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マーケティング最前線:第58回 2007年10月20日
自然度が高いネット口コミとは
ブログの増加で、ネットが一気に利用者参加型へと向かうようになった。ブロガーが書き込むさまざまな内容は、ネット上の口コミとしてマスコミも大きくクローズアップしている。ネット口コミが各種メーカーの商品の売れ行きに関わり、かつブロガーの書き込みいかんで販売実績に大きく影響するようになり、ブロガーを集めて広告事業を運営する会社も増えてきた。
ブロガーに商品について書いてもらったり、ブロガーを招待して新商品の試食や試飲をさせたりと、各々ブログで感触を書いてもらうプロモーションなどがブロガー広告に該当する。メーカーの商品サイトやキャンペーンサイトへの“誘導材料”として、あるいは大手検索サイトでの検索結果表示アップのためにブロガーの被リンク数は重宝されている。
時として、ブロガーが書く内容よりも、被リンク数が増える方が嬉しいと話す企業のマーケティング担当者も少なくない。もともと口コミは、自然発生的に自分の身近で発生するものと思っていたものが、ネットにおける巨大なコミュニティ上でこんなに広がりを見せるとは誰も予想していなかったと思われる。
自社商品名が書かれた内容が、ブログ特有のリンクやコメント、トラックバックしやすい環境によって期待以上の数を形成する。数の論理はネットも然りである。しかしながら、ブロガーを活用した意図的な口コミが果たして、今後も消費者に受け入れられるものなのかどうかが問題となる。
先日、あるネット口コミについての座談会で早稲田大学の亀井教授におもしろい話をお聞きした。亀井教授によれば、米国では1930年代に口コミを意図的に流す「ささやき業」なるものがあったという。人が多く集まるところで商品や企業の評判を人が口頭で流し、購買を促進するらしく、競合企業の悪口を流すこともあるということだった。
それらはビジネスとして成立していたが、この仕掛けを知った消費者からの反発を招いて、50年頃にはビジネス自体が消滅したようである。歴史は繰り返されるかどうか定かではないが、現代版のネットの「ささやき術」も同様に消費者の反発を受けることになるのだろうか。
ブロガーの自然な書き込みと、メディア化した意図的で誘導的な書き込みとの区別を消費者自身ができるようになり、過剰なものについては、前述のように消費者からの反発を受ける可能性は高く、逆に反発したブロガーに書き込まれることにもなろう。
ある企業ではブロガー広告を依頼後、大手検索サイトでの主要キーワードが上位表示されるようになり、ページビューが増えたが、依頼したブロガーの書く内容が良好でないものがあったり、意図的な感じを見抜かれる危険性を感じたりしたため、結局、継続的な活用は避けたという。
とくに、大手企業においては、ネットの書き込みによって企業イメージやブランドイメージが一夜にして崩落する危機感もあることから、いかに、自然度の高い口コミが形成されるようにするかが課題だとしている。だが、ブロガー広告を使う企業の担当者はメディアとしての費用対効果も問われるため、きっと日夜薄氷を踏む思いで見守っているのであろう。
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[自然度が高いネット口コミとは] 2007年10月22日
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