2004年12月9日
日経NET BizPlus「IT&マーケティングEYE」連載より
<ネットに弱い経営者層>
様々な経営者や経営のトップ層にお会いすると、ことネットに関してはかなりの温度差があることに気づく。ネットのことに詳しい経営者の方もおられるが、ネット関連の会社は別として表層的で断片的な情報のみをつなげている感じは否めない。それでも、Eメールについては社内外でのコミュニケーションを図るために利用されているが、自社や同業他社、あるいは自分の興味ある趣味や嗜好などWEBサイトを積極的に閲覧している方は、あまり多くはない。
全く実体験のない「ブログ」や「RSS」、「SNS」などを説明するには、かなり噛(か)み砕いた説明が必要となる。それどころか、『当社にはしっかりしたホームページがある』として、それ以上の話は出来なくなることもしばしばである。ネットが自社に及ぼす影響はそれほど頭の中にはなく、広報や広告宣伝における一部署の作業としか捉えられていないのが現状である。WEBサイトで自社が他社と比べられているなど、知る由もない。
<仕事で触れるだけのネット活用>
一方、ネット系会社の若い世代の人たちや、仕事で絶えずネットを利用しているネットワーカーは会社でも自宅でも、もはやネットは欠かせない生活の一部である。前述のEメールやブログ、あるいはSNS(Social Networking Site)などを使い、ネットオークションやネットショッピングなども当たり前に利用している。
ただ、そうした若い人たちも、チケット予約や宿泊予約、携帯電話での交通機関等路線情報は便利なので使用しつつも、ネット活用は会社での仕事と割り切って、自宅や自分のライフスタイルでは、あまりネット活用をしていない人も少なくない。マーケティング関係者においても同様の傾向が見られる。
会社でのネット利用においては、以前よりも個人使用でのWEBサイトの閲覧は厳しくなっており、ネットセキュリティの問題も加わって、インスタントメッセージやフリーメールなども禁止されているところもある。ましてや音声が出るものやストリーミング、ダウンロードさせるものなどは御法度かもしれない。
また、ネット関連の新しい技術や応用は日進月歩であり、どんどん様変わりしており、たとえ自社で活用・実践できるものがあっても、先進的なものを知らずにいることへのマイナス面はかなり大きいと思われる。個人的なネット利用の実体験は重要なことなのである。
<実体験がないので、わからない!>
現在のネット環境や検索エンジン、SEOの必要性、アフィリエイトにおける個人サイトの重要性、オーバーチュアやグーグルの検索連動型広告等を、経営者の方に論理的でわかりやすく説明をしても、さほど理解してもらえないことがある。逆に、そうした良さや効果などに興味を持つ人は、既にネットにおける実体験がある人であり、会社だけではなく自宅での個人的なネット利用をしているために、その理解度は早い。
テレビや新聞、雑誌などのマス広告は毎日の生活の中で目に触れており、それこそ自社の広告が出ていると、費用対効果は別として、その露出に満足している経営者も多い。それは生活者としての自分の目でも、しっかり確かめることができるからだ。それだけに、マスメディアへの理解は得やすいのであろう。
普段の生活や仕事上でのアクションで目に見える形でネットが存在していなければ、ネット自体やネット活用に関して評価し判断することはできないのである。たまに、企業によってはデザインだけを重視した企業サイトを構築し、社長ご満悦のサイトもお目にかかるが、これもマスメディアと同じ感覚なのかもしれない。ただし、集客を検討されていないので、どうみてもアクセスがなく、あまり閲覧されていないサイトとなっていることもある。
<どうやって、ネットを実体験してもらうか?>
現在、社長ブログや経営者ブログが盛んになってきている。このブログはそんなに難しい操作や知識を必要とせず、簡単にアップできるようになっている。書くことで、ブログの効果や影響を知ることができる。しかしながら、それだけではなく、書いたブログがどのように検索されるのか、検索エンジンの環境や本来のネット上の制約やメリットも知ることにもなる。トラックバックやリンクの良さを体感することも可能だ。
そうした実体験から「RSS」、「SNS」、「SEO」なども自ずと理解できるのではないだろうか。自社のWEBサイトを気に入っている社員は意外に少ない。もっと、効果的なWEBサイトを築きたいとする社員は、社長にブログを書いて頂いて、ネットの実体験をしてもらおう。もちろん、匿名性の無料ブログでも、直属の上司でも構わない。
さあ、明日にでも『社長、ブログを書いてみませんか?』とお勧めして、一度トライしてもらってはいかがなものだろうか。書くと、意外に自分の書いたブログが検索サイトの上位に結果に出てくることで、新鮮な驚きになるかもしれない。もはや企業サイトも個人サイトもネット上では、さほど区別する必要がないことも同時に理解してもらおう。
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[ネット利用は世代の差ではなく、実体験の差!?] 2004年12月10日
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