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新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその16

月刊コンピュータテレフォニー7月号 2008年8月20日
連載 実践編収益を上げるモニタリングより

収益を上げるモニタリング:第7回(最終回)

"個人評価"から"センター評価"へ
「運営の最適化」に向けたチェックシート作成法

モニタリング結果を、コミュニケーターの個別スキル評価以外に有効活用できているセンターは少なくない。モニタリング結果は、SV、マネジャーとコールセンターの関係者すべてに対して、様々なメリットをもたらす有効なものある。最終回の今回は、モニタリング結果を直接セマネジメントに活かせる「モニタリングチェックシート」の作り方について解説する。

実際にはなかなか難しいモニタリング結果の活用

モニタリングチェックは、「コールセンターで実際に起こっていること」を評価するものであり、従来考えられてきたような、単なるコミュニケーターのスキル評価ツールではない。コミュニケーターの抱える課題は、個人の事情に起因するものではなく、センター全体の課題の表出である場合が多いからだ。そのため、マネジャーがモニタリング結果を読み解く場合、個々のモニタリング結果からセンターの現状や本質的な課題を読み解く視点が必要となる。

しかしながら、実際には、マネジャーがモニタリング結果から運営上のヒントを得ることは容易ではない。なぜなら、モニタリングシートは基本的にスキルチェックを目的に作成されており、モチベーションなどスキル項目として定義されない内容や、一つ一つのスキル項目ではなくコール全体から把握されるべき内容については、シート上に結果として現れにくいからである。

さらに、1コール(サンプル)を対象としているため、個別の事情によらない傾向をつかむためには一定数以上のモニタリングが不可欠となる。だが、モニタリングシートを用いてチェックする場合、5分程度のコールで20~30分程度かかる上、内容の分析が必要となると、稼動の確保が難しいだろう。加えて、他のスタッフと異なり、正社員が担当することも多いマネジャーの場合、コールセンター運営に関する知識を持ち合わせていない場合もあり、モニタリング結果を正確に読み取り、センター運営に活かすことは簡単ではないことを認識しよう。

運営課題が見えるコールチェックシート」とは

「実際にコールを聞くことは大切だと認識しているが、モニタリングから直接マネジメントに活かし、知見を得られるしくみないか」―そうしたマネジャーの要望を受けて開発されたのが、「コールチェックシート(マネジメント向け)」である。

「コールチェックシート」の目的としては、(1)チェックの結果からセンター全体の傾向を大まかに俯瞰して把握する、(2)一定数以上のコールを迅速にチェックする、(3)センター全体のコール傾向の背後にある運営上の課題を明らかにする、(4)モニタリング結果に表れにくいスキル以外の課題を把握する、の4点が挙げられる。マネジメント視点でのコールチェック→結果の記録→分析のプロセスを文字通り1枚で実現するのが「コールチェックシート」である。

「コールチェックシート」は、マネジャーの役割・視点にフォーカスしたモニタリングチェックシートの変形版なので、当然ながら、センターが目指す「理想のコール」のスキル要素の集合体である「モニタリングシート」と連動したものになる。「コールチェックシート」は、次の手順で作成することが望ましい。

(1)「理想のコール」の方向性を確認する

(2)モニタリングシートの項目をいくつかにグルーピングする

(3)(2)のグループと、センター運営上に必要な要素をひも付けて整理する
※項目とセンター運営上の要素は別紙にて管理

(4)チェック欄と「コールから気づいたこと」の欄を設け、記入しやすいレイアウトに整える 

(5)いくつかのコールをチェックし、テストする

(1)は、モニタリングチェックシートを策定する段階で既に検討・共有されているはずであるが、オペレーションを実施する中で関係者の目的意識が微妙にずれてしまう場合も多いため、もう一度確認する。「コールチェックシート」は、その後のセンター運営方針に影響を与えるため、非常に大切だ。

(2)では、チェック項目を絞るため、似たようなグループに属すると考えられる項目をまとめてゆく。例えば、挨拶や言葉の使い方などのマナー、あいづちや傾聴などの「聞く」スキルを「コミュニケーションレベル」としてまとめる、など。モニタリングシートが個別のスキルチェックを目的としていたのに対し、「コールチェックシート」は全体の傾向を見定めるのが大切なので、細かいことにとらわれ過ぎないことが大切だ。

ただし、センターとして特に注意したい点については、項目を独立させ、埋もれないようにする。ブランドを重視する企業(商品)の場合は、「当社としてふさわしい対応」というような項目が、獲得を最重要課題と位置づける場合は、「目的達成への行動」という項目がそれぞれ立てられると思われる。

「コールチェックシート」作成にあたって、最も難しいのが(3)だろう。簡単に説明すると、たとえば、アウトバウンドで「会話の流れとお客様の反応」という項目を設けたとしよう。その項目のNOの部分に、「お客さまのご家族に『ご用件は?』と聞かれた場合、回答がわかりづらく悪印象」と複数の記録があった。その場合は、原因が記されている項目にあるスクリプトを見直すことが必要だとの解決策が導かれるのだ。

コールセンター運営に欠かせない要素の洗い出しや、チェック項目との適切な関連付けは簡単な作業ではないが、コールセンターの運営に影響を与える基本的な要素については後述するので、内容を理解した上で、是非参考にしてもらいたい。もし、どうしても難しい場合には、第三者のサポートを受けることも1つの方法である。

(4)では、1枚で複数のコールをチェックできるよう、レイアウトを整理する。各チェック項目について、できているコールとできていないコールをカウントできるようなフォーマットにすると良い。グルーピングした項目を見やすい形に整えたら、コールを聞いて気づいたこと(実際にコールの中でお客様が言った言葉や、気になる傾向など)を書き留められるスペースなどを確保しておくことが大切だ。

さらに(5)では、モニタリング評価項目をベースとするチェック項目からは直接得られない内容がここに蓄積される。これは、マネジャーがより俯瞰した視点でコールの傾向をつかむためには欠かせない。なお、作成後、実際にチェックしてみて、使い勝手や項目の内容などを見直すプロセスも忘れてはならない。


数字を上げる!コールセンターのモニタリングその1
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数字を上げる!コールセンターのモニタリングその17


コールセンター・コンサルタント 石橋由佳/古館良子

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[新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその16] 2008年8月20日

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