HOME » コールセンター » コールセンターブログ » 新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3

新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3

ct200803.jpg月刊コンピュータテレフォニー3月号 2008年2月20日
収益を上げるモニタリング:第1回

運用時の5大注意事項

テストモニタリングが終了したら、いよいよ実際のコールモニタリングをスタートする。ただし、せっかくの評価基準も正しい運用なしには十分な効力を発揮しない。以降では、最大限の効果を引き出すための5の注意事項について説明する。

1.定期的・継続的に実施する

クレーム発生や大量退職、新人採用時など、クリティカルなタイミングでの散発的なモニタリング実施は、その時点での状態を把握するという意味において非常に有効だ。ところが、理想のコール実現という目的を達成するには、長い時間をかけて課題を一つ一つ解決していかなければならない。

このため、定期的かつ継続的なモニタリングが欠かせない。一定のインターバルでモニタリングを実施し、課題の発見→修正→チェックというサイクルを繰り返すことで、コールセンター全体のレベルアップを目指す。

なお、こうした努力の結果、理想とするレベルが達成できた場合でも、モニタリングは中止してはいけない。コールセンターのオペレーションは、「生き物」だ。人員の入れ替えやコール内容の変更などの影響を受けやすい性質を持っている。したがって、どのような状態にあっても、最低3カ月程度に1度を目安としてモニタリングを行い、良い状態にある場合はレベル維持を、課題がある場合は解決に努めることが望ましい。

2.コミュニケータに事前告知する

モニタリングの目的は、コミュニケータの「あら探し」ではなく、理想のコールを実現することにある。したがって、評価を受ける側であるコミュニケータがマネジメント側の意図と評価項目の内容を十分に理解しなければならない。

モニタリングは実施する前に、その目的やセンターが(マネジメント側が)目指す理想のコールイメージ、理想のコール実践のために必要なスキルなどを説明することが不可欠だ。これらが理解されていれば、モニタリングは現場に抵抗なく受け入れられるだけでなく、スキルアップのための貴重な機会としてモチベーションアップにもつながる。

ただし、冒頭にも触れたが、評価基準がコールセンターのミッションと矛盾していると、コミュニケータの混乱を招き、レベルダウンやモチベーションの低下につながりやすいため、注意しなければならない。

moni11.jpg3.計画的に実施する

モニタリングは、ただコールを聞くだけでなく、評価結果をコミュニケータにフィードバックしてこそ効果が得られるため、プロセス全体を通じた担当者への負荷は小さくない。そのため、現場管理の片手間に実施するという体制では、日々の業務に追われてどうしても後回しになってしまうことがある。実際、多くのコールセンターで定期的にモニタリングが実施されない理由はここにある。

定期的なモニタリング実施のためには、必要な稼働を算出した上で、既定の業務として担当者の職責と業務スケジュールに組み込むことが不可欠だ。さらに、負荷分散のためには、複数の担当者育成も重要だ。以下にモニタリングに必要な時間の計算方法の例を挙げるので、参考にして頂きたい。

<コミュニケータ1人あたりにかかる時間>※5分程度のコールが前提
1.コールモニタリング:約30分/1コールあたり×2サンプル
2.フィードバック準備:約30分
3.フィードバック:約30分

1人あたりざっと2時間というのが目安だが、この他にサンプルコールの抽出にかかる時間なども考慮して総稼働時間を算出し、実施計画を立案する。品質評価専任の担当者がいない場合が、1人あたりの評価に2時間かけるというのはかなり負担が大きいのが事実だ。

マンパワー不足で適切なタイミングでの実施が難しい場合は、担当者の負荷軽減を検討することが欠かせない。モニタリング業務のアウトソーサーなど第三者の活用も視野に入れて検討すべきであろう。

さらに、コミュニケータが自分自身のコールを評価する「セルフモニタリング」も効果が高い。評価基準を理解しているうえ、彼らの多くは自身のスキルレベルを確認したいという欲求を持っている。自ら課題を認識するという意味では、スキルアップの近道と言えよう(ただし、結果は人事評価に組み入れるべきではない)。

4.個人評価とセンター全体評価を区別する

 モニタリングは、個々人のパフォーマンス評価だが、全員の結果を俯瞰的に見ることで、センター全体の傾向や課題を把握することができる。そのため、モニタリング実施に際しては、個人評価とセンター全体評価という二つの視点を持つ必要がある。

個人を評価する場合には、1人につき複数のサンプルを収集し、顧客との相性やコール内容に左右されることなく真の実力を公平に評価しなければならない。評価はそのコミュニケータの問題点や前回と比較した成長度など、個人のスキルにフォーカスする。当然、個々へのフィードバックは必須だ。

センター全体を評価する場合は、コミュニケータ全員について複数のサンプルを取って調査する必要はなく、全体の数字や傾向を読むのに十分なサンプルを集めてモニタリングする。評価の視点としては、顧客のニーズはどこにあるのか、スクリプトなどに不具合はないか、不足しているスキルや知識はないか、コミュニケータのモチベーションはどうか――などだ。このような視点で見ると、センター全体の課題が見えてくる。その課題に対して、迅速に解決のための施策を講じる必要がある。

5.常に顧客視点を保つ

実際のコールを聞くことで、顧客がその企業に何を求めているか(コールに対する期待値)を意識することも大切だ。顧客の期待値は、コール内容や商品内容、企業ブランドによりさまざまで、例えば、高額商品を取り扱う企業やブランドイメージの高いコールセンターでは全ての分野で高いレベルの対応を求められるのに対し、廉価商品や知名度の低いコールセンターでは、それに応じたレベルの要求に留まる。

いずれにしろ、顧客が期待する水準を下回ると満足度は急激に低下するため、常に顧客視点を持つことが不可欠だ。


数字を上げる!コールセンターのモニタリングその1
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその2
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその4
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその5
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその6
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその7
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその8
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその9
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその10
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその11
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその12
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその13
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその14
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその15
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその16
数字を上げる!コールセンターのモニタリングその17


コールセンター・コンサルタント 石橋由佳/古館良子


このエントリーを含むはてなブックマーク  はてなブックマークに追加この記事をクリップ!  livedoor クリップに追加Buzzurlにブックマーク Buzzurlに追加

[新連載 数字を上げる!コールセンターのモニタリングその3] 2008年2月26日

お問い合わせ コールセンター情報サイト コールセンター診断パッケージ『電診(DENSIN)』 コールセンターモニタリングサービス「KiKiDen」 コールセンターアウトバウンド研修ソフト「ミラクルコール」

市場通信の書籍

書籍「Web2.0 実践ネットマーケティング」

書籍「図解 数字が上がるコールセンターのつくり方」

サービスメニュー

関連ブログ記事