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IT活用とリテラシー

200412020a.jpgマーケティング最前線:第24回 2004年12月20日

月刊コンピューターテレフォニー1月号連載より

ITの実用化は仕事の効率化に多大な影響を与えたが、それらをうまく使えば使うほどに、仕事ができる人とそうでない人の差が出るようになってきた。本来なら、直接会って説明しなければいけないことを電話やEメールで簡単に済ます。

Aから来たメールを受けたBは、そのままCに転送する。従来であれば口頭で報告しなければならないことを、社内のイントラネットにレポートとして書き込む。会社からのメールが携帯メールに送られ、外出先でチェックする―これらの日常業務は合理的であり、時間の節約にもなるが、果たして結果的にプラスなのであろうか。

業務を遂行するための手段や方法は今までの仕事の能力に加えて、ITを活用する「リテラシー」が備わってこそ、仕事ができると判断されるような時代になってきた。コンピュータリテラシー、ITリテラシー、情報リテラシー、メディアリテラシーと、このリテラシーずくめの環境がビジネスマンを昔以上に忙しくさせていることも確かである。そうしたリテラシーを持って仕事をこなしている人とそうでない人の差は歴然だ。

しかしながら、このリテラシーに「ビジネスマナー」や「常識」がすっぽり抜けていることも多い。先日、ある部長職の方が転送されてきた携帯メールをチェックして、「えーっ、こんなことは電話で早く言うべきだろー!」とぶつぶつ言っておられた。

業務上の緊急なミスを、電話ではなくメールで書いて送信してくる若い社員に対してのぼやきである。こうしたマナーや常識が備わってこそ、リテラシーと言うべきだが、マナー不足をアドバイスしたり、ビジネスの常識を教える立場の先輩や上司が全くITをハンドリングできない状態では、誤りを指摘したり忠告するどころではない。

一方、個人情報保護法の本格施行に向け、情報セキュリティと共に社内の組織整備が進んでいる。しかし、社内のIT活用におけるビジネスマナーや常識を真剣に見直すところは少ない。埋もれているこうした問題こそが、さまざまな個人情報処理の乱れやデータ漏洩などの防止につながるかもしれないのに、である。

また、一般企業では社内セキュリティ上、ネットワークを守るために社内業務に関係のないとされる各種のツールバーやインスタント・メッセンジャー、RSSリーダーなどのネット上のソフトやプログラムはダウンロード禁止になっているところも少なくない。実は、ITリテラシーが高い人は今まで会社のPCやネットによって、いろいろ試しているからこそ、そうした能力が備わったことも忘れてはならない。

やっと高速のデータ回線が一般家庭に浸透したが、以前は会社のデータ回線が高速であったからこそ、さまざまな新しいものを試すことができた。社内ネットワークを守るのも大切だが、リテラシーアップにはネット上での新しいソフトを実際に体験させることも必要なのである。

このように、ITをしっかり活用するためには各々のリテラシーアップ、ビジネスマナー、それと個人情報保護、社内セキュリティなど、なにかと悩ましい問題が多くなってきたようである。通りを歩きながら、大声で携帯電話を片手に会社への報告をしているビジネスマン、その会話が並列に歩いている人にも聞こえ、知っている大手の会社名がいくつも出てくる。そんなことが気になる時代になってきた。

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[IT活用とリテラシー] 2004年12月20日

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