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新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその13

月刊コンピュータテレフォニー7月号 2008年6月20日
連載 実践編収益を上げるモニタリングより

収益を上げるモニタリング:第5回

『評価基準』は普遍ではない!
成果の出ないモニタリングの原因を探る

コールとキャリアラダーの連動

評価基準が整理されると、2つのコールの相対的な難易度の違いが明らかになった。もともとコミュニケータの間には、「シンプルな獲得コールの方がコンサルティングコールよりもやりやすい」という漠然とした感覚はあったが、評価基準の策定によりどちらに何のスキルが必要であり、どれだけ難易度が高いかが目に見える形になった。

たとえば、カードの申し込み獲得コールでは、基本的なスキルに加えて、商品をわかりやすく説明し、申し込みを促進するセールススキルが必要とされるが、コンサルティングコールでは、顧客のニーズを聞き出し、お勧めのプランを瞬時に検討してから、セールスに入る。

また、カード申し込み獲得コールでは必要とされるのは商品関連の情報が中心であるのに対し、コンサルティングコールでは、どのような方向に会話が発展しても対応できるよう、関連する分野についての幅広い情報が不可欠だ。さらに、顧客の取引履歴や好みから最適なカスタマイズパターンを判断する能力も必要となる。

このように2つのコールの違いが明らかになったため、A社ではそれぞれのコールに対応するのに必要な要素を整理し、それをコミュニケータのキャリアパスに連動させていった。まず、デビューしたてあるいは初めてアウトバウンドコールを担当するコミュニケータはカード申し込み獲得コールから開始する。

業務経験を積み、成績とモニタリング評価基準において一定のレベルを安定的にクリアした時点で、このチームにおけるシニアコミュニケータとなる。さらに、一定の成績をおさめるのと同時に必要な知識などの研修やテストに合格すると、コンサルティングコールチームへ昇格する。

その後はコンサルティングコールのモニタリング評価基準で評価を受けるが、ここでもある程度以上の成績をあげるようになると、コンサルティングチームのシニアになるという仕組みだ。

同センターでは、将来的にさらに別のコールにも対応する予定があるため、今後はそれらも含めた総合的なキャリアラダーも検討中だ。また、シニアコミュニケータからSV(スーパーバイザー)への登用も計画している。


設計時の予想を超えた評価基準の違い


2種類のコールは目的・内容が大きく異なるため、評価基準が異なることはあらかじめ想定されていたが、電話のおける基本のコミュニケーションスキルに関しては共通でよいと考えられていた。だが実際には、一見すると共通すると見られる基本的な部分にも大きな違いが見られた。

その代表的なものが「声」だ。通常、同一の会社が実施するコールであれば、同じトーン&マナーが求められると考える向きも多かった。ところが、A社のケース(その12)では、メンバーシップカードの申し込み獲得コールでは「明るく、はきはきとした声」が評価され、実際にそのようなコミュニケータが好成績をあげていたにもかかわらず、同じトーンの声でコンサルティングコールを実施するとまったく成績がふるわない事実が明らかになった。

これは、先に述べたキャリアアップシステムで、カード申し込み獲得コールから昇格したコミュニケータがコンサルティングコールで予想外の苦戦を強いられ、その原因を分析した結果判明した。

このコミュニケータの場合、知識研修やテストの結果も優秀で、セールススキルにも問題がない。そのため、会話の流れに慣れることが必要ではないかと、ロープレを中心としたトレーニングを繰り返したが思ったように成果があがらないため、モニタリング調査を実施したのだ。すると、電話の冒頭で断られるケースが多いことが判明した。

このことは、会話自体のスキルが問題ではないことを示しており、内容が複雑なカスタマイズ商品の場合、顧客が声の調子で相手の信頼性を判断して会話の継続の可否を判断していると推測された。そこで、他コミュニケータの声のトーンを調べたところ、必ずしもきれいな声とは言えないが、営業担当があたかもオフィスの席から電話をしているようなイメージの落ち着いた声が多かった。

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[新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその13] 2008年6月23日

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