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2005年4月28日
日経NET BizPlus「IT&マーケティングEYE」第45回連載より
<誰にもわからない!購入意思決定プロセス>
消費者がモノを購入する意思決定要因のメカニズム、これを知ることは非常に難しいことである。購入への決定プロセスは人それぞれ異なり、かつ購入に至るまでには様々な情報に左右される。それゆえ、購入直前まで決まらないことも多い。
どのメーカーのどんなタイプにしようか。友人・知人の情報や購入談を聞いたり、テレビ、雑誌、ネットでの情報で心を動かされたりすることがある。消費者の心を読むどころか、購入する本人さえも最後まで悩むこともある。
今までは各種のメディアで購入したい商品を知り、購入意思を持って店舗に行っては、並んでいる同種の商品を見ながら価格や商品詳細を初めて知り、直前で他商品を選び直して購入することもあった。最終判断は他商品と比べることによって意思決定がなされた結果である。どの時点で、どのように態度変容するのか、これは誰もわからない。
ただ、今までは店舗における店員さんのセールストークや商品陳列の際の刺激によっても大きく購入心を揺り動かされてきたが、現在および今後はどのようになるのか。とくにネットの場合は、どのような情報や刺激が購入意思決定プロセスに影響を与えるのか。これは商品を市場に出すメーカーにとっては大きな問題である。
<購入意思決定プロセスに影響を与えるネット>
ネットで購入する場合やリアル店舗で購入する場合も購入したい商品があると、どの商品を購入するのがベストチョイスであるのか、まずネットで調べてみるという習慣が身についている人も結構いるのではないだろうか。それは既に購入した人の使用感や経験談は様々な掲示板やblog(ブログ)に書かれており、購入前の客観的な情報収集に役立つ情報が各種のWEBサイトに多く書き込まれるようになったからだ。
また、カカクコムのような価格比較系サイトでは価格だけではなく、既に購入した人からの評価が書かれ、あるサイトでは売れ筋のランキング情報も入手できる。こうした個人のサイトや法人の情報サイト、コミュニティサイトには毎日多くの商品に関する情報が溢れ出ているのである。
店舗に出向いて購入したい商品を見比べて、あるいは店員の方にレコメンドされるそのプロセスは、ネットでは価格比較系サイトや個人blogに書かれた評価や評判を見て、自分が良いと思っていたベストチョイスが、逆に誤っていたことを知る場にもなっている。新しい商品を購入したイノベーターが書いた評価は直接オピニオンリーダーとなって、その商品の売れ行きの勢いを止めてしまうパワーを持つこともネットでは大いにあり得ることなのである。
こうした購入直前の態度変容に大きな影響を与えるネットは、クチコミの世界とか、ヴァイラルマーケティングのツールと言われてきたが、企業にとっては企業自体や商品への追い風となる評判や評価は歓迎だが、逆に販売にとってマイナスとなるような噂や風評になることも少なくないのである。
<必要になってきた!評判検索や風評調査>
すでにそうした掲示板や個人blogへの対応を重視して、ネット上における評判や風評を調べる企業も多くなってきたのだ。既に金融関係、とりわけ銀行では都銀の80%は各種の掲示板などの書き込みをチェックしていると言われている。書き込みがポジティブなものなのか、あるいはネガティブな内容なのか。
こうした風評は『風評被害』となって、そのまま商品への売り上げや実績、株価の変動まで、直接的、または間接的に多大な影響を与えるようになった。書き込まれた内容を阻止し対抗するのではなく、出来るだけ早く知り、リスクマネジメントの一環としてネガティブな風評に対応する必要が出てきたのだ。これが広報の新たな業務となりつつある。そうした評判検索や風評調査が高まってきたのは比較系サイトや各種blogサイトの増加によるものと考えられている。
クチコミがマーケティングに関わることは、昔から言われていることであり、ネットが媒介して助長する傾向は今後も強まる一方である。企業にとってはプラス面だけではなく、マイナス面での対応が迫られていることも誰も疑う余地のない事実であろう。
<すでに始まっている!見張番としての研究とサービス>
すでに、東京工業大学の精密工学研究所奥村学研究室では汎用連想計算エンジン(GETA)」を使った『blogwatcher』というサイトを昨年2004年8月から立ち上げており、情報処理振興事業協会(IPA)が実施した「独創的情報技術育成事業」の研究成果として、研究がなされている。
このblogwatcherはblogサイトをクロールし、キーワードなどを検索するサービスであり、blogから収集した情報(コンテンツ)をマイニングし、特定の時期に頻繁に出現するホットキーワードや特定のキーワードに対するポジティブ、ネガティブなどの評判検索ができるようになったとしている。これはネット上の特定blogを記事単位で検索できるものである。現在、新たにバージョンアップされ、blogに対応した本格的な評判検索や風評調査に使えるよう日夜研究がされているようだ。
また、このblogwatcher と同時期2004年7月にはNTT東日本で販売された「ContentsRadar」は、対象サイトを定期的に回ってチェックするもので、社名や商品名などのキーワードを各サイトの記事の中から評価キーワードとしての「悪評」キーワードとマッチッングさせて、そのリスク対象記事をグラフ等可視化でき、該当する担当者にEメールで通知する機能を提供するサービスである。
<軽視できない!blogサイト>
ネットでの書き込みやblogは匿名性である場合が多く、それが良いのか悪いのかということは別にして、気軽に発言することや誰でも簡単に自分の意見を公表・公開できる環境を与えてくれた。あまりネットを使用しない人やWEBサイトを利用しない人には、ネットでのこうしたコミュニケーションやネットでのコミュニティは『裏側の世界』と映るようだが、他国の暴動や株価への影響、あるいは商品の販売実績への波及など、人を刺激しアクションを誘発する存在になってきたことに早く気づくべきであろう。
同時に企業はその対応を真剣に考える時代になってきたことも認識しなければならない。中でもblogはビジネスブログなどの情報提供やSEO対策での攻めのツールと共に、以上のように評判や風評をチェックする対象として、企業にとってのblogは重要な位置づけになってきたと思われるのである。
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[ネットにおける企業の評判と風評対応] 2005年4月28日
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