの依頼の際、G社においては、まずトレーニングが大切と判断され、そこにフォーカスしたコンサルティングが求められました。そこで、当社からは、スクリプト、モニタリング、トレーニングのどれが欠けても実績は得られないということを理解してもらい、総合的にプロジェクトを組み立てました。
プロジェクトの結果、G社コールセンターでは目覚しい成果を得ることができました。今後も、当社のレポートの結果を参考にしながら、継続的なモニタリング・フィードバックの実施やトレーニングの立案に努め、現在の水準を維持し、より多くの顧客獲得を目指しています。
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[コールセンター・コンサルティング事例 : 外資系大手金融機関G社様] 2008年11月12日
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