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潜在する元既存客層

2005620rica.jpgマーケティング最前線:第30回 2005年6月20日

月刊コンピューターテレフォニー7月号連載より

マーケティング現場でよく言われていることや、既に定説になっていることは実にたくさんあり、もはや常識となっていることもある。既存客がある商品の購入をやめて、他のブランドへスイッチする。マーケティングのプロジェクトの中で、このような離反防止のための実施プランニングは事実多い。離反しないようにさまざまな囲い込み策が実施されるものの、既に去ってしまった顧客は二度と帰ってこないと言われている。

また、どうして離反したのか、その理由は本人に直接聞かないと真意がわからないとされており、解約や退会をすると、必ずその理由を書くアンケートがあるのもそのためだ。さまざまな商品やサービスがあるが、購入をやめた理由をまとめるとそんなに多くあるわけではない。年齢による問題や引越しなど決定的な特殊事情が影響しているものもあるが、その多くは顧客が要望するベストの商品になっていない場合が少なくない。

品質、価格、サービスにおいてベストチョイスとなっていないか、他にもっとふさわしい商品やサービスが登場したからに他ならない。しかしながら、商品やサービス自体をリニューアルしたり、ブランドイメージや販売方法を変えたり、さまざまな施策や工夫次第ではまた戻ってくる顧客も存在する。こうした出戻りの可能性のある既存客を筆者は『潜在する元既存客』と呼んでいる。

これらの層は、時には休眠客としてスリーピング状態としての対応を図ることがある。今まで顧客であったために、どうもダイレクトに訴求をしがちで、もう一度パーミッションをとりながら、Eメールやダイレクトメール、あるいは電話などでOne to Oneのコミュニケーションを試みるのである。

それらは果たして効果があるのだろうか。もちろん、再購入者や長い眠りから目覚める既存客が戻るケースがある。企業にとっては非常に有難いことである。しかし、それで終わりではなく、一般的にはそれ以上のことはされていないが、実はその再購入者(今までは離反者)に対して、その時「どうして購入しなくなったのか」、あるいはどうして「舞い戻ったのか」など、これらの本当の理由を聞くチャンスであることも忘れてはならない。

また、こうしたOne to One手法の方が効果的であるかどうか、それも合わせて検証して頂きたい。ある日、偶然にコミュニティサイトやブログサイト、あるいは比較サイトを見る。その際に以前購入した商品の企業サイトがリニューアルされていたことがわかり、第三者の書き込みを読みつつ、「もう一度購入してみよう!」と思うこともしばしばある。

一般広告よりも詳細な説明があるその企業の「商品サイト」で、もう一回刷り込みがされて、購入に至ることもあるのではないだろうか。従来のマス広告という認知や告知よりも、ネットで『気づいてもらう』方が効果的な商品も多い。

その基本は自社サイトの魅力あるコンテンツと情報提供の量、それに情報の更新頻度である。そうした情報がネットの口コミによって縦横無尽に流れる。既にその会社の商品を購入した経験がある『潜在する元既存客』が反応することも考えてみよう。従来のOne to Oneの手法を使いながら、ネットにおける新たな口コミ効果を今こそ使ってみてはどうだろうか。

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[潜在する元既存客層] 2005年6月21日

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