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月刊コンピュータテレフォニー6月号 2008年5月20日
連載 実践編収益を上げるモニタリングより
収益を上げるモニタリング:第4回
教育不足が招く"自信のない評価"
品質管理者のスキル育成手法
モニタリング・フィードバック研修のメリット
モニタリング・フィードバック研修の目的は、第一義的にはモニタリングスキルを持った人材の育成であるが、それによってもたらされる効果は広範囲に及ぶ。まず、一点目として、自社内に品質管理担当者を確保することで、自立的な品質管理が可能になり、モニタリングのタイミングや頻度、実施規模などを自由にコントロールすることができるようになる。
定期的なレギュラーモニタリングの他に、オペレーションの状況に応じた臨機応変にチェックすることも可能になるため、センターの状況に合わせてモニタリングを実施することができる。次に、担当者が品質管理に関する高い意識とスキルを習得することで、モニタリングチェックなどの定期的な活動のみならず、日常業務の中でも積極的に品質管理がなされると期待できる。
たとえば、単にチェックをするだけでなく、現場でコミュニケーターの実際のトークを聞きつつ、声かけをおこなったりするというように。こうした活動により、コミュニケーター自身の意識も自然と高まり、あるべきコール実現に向けて各自が努力する理想的なサイクルを作り出し、その結果、現場も含めたセンター全体が品質に関して高い意識を共有する。
最後に、自社内のマンパワーの有効活用により、品質管理コストの抑制につながる場合がある。ただし、品質管理担当者を新規に設置する場合や、SVの職責に品質管理を加えることでSVの補充をしなければならない場合などは新たな人件費が発生する可能性があり、新しい人材の補充によってセーブできるコスト(外注コストなど)や現在の人員と職務内容を慎重に勘案し、なるべくムダのない形にすることが肝要だ。
ここまで、品質管理担当者の育成という視点で論じてきた。しかしながら、実際には、モニタリングは専門の担当者でなくても、現場の管理者(SV)レベルには身に付けておきたいスキルだ。なぜならば、モニタリングはコールの品質の判断基準であり、日々のオペレーション現場でも、同一の基準によりコミュニケーターを指導すべきであるからだ。
事例:損害保険会社A社の場合
ここで、過去に実施した「モニタリング・フィードバック」研修のケースを紹介する。A社のコールセンターでは、既契約向けのアウトバウンドを実施していた。センターは立ち上げから一定期間が経過しており、モニタリングの重要性は認識しつつも、本格導入には至っていない状況であった。
また、SVが全員社員であり、社内の他の部署からジョブローテーションとして配属されるため、着任前はコールセンター業務の経験が全くない状態であった。そのため、社内でモニタリングシートを作成はしているが、目指すべき「理想のコール」との整合性や現場の問題点やスキルレベルとのマッチングはあまり考慮されていなかった。そこで、最重要課題と考えていたスーパーバイザーの教育の一環として「モニタリング・フィードバック研修」を実施した。
モニタリングスキルの習得からモニタリングシートの改訂へ
教育にフォーカスしたため、研修は既存のモニタリングシートをベースとして実施した。全員が社員ということもあって、品質改善への意欲は高く、現場の状況に即した活発な意見交換も交えながら研修は進み、モニタリングの意義や実施方法などに関する理解も早かった。
ところが、「コミュニケーターに評価基準を理解させる」というプロセスに差しかかると、現在のシート上でうまく説明できない項目がいくつか発見された。具体的には、評価基準(何をYesとし、何をNoとするのか)が明確でない項目があったり、一つの項目に複数のチェック内容が含まれているという具合である。
また、表現は異なるものの、同じ内容を複数の項目で記述していることも明らかになった。こうした事態は、実は珍しいものではない。とりわけ、カリブレーションを実施していない場合、個人の解釈に任されてしまい、こうした課題が表面化しないケースがほとんどだ。研修の結果、A社ではこうした項目の整理・修正に取り組むことを決定した。また、カリブレーションを通してこれまで微妙にズレのあった評価基準を修正することで、評価の標準化への足がかりをつかんだ。
さらに、フィードバックのロールプレイングをする中で、現状のスクリプトが必ずしも適切でないことが明らかになった。これは、スクリプトがコール内容(何を話すか)を想定し準備するものの、モニタリングは話し方(どう話すか)を模索するというチェック機能があり、両者の合わせ技が大きなポイントとなったのである。モニタリング評価基準の策定にあたっては、「理想のコール」の明確化が不可欠であり、当然ながらコールの内容もそれに基づくべきである。
つまり、「理想のコール」のイメージが明らかになったために、スクリプトの修正点が浮かび上がった格好だ。これも同社の重要な課題とされた。
A社では、今後、モニタリング評価基準やスクリプトを整備しつつ、学習したモニタリング・フィードバックスキルを活かし、コミュニケーターのスキルアップを目指すという方向性が明確化した。現在も社員SVの指導のもと、コールの品質改善へ日々邁進している。
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその1>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその2>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその4>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその5>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその6>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその7>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその8>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその9>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその10>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその11>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその12>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその13>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその14>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその15>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその16>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその17>
コールセンター・コンサルタント 石橋由佳/古館良子
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[新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその11] 2008年5月27日
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