電話会社C社は、市外通話や国際電話などの中長距離通話やインターネットのプロバイダ事業などを中心としたサービスを提供する国内でも大手の通信会社です。北海道から九州まで全国に支店を持ち、個人と法人の両方を対象としたサービスを提供しています。
プロジェクトの対象となったのはC社の法人向けコンタクトセンターのうち、法人を対象とした問合せ受付や営業活動のサポートを担当するインバウンドセンターと、主として既顧客(すでに取引がある企業顧客)に対する定期的な営業活動を担うアウトバウンドセンターの2箇所でした。同社は日本全国でビジネス展開していたため、どちらのセンターも規模が大きく、社内にコールセンターを設置して、運営をアウトソーサー数社に委託する形式でした。
プロジェクトで目標としたのは、両センターの応対品質(コミュニケーション品質)の向上および実績(担当者の把握や、新規提案の機会の獲得)のアップです。同社の場合、アウトソーサーが運営責任を担っており、各社の展開が様々であるうえに、実績を挙げることに注力する傾向があったため、まずはコミュニケーションの内容と品質管理の基準を統一化することが不可欠であると考えました。
プロジェクトは2ステップに分けて実施しました。
まず、最初に着手したのは、コミュニケーションの内容を標準化することでした。特に、既顧客を対象とするアウトバウンドセンターが実施する営業コールは、インバウンドセンターの問合せ対応と比較すると、会話の内容が高度なため、コール担当者や取り扱う商品によって内容にばらつきがでているのが課題でした。
そこで、「どのターゲット層に」「どんな内容で」「いつ」「何を目的(ゴール)にして」電話をするかを規定すべく、アウトバウンドによるセールス活動を3段階に分けたコールフロー(それぞれのコールの流れと内容)を設計し、それぞれに応じた詳細なスクリプトを作成しました。同社は商品ラインナップが多岐にわたるため、スクリプトはどんな商品でも対応できるような形式にしました。
次のステップは、品質の安定的な維持・向上です。スクリプト作成など一連の業務を開始する以前に実施した予備調査(モニタリング調査)から明らかになったウイークポイントと、今後必要となるスキルを中心にモニタリングの評価基準を策定しました。ここでは、アウトソーサーごとに解釈や運用方法が分かれることのないよう、一定の時間を確保してコミュニケーターに評価基準の内容を説明し、理解を得るように努めました。その後、6ヶ月に渡ってモニタリングによる品質管理を継続しました。
その結果、アウトソーサーすべてのモニタリングスコアは、スタート時と比較してプロジェクト終了時には、大幅に改善されていました。つまり、コミュニケーションの内容の標準化、質の向上が達成され、コール全体がレベルアップしたと言えます。
従来、アウトバウンド業務はエンドユーザー向けのBtoCが中心で、BtoB分野での活用は難しいとされてきました。C社の事例では、BtoBでも営業体制の一環として、アウトバウンドは非常に有効であることを示しています。
ポイントは、コールフローとそれに対応するツールです。
営業マンが担っていた業務をすべてコールセンターで肩代わりするのは非常に難しく、無理が生じるので、コールセンターで対応できる範囲を明確に定義することが不可欠です。C社の例のように、セールスのアプローチが何段階かに分かれる場合もあるでしょう。また、レベルの高い会話のためには、営業マンのノウハウを活かしたスクリプトや知識を補充するFAQなどの整備も必須です。
さらに、コールセンターで大規模に展開する場合は、モニタリングなどによるクオリティーコントロールも欠かせません。センター長は、さしずめ一大営業部隊を抱える営業部長といったところです。
しかし、これらは特別なことではありません。「コールの基本設計」「スクリプトなどツールの整備」「モニタリング」の三つは、弊社が常々、実績を上げるためにまず必要であるとしている必須の要素です。B to Bであっても、実績を上げるポイントは変わらないのです。
プロジェクトの結果、営業コールが軌道に乗り、コールの品質も一定レベルを確保したC社。モニタリングの結果から、問題点も明らかになりました。6ヶ月間にわたる定期的なモニタリングの中で、全体的に品質改善の傾向にあるものの、途中改善のスピードが落ちたりする局面も見られました。そこで、継続的なモニタリングと、粘り強い改善指導が必要であることが再確認されました。
当社では、BtoCだけでなく、BtoBセンターのコンサルティングも実施しています。BtoBセンターにおいてもクライアントの実績向上を実現します。
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[コールセンター事例 : 大手電話会社C社様] 2007年6月15日
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