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月刊コンピューターテレフォニー7月号:新連載
コンタクトセンター実践講座より
第2回2005年6月20日 失敗しないスクリプト術7
<“使いやすさ”を徹底追求した視覚的スクリプトの作成と活用方法>
(失敗しないスクリプト術6の続き)
<頻出する問い合わせにはFAQを用意 スクリプトを補うツールを活用>
通常、実際のオペレーションではスクリプトだけでなくスクリプトを補うツールが使われる。具体的には、「FAQ」や「コンサルティングツール」などのことだ。以下では、この2つのツールについて説明する。
【FAQ】
顧客からの質問に答えるためのツール。FAQをエージェントに配布することで、エージェントのキャリアなどによる回答レベルのバラつきがなくなり、統一的な回答が可能になる。作成にあたっては、まず頻出する質問の想定を行う。すでにオペレーションが走っている場合は、過去データから頻出する質問を抽出する。
具体的な作成手順は、Qを抽出→Qに対応するAを考案→書式を整理→加筆・修正―だ。FAQはスクリプトとともにエージェントが現場で使用するツールであるため、見ながら話せるようトークの形にしておく。
また、検索しやすいよう、質問内容をグループ化、または出現頻度の高い順に並べるなどエージェントにとって最も見やすい形にすることも重要だ。レイアウトも使いやすさに影響するため注意する。
対応するQとAの関係が一目でわかるようなフォーマットがいい。金融商品やネットワーク商品など、商品内容が難しい場合や関連知識が膨大な量になるオペレーションでは、想定される質問とその答えを全てFAQとしていることがあるが、これはあまり意味がなく、エージェントにとって使いづらい。
実際に、FAQが使われない原因はこのあたりにあることが多い。私自身の経験では、出現率が高いと思われる質問を集めてFAQを作っても、顧客からの質問のうち7~8割が2~3割の質問に集中するというのが実感だ。
ただし、最近ではFAQをデータベース化して管理しているセンターも多く、エージェントの使用頻度(=出現頻度)をカウントして自動的に表示順序に反映させるシステムを組むこともできる。
【コンサルティングツール】
これは聞き覚えのない読者も多いだろうが、獲得型コール特有の付加ツールの総称のことだ。獲得型コールの特色は、ニーズ意識の薄い顧客へ企業側からアプローチし、ニーズを引き出すことにある。このため、各顧客の状況に細かく対応することが要求される。ところが、スクリプトはトーク全体の流れをコントロールするものであり、一方FAQは顧客の質問に答えるためのものであるため、個別対応を補助するツールにはなりえない。
そこで、顧客の状態に対応して最も効果的なメリットをアピール、または最適な商品をレコメンドするコンサルティングツールの活用が必要になるのだ。ある企業では、商品に関する資料をそのまま配布してコンサルティングツールとしていたが、これはエージェントにとっては使いづらい。コンサルティングツールのうち、これまで効果が高かったのは以下のようなツールである。
Ⅰ.他社製品の概要および比較一覧:
自社製品の強みを整理したもの。他社製品が優れている場合はどのように話すかということも含む。単純に一覧化するのではなく、いかに自社の商品を良く「伝える」ことができるかという視点でまとめることが重要。
Ⅱ.ターゲット別の訴求ポイント/リコメンド:ターゲットプロフィール別(年齢別、地域別、性別など基本情報の他、購入履歴や商品に関する知識なども検討)に、最も効果的と考えられる商品の訴求ポイントやお勧め商品をまとめたもの。
Ⅲ.商品メリット一覧表:
「顧客から見て」魅力的なポイントだけを集めた商品メリット集。
Ⅳ.切り返しトーク集:
顧客からのネガティブな反応を想定し、拒絶理由別の応酬話法をまとめたもの。
例えば「値段が高い」→「他社製品より割安」、「面倒くさい」→「この電話やインターネットで手続き可能」など。獲得系アウトバウンドの場合、ネガティブな反応が多いので、用意した方がいいケースがほとんど。
<仕上げはレイアウトの整理テストコールで使いやすさを確認>
最後に、現場でエージェントを使用することを前提とし、見やすいスクリプトを目指してレイアウトを調整する。作成ポイントは以下の6点だ。
ポイント1
会話の流れが常に上下に流れ、左右へ振れたり下から上へ戻ったりしないように作成する。
ポイント2
分岐後のボックスはなるべく高さをそろえ、会話中、進行状況が一目でわかるように作成する。なお、ボックス内はわかりやすくまとめること。
ポイント3
物理的に使いやすい形にする。あまり大きなサイズや枚数が多いものはエージェントにとって使いづらいので避ける。
ポイント4
罫線や書体などに工夫し、ポイント部分や終了部分を明確にする。
ポイント5
会話終了部分は一番下にまとめ、いくつも作らない。
ポイント6
常用漢字以外の漢字や一般的でない英語のアルファベット表記など読みにくい表現は避け、句読点などを適切に使用する。
スクリプトが完成したら、最後にテストコールを行う。新しいスクリプトを使い始めるときにはなるべく行った方がよい。テストの具体的な方法は、センターのエージェント全員にスクリプトを配布し、一定数のリストにより限定的にコールを行うというものだ。
テストにより、作成時の意図と顧客のリアクションのギャップなどを適切に反映することができるため、スクリプト作成者はテストコールまでを担保し責任をもつべきだ。
今回は、スクリプトをはじめとした各ツールの作成手順について詳細に述べた。次回は、作成したスクリプトの効果を最大限引き出すための活用方法や現場への落とし込みについて説明する。
参考:
失敗しないスクリプト術1→コールの目的・目標を定める「オペレーション設計書」の作り方
失敗しないスクリプト術2→利益・成果アップを牽引する経営戦略に沿ったスクリプト
失敗しないスクリプト術3→コールの目的/目標を洗い出した設計書に基づくスクリプト作成
失敗しないスクリプト術4→設計書はコール実施後も有効スクリプト修正の主軸に
失敗しないスクリプト術5→“使いやすさ”を徹底追求した視覚的スクリプトの作成と活用方法
失敗しないスクリプト術6→会話の流れをボックス図で視覚化“見たまま話せる”話し言葉で表記
参考:
マーケティング視点のモニタリング1
マーケティング視点のモニタリング2
マーケティング視点のモニタリング3
マーケティング視点のモニタリング4
マーケティング視点のモニタリング5
マーケティング視点のモニタリング6
マーケティング視点のモニタリング7
マーケティング視点のモニタリング8
マーケティング視点のモニタリング9
マーケティング視点のモニタリング10
マーケティング視点のモニタリング11
マーケティング視点のモニタリング12

市場通信
マーケティングコンサルタント
モニタリング・アウトソーシング業務
(KiKiDen担当)石橋由佳
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[失敗しないスクリプト術7] 2005年6月24日
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