「マーケティング最前線」2004年8月20日月刊コンピューターテレフォニー9月号 連載より
パソコンが浸透して、一番普及し発展したのが『記憶メディア』ではないだろうか。各種のデータを収めておくハードとして、もはや必要不可欠である。フロッピーディスク、CD-ROM、MO、スマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリースティック、SDメモリーカードなど、パソコン、デジカメ、携帯電話と相互のデータ交換には欠かせなくなっている。
そのため、各種デジタル機器のデータ移動を考えると、この記憶メディアによってデジタル機器を選ぶ人も少なくない。つまり、記憶メディアが選択肢を狭め、知らず知らずのうちに『囲い込まれる』のである。もちろん、これもメーカー各社のマーケティング戦略であり、小生もしっかり囲い込まれている。
定期券として購入したSuicaは、もはやコンビニでの電子マネーとなっている。今まであまり利用していなかった駅から0分のJR経営のコンビニ「NEWDAYS」でよく購入するようになってしまった。Suicaで購入すると、改札を通るように『タッチ&ゴー』の支払いは実にスピーディーで簡単である。こうして、どんどん楽になってしまうと、人間はもう後戻りできないようだ。
イプシ・マーケティング研究所が行った調査結果が、2004年7月15日付のケータイWatchに掲載されている。『ネットユーザーの5割強が「ICチップ搭載携帯を利用したい」』という見出しで発表されたこの記事には、定期券、クレジットカード、電子マネーなどで利用されているICカードに関するアンケート調査の結果が書かれている。これを見ると、ICチップ搭載携帯電話に関する調査では「利用したい人」は54.7%に達している。
既に実用化されているNTTドコモの「iモード FeliCa」はJR東日本が2005年度後半にサービス開始を予定しているSuica機能付き携帯電話「モバイルSuica」でもサービス提供することを既に発表しており、その他ビックカメラ、富士ゼロックス、イオンクレジットサービス、NTTデータ、マツモトキヨシ、日本テレビ放送網、パーク24、UFJ銀行、タワーレコード、NECなどが利用を検討しているようである。おそらく間違いなく浸透するであろう。
それを裏付けるように、上記調査結果にはICチップ搭載携帯電話の利用意向で、全体の5.2%が「次に買い換える時、この携帯電話端末にしたい」、49.5%が「いずれは利用したい」となっており、全体の実に54.7%が「利用したい」ということが発表されている。加えて、利用意向については、ICチップ搭載携帯電話において利用したいサービスとして、46.2%が「電子マネー&プリペイドカード」、35.2%が「鉄道の乗車券」という結果になっていた。
まさに、ICチップ搭載携帯電話によって、電子マネー市場は携帯電話会社、コンビニやスーパーマーケット、百貨店などの流通においても大きなインパクトを与えることになる。このように新たなインフラの影響は、そこに取り残された企業やお店にとっては、流れが劇変するほどの問題となるかもしれない。データベースを駆使したマーケティングやコミュニケーションも大切だが、このような『ハードの囲い込み』も、かなり効果的であることがわかる。
NTTドコモが提唱する『おサイフケータイ』は今後どうなるのか楽しみである。もっとも、携帯電話の電池は今まで以上に気にしないと、帰りは歩いて帰ることになるかもしれない。
はてなブックマークに追加|
livedoor クリップに追加|
Buzzurlに追加
[ハードで囲い込み!] 2004年8月20日
HOME | 会社案内 | 波多野プロフィール | リンク集| サイトマップ | プライバシーポリシー | 問い合わせ
WEBマーケティング | コールセンター | CRM | コンサルティング事例 | 書籍・執筆
All rights reserved by 市場通信