2004年6月3日
「日経NET BizPlus:IT&マーケティングEYE」連載より
第26回「やっと来た!ITの本格的な活用・運用の時代」
1)2~3年後よりも今日や明日の方が重要?!
ネットにおける情報量やニュース性は素晴らしい。しかしながら、時代の流れの中で最新の情報収集や必要な情報の読み込みをするには、ネット以外の書籍、新聞、雑誌、あるいは街頭の人の動き、ショップの状況など、OFF-LINEやリアルマーケットのチェックも欠かせない。
とくにマーケティングの分野はそうした広範囲の情報を把握し、「今日性」を肌で感じ取ることが最も大切である。2年後や3年後の予測も歓迎だが、今日・明日の効果や効率を求められるマーケティングにおいては、非現実的な未来学者は必要ないのである。予想するのなら半年後の状況であろう。数字や市場の動向を見ると、安易に判断したくなるが実は現状と異なることも多いのである。
2)既に十分なスペックとなったPCやサーバー
毎月20日発売のWEDGEの6月号に『ITよさようなら 洗濯機よこんにちは』という非常に興味深い記事があった。白物家電の代表のような洗濯機と既に成熟化した掃除機などが、新たな技術革新で売れている様子が書かれている。あのドラムを斜めにした松下電器産業の洗濯機とデザインもユニークなダイソンのサイクロン式掃除機の事例が説明されていた。そうした家電の復活事例とPCやサーバー市場との比較がなされている。この比較が実におもしろい。
洗濯機や掃除機が技術革新によって、十分な利益が確保できる商品となっているが、ITのコアとなっているPCやサーバーの性能や品質が向上しつつも安価になりすぎて利益率が良好でないとしている。『技術がユーザーを追い越してしまった』という表現が実におもしろい。現在のPCやサーバーは処理速度も容量もすでに満足しているので、もうこれ以上のスペックは必要ないと書かれている。全くその通りである。
3)確かにIT産業自体は下降している!
現在のWindowsのOSや高速データ回線も十分なレベルまで来ている。それ以上の性能やスペックを求めるかというと、もはや実用に支障のないところまで達しているかもしれない。また、企業向け製品のSCM(サプライチェーン・マネジメント)やERP(エンタプライズ・リソース・プランニング)についても大手企業への導入が進み、新たなアプリが市場に出ていないことも手伝って、価格競争の激化が利益を奪っているということも上記誌面で述べられている。
当時みんなで大挙したラスベガスの、あのコムデックスも今や絶頂期の3分の1以下の来場者で、出展企業は半減となったことなど、記事の最後に書かれた『さらばIT』という言葉がふさわしい状況である。これは指摘されているように事実であろう。
4)いらっしゃい!IT活用・運用時代
しかしながら、白物家電とITの違いをもう少し考えて見よう。ITは洗濯や掃除などの単機能ではないのである。また、SCMやERPだけでもない。使用目的や用途が明確なハードやソフトではなく、活用や運用によってソリューションが展開されるものである。
やっと、ITによるインフラが出来たところであると考える方が正しいのではないだろうか。今まさにITを活用した応用の時代へのスタートを切ったところであり、SUICAに見られるような、新たな実用化や活用の時代への明るい兆しが見えており、マーケティングや販促に活用するITはまだまだ『企業ユーザーを追い越してはいない!』のである。
ITを駆使したWEBマーケティングやSFA、CRMなどの活用はこれからであると確信している。加えて、SCMやERPについても先進企業や大手企業だけのものではなく、WEBベースの製品等今後導入する企業も多いのである。
つまり、『いらっしゃい!ITソリューション&ITマーケティング』とも言うべき、本格的な実用時代がやってきたと思われる。本当は、これからが『知』の本番なのである。それを今、マーケッターとして肌で感じているところだ。
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