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リアルマーケットの大手企業がネット企業になる日

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2005年3月3日

日経NET BizPlus「IT&マーケティングEYE」連載より

メジャーになってきた大手ネット企業

日本の最大手の有名な企業、その企業の名前や商品は誰でも知っているが、社長の名前は?と聞かれると知らない人も多い。しかしながら、最近の大手ネット企業による通信会社の買収、球団経営、放送局の株式問題など、全くPCやネットに触れたことがない人でも、そのニュースの渦中にいる社長の名前だけは知っている。かなりの有名人になったわけである。「50年ぶりの新球団設立で、認知度が著しく向上した」と球団を持つことによる広告効果は120~350億円になると試算、という報道があった。その試算以上の効果があったかもしれない。

長年の実績とマス広告(テレビ・新聞・雑誌等広告)で『知名度、ブランド力、信頼度』アップにお金と労力をかけてきた日本のメジャー企業にとっては、そのスピードとプロセスはまさに夢のようなことでもある。毎年10~50億円をブランド訴求の広告や販促に投じてきた会社は、なおさらである。今までネット業界では著名であっても、全国的にはマイナーだった知名度は、これによって社会的な認知を得たメジャーな会社になるための大きな弾みとなったようだ。


百貨店型から専門店型へ

2005年2月23日付の日本経済新聞朝刊17面には『新興上場ネットVB:専門店志向を強める』という見出しで、最近上場したネット企業の「専門店志向」についての記事が掲載されていた。この記事によれば、既に上場している大手のネット企業に見られる総合ショッピングモール、いわゆる「百貨店型」のような多角化的経営とは逆に今後は得意分野を掘り下げた専門店ショップなどが主流になるとしている。

かつて百貨店が隆盛を極めた時代があり、そのスキマを狙って、どんどん専門ショップ型や専門ショッピングモールが参入し拡大していったようにネット上でも同様の筋書きが待っているのだろうか。リアルマーケットの今までの歴史はネット上でも、また繰り返されるのか。

ネット環境やネットビジネスに関するノウハウやスキルはネットバブルと言われた2000年当時から比べると、どうすればネット上で集客し顧客化できるかなど、かなり一般企業に浸透しつつある。ネット環境を熟知し、それぞれのポータルに多くの利用者を来訪させ、ネットにおける検索やコマースでのこうした大手ネット企業の先行メリットはどこまで続くのだろうか。


ネット参入するか?大手リアルマーケット企業

今後は最新のネット技術だけではなく、商品の品揃えやネットでのセキュリティや個人情報保護の観点から、安心・安全という利用者への訴求もかなり必要となってきたと思われる。そうなると、既に日本で長年リアルマーケットにおいてビジネスを展開してきた大手企業はすでに『知名度、ブランド力、信頼度』が十分備わっており、安心・安全という企業ブランドをベースに、逆に『専門店型のネット企業』として参入することも大いに考えられる。

とくに売れる商品を製造してきた各種のメーカーは、卸売や小売へと今までの流通チャネルでの展開は小売業における店舗の減少・来店客数の減少、核家族化、少子化、高齢化等の影響で、必ずしも良好なチャネルや販売環境となっていないからである。


障壁を乗り越えてこそ、光が見えてくる

とは言え、現状の大手企業の組織や体制はリアルマーケット対応の既存販売チャネル向けであり、ネットへの対応を図る戦略や人材資源不足、あるいはネットへの参入による既存チャネルとの各種障壁等がネックとなっている。そのためネットへの本格参入には、その高く強固な壁をどのように乗り越えるか、ということになる。

既存販売チャネルに甘んじて会社の業績が下降し、会社の存続に関わるところでは早めにネットへの対応が必要になってきた、と思われる。利益の薄い量販店やネットショップとの取引よりはメーカー自身がネット上で今以上に直販する時代へと向かうことも、以上のような状況を考えれば、そんなに遠い将来ではないような気がするのである。

むしろそのメーカーに特化したショッピングモールを築くことも、専門特化型、専門領域を集めたネット企業として変身する大手のリアルマーケットの有名企業が登場しても、決しておかしくはない。もはや自社サイトを検索サイトの上位に検索結果を押し上げることやアクセスを増加させるスキル、ネット広告をコスト・パフォーマンス連動型で出稿すること、その他、Eメール、ブログ、RSSフィード、アフィリエイトプログラムなど、それらを駆使するノウハウやスキルはどんどん浸透しつつあるからだ。

リアルマーケットでナンバーワンになれなくても、ネット上ではナンバーワンになる余地は十分にあるネットだが、今まで市場で高いシェアを誇っていた企業は、ネットでも今までの実業の強さを示す時が来たようだ。

社会的認知を得たメジャー企業は『知名度、ブランド力、信頼度』のある実業があってこそ成り立つ。ネット企業にはその実業が今後必要となると思われるが、リアルマーケットでの長年実業を展開してきた企業の逆襲は今後始まるのだろうか。

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[リアルマーケットの大手企業がネット企業になる日] 2005年3月 3日

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