マーケティング最前線:第49回 2007年1月20日
待たせる!不満足対応
今まで時間がかかっていたことが、「早く」できる。人間は何かを待つ時間を“無駄な時間”とし、スローライフと言われながらも、いつしか「遅い」に古さを感じ、「早い」や「速い」に新しさを感じるようになった。一度そのスピード感を体験すると、それが当たり前となり、もう二度と遅い状態に戻れなくなる。消費者は早さ(速さ)を求め、企業も商品やサービスにおいては、その早さ(速さ)を開発方針の大きな目標としている。
とくに、家電やデジタル製品、ネット、携帯電話などは、それが進化を示す重要な尺度となっているからだ。マーケティング上のキーワードも、「すぐに」「瞬時に」「今から」などが、商品やサービスの競争において欠かせない要素だ。こうした商品・サービスのスピード化は日常生活にも大きな影響を与え、さまざまなところでそのスピードが求められるようになってきた。
J.D.パワーがこのほど「2006年米国自動車セールス満足度調査」結果を発表した。自動車セールスの総合的な満足度を、「販売店設備」「セールス担当者」「書類・ローン手続き」「納車プロセス」「車両価格」と5つのファクターに関する顧客の評価をもとに算出している。なかでも興味深いのは、販売プロセスにおける時間の長さが重要なポイントであると述べられていることだ。
あらゆるモノがスピード化された時代には“待たされる”時間は消費者にとってもはや我慢できなくなっているのかもしれない。例えば、通販においては、注文があると即時配送や翌日配送は当然となり、航空券のeチケット化で窓口に並んで待つこともなくなってきた。そのため、どこかで待たされることがあると、それは大きなクレームにもなる。
同調査結果によれば、顧客をただ座らせて待たせると満足度は低下し、販売店は顧客の時間を効率的に利用する必要があるとし、すぐに対応できない場合には、顧客がぼんやりと座っていることがないようにするらしい。そうすれば、待つことに対するマイナスイメージを緩和する効果があると書かれていた。顧客対応も素早い対応が求められ、各種の顧客満足度調査の結果でも、この待たされる不満足は大きなマイナスポイントとなっている。
電話によるカスタマーサポートセンターやヘルプデスクでのビジー状態、電話応対中における保留時間などは、それぞれ待たせないことが基本要素である。店舗での満足度調査結果では、一般的には来店客数が多く、対応する従業員数が少ない店舗では満足度が低く、逆の場合では満足度がアップする。その理由の大半は顧客が店舗で待っている時間が長いからである。消費者を待たせないアクションやオペレーションの必要性は、賢明な企業であれば十分わかっていることである。
しかし、こうした企業努力はコールセンターや店舗にとっては人件費など経費との戦いであり、利益確保の大きなポイントでもある。いかにお金をかけずに顧客を満足させるか。ここに顧客接点における改造マーケティングが必要となる。待たせないための工夫やアイデアを実践することが重要である。待たせる不満足をどのように解消するのか。企業にとっては実に悩ましい問題であろう。
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[待たせる!不満足対応] 2007年1月21日
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