月刊コンピュータテレフォニー6月号より
マーケティング最前線:連載第65回 2008年5月20日
メタボ対策とあまーい誘惑
男性のウェストは85cm以上、女性は90cm以上が要注意。これはご存知、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準である。もちろん、その他にも血清脂質異常、血圧高値、高血糖など数値もあり、自分の数値と比べると、基準値があまりにも高いとして、気が遠くなる人も多いのではないだろうか。
男性の2人に1人、女性の5人に1人がこのメタボと言われており、今年4月からは健康保険組合や国民健康保険などに対して、40歳以上の加入者を対象にメタボ対応の健康診査や保健指導の実施が義務付けられたようだ。
筆者もこの基準値に近づけるべく努力している最中である。最初、85cm以上のウェストというのは相当厳しすぎる数値と思っていたが、実際にこの基準値を下回ると、体が軽くなり、いろいろ調子が悪かったところが治ってくるから不思議である。
さまざまなメディアを通じてメタボのことが情報として流されると、不摂生な毎日の生活習慣を無視するわけにはいかず、自らメタボ対策をたてて実行するようになった。周りからも"燃やせ、燃やせ"と言われる。燃焼も大切だが、必要以上の高カロリーな食品の摂取が良くないらしい。
しかしながら、最近、どうもおかしいと感じることがある。それは、各種メディアにおいて、スウィーツや「デカ盛り」ブームのせいか、グルメ系の番組やコンテンツの露出量がとても多く、メタボ解消への意欲をもろくも崩す甘い誘惑が、知らず知らずのうちに忍び寄ることである。
"頼むからそんな惑わす番組はやめてほしい"とさえ思う。メタボ対策の市場はダイエット商品などのメタボ関連グッズが売れているようで、歩くだけで腹を引き締める男性用下着、エアロバイクなどのダイエット器具、体脂肪計、あるいは各種スポーツクラブも売れ行きが好調のようだ。
一方、"甘い誘惑"、メタボの敵はどうかというと、テレビなどのグルメ番組においては新たなスウィーツやグルメランキング番組がやたらと目立ち、ついついしっかり見てしまう。とくに、メタボ対象者で、かつネットワーカーであれば、もっと誘惑が多くなることは確かだ。各種ポータルサイトやコミュニティサイトの"おいしそうな"画像が目に入ってくることもかなりの刺激である。
最近では「食べログ.com」が店舗向け情報発信サービスをスタートし、ニフティは「@nifty厳選レストラン」として、専門家がお薦めする店を紹介している。実に魅力的な写真が多い。当然これだけではなく、グルメ系のCGMなどはデジカメの性能や解像度が良くなったせいか、"おいしそうな"画像がやたら多すぎるのである。
それらのサイトを閲覧していると、一瞬、お店をチェック!と思いつつも、自分を抑えるもう1人の自分(メタボ対策を実施する堅い意思)がいて、最近はどうにか事なきを得ているものの、一触即発状態であることも事実だ。
周りの人からは、"そんなら、グルメ番組やグルメサイトは見なければいいのにー"と冷ややかに言われるが、やっぱり好奇心が何故か勝ってしまうのはどうしようもないのである。とは言え、これが誘惑というものだと、どうも偉そうに解説してしまうのも、これまた良くないと思っている。
とにかく、スポーツ燃焼系番組を見て、何とかグルメ系番組やグルメ系サイトを遠ざけることが、筆者のメタボ対策の強力な実施案だと、真剣に考えている。40歳以下の若い人には、このような悩みはわからないと思うが、きっと40歳以上の方なら、今回のコラムは理解して頂けると思う次第である。
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[メタボ対策とあまーい!誘惑] 2008年5月20日
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