日本経済新聞2003年12月8日(月曜日)の朝刊(13面)で『コンサルタント職 成果主義徹底へ 有期雇用を導入』という記事に目を止めた人は少なくないであろう。厳しい今後のコンサルタントの雇用形態について、深く考えさせられる内容であった。
日本IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)は雇用形態の見直しに関する記事が掲載されている。新制度において一般社員は2~3年の有期雇用契約、次長職以上は有期雇用契約か会社との業務委託契約を選び、応募者は自己都合扱いでいったん退職、会社と再契約と書かれている。また、給与は現在の給与に福利厚生関連費を加えた額をベースに、業務成果を反映した新たな体系を適用とある。
とくに興味深いのは『自社と競合しなければ他社の仕事との兼業も可能になる。部下の管理業務も外し、コンサルタント業務に特化する。』というところである。実は、この短い文脈に重要な問題が潜んでいる。
コンサルタントは個の能力を最大限に活かし、業務の規模によってはその『個』の集合が大きな力となることもあるが、実際にはそれぞれの『個』の能力で業務が遂行される職業である。IT活用時代に入り、その専門領域の幅は広がり、かつ深さも要求される一方であり、今までの固定的なチームとしての集合体では業務を遂行することが出来ないような業務内容に変わりつつある。
上記の制度はコンサルタントの『個』の能力を、競合しない他の必要としている『知』に生かすことが出来る点で評価すべきあろう。その所属する企業の業務の枠にも限界があり、コンサルタントの能力を休むませることなく、絶えずその能力を磨き続けることはコンサルタント自身にとっても所属する会社にとっても有益なことであり、厳しいかもしれないが能力がある人ほど必要なことである。
コンサルタントは新たな業務を遂行することで進化し続ける。そのため、一旦止まってしまうと元に戻ることが難しくなるのである。その能力の進化を年功序列的な賃金制度のために潰すこと自体おかしい。また、コンサルタントの熟練度が増す頃になると、管理職となる会社組織のあり方自体も、見直されるべきであろう。実はコンサルタントの能力はその現場を離れてしまうと、部下の管理や人事面、あるいは教育・育成面に時間が割かれ、その能力はどんどん退化するのである。
小生の経験からすると、コンサルタント業務に執着がある人ほど、賃金アップや役職とは裏腹にコンサルタントとしての能力が退化することへの恐怖感と焦燥感は強くなる。『給料と生活』を取るか、自身の『コンサルタント能力アップ』を取るか、実体験として考えると悩ましい問題ではあるが、後はその人の生き方によると思われる。しかし、今までのコンサルタント会社としての組織のあり方が、もはやこのデフレ時代にはそぐわないのかもしれない。また、この成果主義の導入も正しい選択なのかもしれないのである。
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[コンサルタントと成果主義について] 2003年12月 9日
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