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月刊コンピュータテレフォニー4月号 2008年3月20日
連載 実践編収益を上げるモニタリング
収益を上げるモニタリング:第2回
スクリプト・モニタリング・トレーニング
"拒否されない"アウトバウンドの要点
コール設計に必要な3要素
コール設計とは、「何を」「どう」話すかをデザインするということだ。そのために必要な3つの要素が、スクリプト、モニタリング、トレーニングである。以下では、各々の設計方法やポイントを解説する。
1.スクリプトの設計
コール設計は、コールの「内容」と「話し方」をデザインするものだが、このうち内容について規定するのがスクリプトだ。スクリプトは、コミュニケータ(オペレータ)が顧客と話をする際の台本であり、その主要な役割は、会話の流れをリードし、会話の質を一定レベルに保つことにある。従って、コールが目的を達成できるか否かはスクリプトの出来いかんによって決定すると言っても過言ではない。
コールセンターで用いられるスクリプトには、大きく分けると2種類あり、文言までを細かく決める「セリフ型」と会話の流れとそれに対応したトークの目安を供給する「ガイドライン型」がある。前者は今まで広く用いられてきた従来タイプで、
(1)応対内容の統一化が可能、(2)コミュニケータのスキルによらず一定レベルの応対品質が確保される、(3)教育プロセスが比較的シンプル、(4)通話時間のバラつきが少ないといった利点があり、現在でも多くのセンターで採用されている。
一方で、最近では、商品の販売形態が複雑である、あるいは取り扱う商品のバリエーションが多いという理由で、「セリフ型スクリプト」が適さない業務もある。とくに、顧客の反応によって臨機応変に受け答えが要求される高度なコールにおいては、一言一句に至るまでスクリプトに管理される「セリフ型」では対応しきれないため、「ガイドライン型スクリプト」を使用するケースも増えている。
これは、具体的な説明の範囲や内容をある程度コミュニケータの裁量に任せ、自由に会話を組み立てられるようにするという方法だ。金融や通信に代表されるような、相手の要望やこれまでの取引履歴に応じて商品を提案するコールなどが適している。
ただし、「ガイドライン型」を用いる場合、スクリプトに頼らずに会話を組み立て、リードする能力が必要であり、スキルの低いコミュニケータが多いセンターでは安易に活用すべきではない。
2.モニタリングの設計
スクリプトで規定された内容を「どう話すか」をハンドリングするのがモニタリングだ。どんなにすぐれたスクリプトでも、話し方によっては、本来の持つ効力を発揮することは難しい。思ったような成果があげられないセンターの中には、スクリプトを供給するだけでモニタリングによる指導が実施されていない場合も多く、同じことを話していても、その声色や伝え方、雰囲気によって同一のトークとは感じられないコールがあちこちに見受けられるといった状況になっていることすらある。
モニタリング評価項目が、「コミュニケーションスキル」「マインド」「知識」の3軸に基づき、コール内容や目的に沿って検討されることは前回述べたが、アウトバウンドのモニタリングの場合、基本的には目的(数字の)達成という視点が特に重要視される。このため、前述したアウトバウンドの特性や成功のためのポイントを加味することが肝要であり、会話の大まかな流れに沿って項目を設定するとよい。
アウトバウンドにおける会話の流れのフレームを整理すると、①会話継続の合意形成をする(開始後約20秒までの間)→②商品(サービス)メリットへの共感を得る→③購入やアポイント獲得の意思決定を促進する――となる。そして、各段階での評価基準の設定例としては、図2のような要素が挙げられる。
これらは、内容自体はどれもスタンダードなものだ。実際の項目設定に際しては、より具体的かつ詳細に規定する。例えば、(1)の名乗りでは、最短の時間で顧客の心理的バリアを解く名乗り方を規定し、(2)の声質ではあくまでそのコールにふさわしい声質を決める。
声質は、従来マナー寄りの項目と見なされがちであったが、言葉の意味よりも先に相手の抱く印象を決め、気持ちを左右するという意味で非常に重要な役割を負うものだ。(3)のコール目的の理解では、自分にメリットがあると感じさせられるかを確認し、(4)の商品説明は具体的な文言だけでなく自社商品がどれほどよいかを気持ちをこめて伝えるかといった総合的な面から判断するのがポイントとなる。
「意思決定の促進」は、アウトバウンドでも難しい部分のひとつであり、(5)のニーズの引き出しを苦手とするコミュニケータも多く、具体的な指針を示す必要がある。
例えば、顧客の話した内容をコミュニケータが傾聴の姿勢で顧客の話を聞き、その後話の内容を要約して確認するなどの業務フローを設定しておくことが重要だ。
さらに、(6)の適切なお勧めでは、どの程度お勧めするのか、センターの方針を明確にしなければならない。何を勧めるのか、あまり乗り気でない顧客や一度断った相手に対してどのようなアプローチで勧めるのか、「とりあえず」試すような商品はあるのか――などについてあらかじめ定義する必要がある。"獲得"に対するセンターの姿勢が、最も顕著に現れる箇所だと言える。
なお、アウトバウンドの場合、モニタリングはスキルアップを支援するだけでなく、モチベーションを保つという重要な役割をも負う。アウトバウンドは顧客の拒否感が強く、心理的な負担(ストレス)も大きいため、積極的にコミュニケータを支援する必要がある。
ほったらかしは最もモチベーションを低下させる要因で、最悪の場合は離職へとつながりかねない。適切なモニタリングとフィードバックの実施を通して、「(マネジメント側が)業務をきちんと見ている」という姿勢を態度で示し、スキルアップという目標を与え励ますことが効果的だ。
離職による人材流動が運営コストを圧迫しているという事実からもモニタリングの重要性は再確認されるべきであろう。
今回、コール設計に必要な3要素のうち、スクリプト、モニタリングについて述べさせて頂いた。次回は、教育・研修等トレーニングについての設計方法やポイントを解説する。ご期待ください。
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその1>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその2>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその4>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその5>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその6>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその7>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその8>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその9>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその10>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその11>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその12>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその13>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその14>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその15>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその16>
<数字を上げる!コールセンターのモニタリングその17>
コールセンター・コンサルタント 石橋由佳/古館良子
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[新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその5] 2008年3月28日
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