「CRM講座 - 実践の現場から -」 2002年12月12日「日経NET BizPlus」 連載より
ここに来て、ナレッジマネジメントやナレッジデータベース(以下、KDと呼ぶ)に注目が集まっている。ちょうどCRMが米国からやってきた頃とほぼ同時期に、この考え方は登場している。CRMが実施段階に入ると、顧客情報など現場情報の共有化には欠かせない。当社自身もこのナレッジデータベースを自社内に取り組んで4年目になる。今やなくてはならない存在だが、実は試行錯誤の繰り返しだった。今回はどのように構築したら使えるKDになるのか、その概要を述べることにする。
イントラネットが後押ししたKD
一般的に社内のノウハウやスキルは個々人に蓄積されるが、その知見は会社が引き継ぐべき大きな資産であることは言うまでもない。その昔、業務知識などの習得は社員研修で行い、通常の業務については上司や先輩など人から人へと、いわば『人づて』で浸透するのが普通であった。
しかしながら、景気低迷期の組織下では、リストラなどの組織変革や担当セクションや担当者の流動化は短期間に行われることが多い。とくに顧客情報とそれに伴う現場での知識やスキルは社の知見として『人づて』が利かなくなっており、加えてイントラネットの活用が、このKDの活用へと後押ししているようだ。これは、まさしく企業における知的資産の蓄積や知的資産の活用の重要なひとつと考えていいだろう。
それは社内研修と研修データの蓄積から始まった!
『KD作りました。使ってください!』というKDありきでの活用は必ず失敗する。今まで活用する習慣がないばかりか、今までの業務プロセスにおいては、別にそれがなくても業務は進行するからである。敢えて使う必要もないのである。それぞれの口に近づけても誰も食べてはくれない。実質的に活用してもらうにはKDを使うための理由とそれを推進するエンジンが必要となるからだ。当社においては社員育成のための社内研修と研修データのアーカイブ構築をスタートとした。それに加えて順次、内部データや外部データを肉付けして現在のKDの形に落ち着いた。
意外に重要だった!検索が容易なナレッジポータル
現在、当社のイントラネット上には検索ソフトを組み込んだ専用のナレッジポータルがあり、そこから必要なデータを非常に簡単に検索できるようになっている。知見の習得やスキルアップなど社員自らのモチベーションが、活用回数や活用頻度を押上げている。
また、意外に重要だったのは『KDの検索しやすさ』であり、既にWEBサイトの検索エンジンに慣れているせいか、社内であっても検索したユーザーの期待を裏切らないものが必要であるということがわかった。検索すれば、タイトル名や作成者名、さらにキーワード等直感的なイメージでも、目的のコンテンツまで最短距離で探せることが基本条件であったことも付け加えておきたい。最後にKD構築のための手順を示しておく。
KD構築の主な手順
①各種現状チェック
ここでは全体のKD構築のプロセスチェックとKDのリソースチェック、KM対象範囲を設定する。また、将来に向けて必要リソースの推測も前提条件に含める。
②KMマスタープランと各プログラムの概要と基本方針の設定
KM構築プロセスの構造とコアコンピタンスの明確化を中心に、社内のメソドロジー、ファンクション、コアスキルなどナレッジ体系の階層化を図る。また、能力開発、ナレッジポータル、あるいはナレッジ組織の基本方針を固める。
③KMインフラの整備
KM組織の編成、ナレッジポータル整備、スキル体系整備、能力開発体系整備、インナープロモーションの企画など整備プランをより具体化する。
④各種KMプログラムの実施
ここでは3の各種整備プログラムの実施フェーズとなる。
⑤検証・見直し
一度構築しても、この検証・見直しはかなり重要となる。とくにアンケートやナレッジポータルの活用ログの解析などを行い、活用回数や活用頻度を上げることが大きなポイントである。
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[なぜか再度注目されているナレッジマネジメントとナレッジデータベース] 2003年7月21日
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