マーケティング最前線:第57回 2007年9月20日
Web2・0時代の顧客の声とは
企業におけるCS(顧客満足)は、今更言わなくても誰でもわかっていることであろうと思われる。既に何らかのCS活動を実施している企業は、自社顧客の囲い込みや競合他社とのシェア争いに欠かせないものとなっているかもしれない。
このようなCS活動も、ネットの登場で大きく変わりつつある。とくに、Web2.0時代に入ってからは、社内の単なる軽いインナープロモーションでは済まされないような状況を呈している。コールセンターや各種カスタマーセンターの電話窓口では、昔から“顧客の声”の大切さ、その活用や反映方法について多くの人が語り、重要性も理解されてきている。
実際にそうした顧客の声を自社の事業や商品開発、販売、販促などに活かすこともなされてきた。その反面、1対1の電話での応対は、問い合わせや相談あるいはクレームなど、その時点の処理で何とか終了するだけで良いという意識も未だに強く、あまり重要視していない企業が依然少なくない状況だ。
電話応対の内容を“消えてしまう音声”として捉え、本人以外には伝わらないだろうとする考え方にも大きく起因しているのであろう。しかしながら、顧客応対の悪さ、顧客が納得できない電話のやりとりに対しては、想像以上の不満があるということが、無料のブログサービスやコミュニティサイトにおけるネット掲示板、SNSに書き込まれる内容でわかるようになってきた。
今まで1対1の電話における消費者の不満は、やり場のないまま自然消滅したかもしれないが、Web2.0時代の消費者パワーはここで黙ってはいない。簡単に書き込めるネット環境を手に入れた消費者からすれば、不満と刺激を受けた経験は格好の“カキコミネタ”と化すのである。
最近は、各カテゴリーに特化したブロガーが出現し、あまり長文の必要がない“つぶやき”という1行か2行でも、メーカーの『息の根を止めてしまう』強烈な書き込みも見受けられるようになってきた。“聞いて欲しい”“わかって欲しい”と不特定多数の共感者を求める風潮は、いわばブロガー特有の心理かもしれない。顧客からの1つの電話が、この匿名の複数to複数のコミュニケーションによって、良くも悪くも共感者を増やすこともある。
こうした傾向は今後も増えると思われる。「このような事態にならないためには、どうしたらいいのですか?」ということをよく聞かれるが、正解はただ1つしかない。1つひとつの顧客対応を消費者が納得するまで行うことしかないと思われる。
つまり、単にかけ声だけのCSではその盲点を見つけられ、あるいはスキマを突かれることになる。消費者はわざわざ意図的に、かつ悪意を持って書き込む人は少なく、自ら体験した不満のやり場をネットに求め、共感を得たいだけなのである。
あるレストランの若い店長はお客様が店内で不満を漏らすと、名刺を渡して「何かありましたら、私に電話やメールをしてください」と言うらしい。それは、自分も不満があるとネットに書き込むからで、不満やクレームは“書き込まれるのでは”という危機感が脳裏にあるようだ。
もはや、ブロガーは珍しい存在ではない状況がわかるであろう。Web2.0の影響はネットだけの問題だけではなく、企業におけるCSの方向性に大きく関与しており、本来あるべき自社のCSを見直して実践する時が来たのである。
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[Web2・0時代の「顧客の声」とは] 2007年9月21日
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