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もうPVだけでは評価できない!?

月刊コンピュータテレフォニー8月号より

マーケティング最前線:連載第68回 2008年8月20日

PVだけでは評価できない!?


訪問者がどのページを閲覧したか、どんな順序で見てくれたか。そうしたWebサイト上のログを解析するツールがベンダー各社から販売されている。このツールは自社サイトの閲覧状況を判断するもので、今まではページビュー(以下、PV)数でその接触状況が推し量られてきた。

しかし、販売しているベンダーによりログ解析の定義が異なり、数字がツールによって違うことがある。先日、ログ解析に詳しい専門家の方に聞いた話であるが、PV数が多くなるツールを好んで選ぶ企業があるそうである。

これは、企業のサイト担当者や管理者がこのPV数の多寡で評価されているためで、ツールを替えることで自身の勤務評価が下がってしまうことが怖いらしい。受注や引き合い、利益や売り上げなどのデータではなく、どれだけ多くページを見てもらったかで人事考課されるのも、実につらい話である。

だが、その大事なPVも、動画をはじめストリーミングなどのコンテンツの増加で、数ではなくサイト上の滞在時間で評価されるようになってきた。ネットレイティングス社によれば、日本国内の2008年4月時点でのWeb総利用時間は約9億2900万時間で、前年同月に比べて18%増加し、総PV数は前年同月比3%減の804億PV、という。

以前から言われていた「利用時間」の数値が伸びており、PV数だけでは評価や判断ができない状況が現実になってきたようだ。しかも、同社の調べで2001年から年々アップしてきた総PV数が、今年初めて減少したことからも、1PVあたりの平均滞在時間が長くなっている大きな変化を感じとることができる。

総PV数が多くなるようにと、クリック数をわざと増やすようなサイトづくりがなされたこともあったが、今や、極力少ないクリックでネット利用者が求めるコンテンツへと素早く誘導することが重要となっている。たどり着くまでの道のりが長いと、滞在時間が短くなってしまうことを認識しなければならない。

目的のページに早く到着してもらって、じっくりコンテンツを見てもらうことがますます必要となろう。現在の大手企業や中堅企業のサイトは、カンパニーサイトと事業部・商品サイトが無秩序に増殖しており、新たなサイトを築いては、カンパニーサイトの空いたところにサイト内バナーを貼ってリンクさせているだけのところも多い。これでは、"サイトリストラ"を待っている状況に等しい。

活発な事業部や担当者は、"触れることができない"カンパニーサイトとは別に、異なるドメインで新たなサイトを次々に築いてきた。そうした状況を知らないネット利用者は、現状の企業サイト群を行ったり来たりして無駄なクリックで疲れてしまう。

さらには、本当に見て欲しいコンテンツに行き着かぬまま離脱している。当然ながら、これではPV数が増えても1PVあたりの平均滞在時間は極めて短いのである。「PV数は多いのだが、それが売り上げにつながらない」という企業が、往々にしてこうした状況となっている。

今後、企業のサイト担当者が訪問するネット利用者の滞在時間で勤務評価されるかどうかは定かではないが、もともとPV数が多い大手企業や中堅企業のサイトは、自社サイト群をリストラするだけで、実績数値が大きく変わることも多々あるということを最後に付け加えておきたい。

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[もうPVだけでは評価できない!?] 2008年8月20日

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